上司の悪口を本人に誤爆! SNSミス防止策

上司の悪口を本人に誤爆SNSミス防止策

LINE誤爆、情報漏洩、身バレ、さぼりバレ…

2018年3月19日(月)

スマートフォンでのSNS利用は、その手軽さゆえに「思わぬミス」を引き起こす。やりがちで、なおかつダメージが大きい4つのSNSミスを取り上げ、その対処法を紹介する。

<CASE 1>悪口を誤って本人に…メッセージ誤爆

 間違った相手にメッセージを送ってしまう、通称“誤爆”。もし誤爆内容が「上司の悪口」で、それを本人に送ってしまったとしたら…。
 これは、実際にある話。LINEは誤爆者が多いことから、メッセージの「取り消し機能」を用意。相手に見られる前に消せるようにした。だが、相手が通知設定をしている場合、誤爆した瞬間に通知表示で内容を見られてしまう。「誤爆を防ぐのに有効な手段は、相手ごとに背景を変えること。背景が変われば、メッセージを送る前に『相手が違う!』と気づいて誤爆を防げます」(ITジャーナリストの高橋暁子さん)。
LINE誤爆対策
「取り消し機能」は万能ではない 「背景」を変えて注意喚起を強化
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/090600161/031400038/csr2.png
LINEでは送ったメッセージを取り消せる機能がある。メッセージを長押しして「送信取消」を選択すると、送信が取り消される。この機能が使えるのは最新バージョンのみ
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/090600161/031400038/g5.png
相手がメッセージを通知する設定にし ていた場合、通知表示で内容が見ら れてしまう可能性がある
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相手のトーク画面では、取り消した メッセージは表示されなくなるが、取 り消した痕跡は残る
変更したい相手のトーク 画面の右上のボタンをタ ップし(1)、「設定」をタ ップ(2)。「背景デザイ ン」→「デザインを選択」 とタップ(3)。好きなデ ザインを選ぶと背景が変 わる(4)。撮影した写真 に変更することも可能
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<CASE 2>投稿写真に社内の機密情報が…情報漏洩

 SNSでのミスで一番やってはいけないのは社内機密の漏洩だ。「さすがにそれはしない」という人も注意が必要だ。写真の一部に機密が写り込んでしまって大問題になるケースがあるからだ。特に危ないのが職場の机周りで撮影した写真。ランチの写真が重大な情報漏洩になりかねない(下の例)。「社内資料や付箋にメモした機密情報が写り込む危険性を踏まえ、社内で撮影した写真をSNSで投稿するのはやめましょう」(高橋さん)。
投稿した昼ご飯の写真に、 見られたらまずい社内情報が 写り込んでいた!

<CASE 3>匿名投稿した取引先への誹謗中傷が…身バレ

 「ネットやSNSに匿名はないと考えましょう。個人の特定は恐ろしいほど簡単です」。高橋さんは匿名投稿の“身バレ”の危険性をこう語る。
 多くの炎上事件では、「特定班」と呼ばれる人たちが投稿内容から個人を突き止め、ネット上に個人情報をさらしている。同様に、素人でも投稿内容やフォロワーなどから、「○○会社で××業務をしている人」ぐらいは特定できる。例えば、「会社の近くで××事件発生中」とあれば会社の住所がある程度絞り込めるし、「営業がダルい」とあれば営業職と分かる。
 取引先の誹謗中傷などをしていた場合、“身バレ”すると大問題になる。「匿名は匿名にあらず」と考え、誰かを不快にさせる誹謗中傷や不平不満は投稿しないようにしよう。

<CASE 4>仕事中に何気なく…で、さぼりバレ

 ビジネスでの利用が増えているSNSも、業務中では「さぼり」と捉えられてしまうことがある。何らかの理由で自分の失態を望む同僚が、投稿時間や「いいね」を押した時間をチェックし、「○○さんはいつもSNSでさぼっている」と内部告発するケースも現実にある。「業務時間内のSNS利用を禁止している会社なら処罰は免れません。疑いをかけられないためにも、『SNSは業務時間外』を徹底しましょう」(高橋さん)。
飲み会の写真投稿は参加者全員の許可を得ないとダメ
「頼んだ仕事が遅れているのに、酒を飲んでバカ笑いしやがって!」。このように、SNSでアップされる宴会の写真は、誰かの怒りを買う危険性がある。自分が写真を投稿しなくても、参加者の誰かが投稿して人目に触れる状態になれば同じ。「宴会の写真は必ず参加者全員の許可を得てから投稿するように心がけてください」(高橋さん)。
高橋 暁子(たかはし・あきこ)さん
ITジャーナリスト。スマートフォンSNSの安全利用や情報モラルに詳しく、記事や書籍の執筆・講演などを行う。テレビ、新聞、雑誌などのメディアへの出演・監修も多い。『ソーシャルメディア中毒』など著書多数。All Aboutガイドも務める。
*本記事は、「日経ビジネス アソシエ」2018年4月号掲載の記事を一部改編したものです