電気自動車は普及しますか?

電気自動車は普及しますか?


回答者:奥平和行編集委員 4月18日に経済産業省が「自動車新時代戦略会議」の第1回会合を開き、自動車メーカーのトップや有識者が議論を始めました。この会議の議題のひとつがEVと報じられています。また、世界最大の自動車市場となった中国では25日に北京国際自動車ショーが開幕し、地元勢に加えて海外メーカーがEVを積極的にアピールしています。
EV普及のカギは電池にあり
EV普及のカギは電池にあり
 EVは走行中に二酸化炭素(CO2)や排ガスを出さないため、欧州など環境への意識が高い地域で注目を浴びています。中国は自動車産業を強くするという観点から、海外メーカーが大きく先行したエンジン車からEVへの移行を急いでいます。インドなどの新興国でも石油の輸入を減らすためにEVを普及させようとしているのが実情です。
 ただ、各国の思惑通りに普及が進むかは不透明です。最大のネックといわれるのが電池です。コストを下げ、充電時間を短くすることが課題です。リチウムなど原料の確保も重要です。ガソリンスタンドに代わって充電ステーションを普及させる必要もあります。コストは量産効果で自然と下がるとの見方もありますが、誰かが課題を解決しなければいけません。
 実はEVは古くて新しい技術ということもできます。自動車の歴史が本格的に始まった20世紀初め、欧米では鉛蓄電池を搭載したEVが走っていました。日本でも1950年に自動車部品メーカーの日本電装(現デンソー)がEVを販売した実績があります。ただいずれの場合も電池の性能がネックとなり、エンジン車が主流になった経緯があります。
 今後については「誰が予測するか」で景色は大きく異なっています。石油会社は低め、金融機関は高めに見積もる傾向が強く、2030年の自動車の世界販売台数に占めるEVの割合は2%弱から25%超と幅があります。ちなみに現在は1%弱ですが、ノルウェーなど既に約20%に達した地域もあります。政策や規制で状況が大きく変わることにも注意が要ります。
結論:電池の技術進化に大きく依存し、地域によっても普及にばらつきが出そうです。