◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2018.05.26

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週の日本市場は反落となった。」

M「ああ。週間ベースでは日経平均9週ぶりの下落だ。」

T「3月下旬に日経平均は20500円割れとなる場面もあったが、その後は戻り基調続けて、今週には23000円台を回復したんだが・・。」

M「ああ。節目の23000円を回復したのを機に、達成感出たかのように失速してきた。」

T「今週の月曜日までは良かったんだが・・・。」

M「そうだな。先週末行われていた米中通商協議で、米国の対中貿易赤字を減らすため、中国が輸入を増やすことで合意した。」

T「更にムニューシン米財務長官がTV番組で、関税措置についても保留にすることで合意した事を明らかにした。」

M「協議は今後も続けるとの事だが、早急に合意する必要性が後退したといえる。」

T「それが好感され米国株もしっかり上昇し、ダウは25000ドルの節目を回復した。ダウ25000ドル台は2ヵ月以上ぶりだ。」

M「しかし続かなかったな。」

T「ああ。これで米中貿易懸念は暫く落ち着くと思ったが、トランプ大統領が中国との貿易協議について満足していないとの見解を示した。」

M「更に翌日には中国との通商協議に関して上手く進んでいるものの、実現が難しいとの認識を示し、最終的には別の仕組みを用いる必要があるとの見解を示している。」

T「これにより米中貿易問題の先行き不透明感が再び強まってしまった。」

M「日経平均は23000円到達も、それを機に失速する格好となっており、米ダウは25000ドル回復も、やはりそれを機に失速した格好だ。」

T「更に北朝鮮問題も今週の相場の重石となった。」

M「ああ。22日にはトランプ大統領が、来月予定している米朝首脳会談について、中止もしくは延期する可能性を示唆してきた。」

T「最近、北朝鮮が結構挑発的な発言してきたり、米国を挑発してきている面もあったからな。それが気に入らなかったんだろう。」

M「だろうな。北朝鮮は先週、米韓合同軍事演習に反発し、南北閣僚級会談を急遽中止した。更に米朝首脳会談についても中止する可能性を示唆してた。」

T「もともと北朝鮮から要望していた会談だけどな。」

M「北朝鮮は、米朝首脳会談を出来るだけ有利に行うため、揺さぶりをかけるつもりで、挑発してきたんだろう。」

T「その背景には中国があると見られているようだな。」

M「ああ。北朝鮮金正恩が今月7~8日に再び訪中し、習主席と会談を行っている。どうも、これを境に金正恩の態度が変わったとトランプ大統領は見ているようだ。」

T「恐らくそこで何らかの入れ知恵があったのかも知れない。もしくは何らかの約束をしたのかも知れない。」

M「だろうな。それで金正恩はちょっと強気になり、米国を揺さぶり始めたんだろう。」

T「だが、相手はあのトランプ大統領だ。22日に、米朝首脳会談中止もしくは延期を示唆したと思ったら、24日には米朝首脳会談中止を決定した。」

M「決断が早い。ナメんなよと言わんばかりに、中止の書簡を送りつけた。」

T「北朝鮮から先に中止を決められるなら、トランプ大統領から中止にしたかったという面もあるんだろうな。」

M「ただ書簡の内容見ると、完全決裂という感じでもなく、北朝鮮の姿勢次第では会談に応じる可能性も示している。」

T「結局、トランプ大統領は自分の思うように出来ないなら会談はしないと言うことなんだろう。」

M「そうだな。米国の要求を鵜呑みにするくらいの姿勢を示さないと会談はしないと言うことだろう。」

T「これを機に、北朝鮮が再び軍事的な挑発に動かなければ良いのだが・・。」

M「それをすれば、トランプ大統領は今度こそ軍事行動起こす可能性も否めない。金正恩だって、そう感じているに違いない。」

T「いずれにしろ北朝鮮問題は再び不透明感が出て来たことになる。」

M「まあ過度な懸念には、暫くならないとは思うが、不透明になったのは確かだな。」

T「結局、今週は米中貿易問題や北朝鮮問題が不透明になり、相場の重しとなった格好だな。」

M「更にトランプ大統領は、今週、輸入自動車に追加関税を掛けることを検討すると明らかにした。」

T「遂に来たという感じだ。」

M「ああ。しかも最大25%の関税にするとのことだ。現在は乗用車は2.5%となっているだけに、10倍にするってことだ。」

T「無茶苦茶だな。」

M「日本には痛いだろうな。自動車メーカーや関連企業も多い。幾らある程度は現地生産しているといっても、実際に25%もの関税かけられたら業績への悪影響は避けられない。」

T「まあ、実現は難しいとの見方も多いが、結局トランプ大統領はこのカードを使って、各国との通商協議を有利にしようと言うことなんだろう。」

M「一方で中国は輸入自動車の関税を引き下げる事を今週決めている。まあ中国はもともと関税が25%と高く、それを15%に引き下げるとのことだ。」

T「でも米国とは逆を行っている。米国は保護貿易色を強めてきている格好だが、中国が逆に自由貿易色を強めてきている格好だ。」

M「今週になって色々とトランプリスクが再び強まってきたような感じだ。」

T「ああ。そのお陰で、せっかく円安基調となっていたのが、大きく円高へと戻してきてしまっている。」

M「まあ、今の水準でドル円も下げ止まってくれれば良いのだが、更に円高へと進行していくようだと、日本株の下落余地も大きくなってしまう。」

T「そうだな。来週はドル円日本株も反発できるのか注目だな。まあ反発しても限定的になりそうだが・・・。」

M「来週は米国で重要な経済指標発表も多い。どういう状況で週末迎えるんだろうな。」

T「期待したいモンだ。」