米朝に食い違い、首脳会談の衝突は必至か-制裁解除と軍縮で大きな溝

米朝に食い違い、首脳会談の衝突は必至か-制裁解除と軍縮で大きな溝

David Tweed
2018年5月15日 1:29 JST
  • ポンペオ、ボルトン氏は制裁解除の前提として完全な非核化を要求
  • 北朝鮮は「意図的な挑発」と反発、国営メディアは米批判繰り返す
JUNG YEON-JE/AFP/Getty Images
軍備縮小が先か、制裁解除が先か。この議論で米国と北朝鮮の主張は食い違い、6月に予定されるトランプ大統領金正恩朝鮮労働党委員長との会談は衝突が必至の様相だ。
  トランプ政権の安全保障政策を担うポンペオ国務長官ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)はいずれも13日、米国が制裁を解除するには、完全かつ検証可能で不可逆的な北朝鮮非核化が前提になると主張した。一方、北朝鮮朝鮮半島の非核化に段階的なプロセスを採用するよう求めている。
U.S. to Send Capital to North Korea Once Nukes Go
北朝鮮情勢について話すポンペオ国務長官
Break: Australia (Source: Bloomberg)
  ボルトン氏はCNNに対し、トランプ大統領北朝鮮に望んでいるのは弾道ミサイルや生物化学兵器を含めた「全面的な核プログラム」の廃棄だと発言。「北朝鮮が実際、大量破壊兵器を断念するという戦略的な決断を下したのかどうか試すことが重要だ」と説明した。
   過去数カ月で平壌を2度訪問し、金正恩氏と会談しているポンペオ氏は、FOXニュースとの別のインタビューで「明言しておこう。北朝鮮がロサンゼルスやデンバー、われわれが今いる場所に向けて核兵器を発射するリスクを防ぐことが米国の利益だ」と述べた。
  今のところ、北朝鮮が見返りも得ずにすべての兵器を一度に手放すとの示唆はない。同国国営メディアは繰り返し、米国が制裁緩和と引き換えに兵器の完全な廃棄を要求していることを批判。外務省報道官は今月、米国が北朝鮮を「意図的に挑発」していると指摘した。