◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2018.06.02

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も日本市場は軟調な展開となった。」

M「ああ。日経平均TOPIXは2週続落となっており、日経平均22000円割れまで下落する場面も見られた。」

T「先週前半には23000円台乗せていたんだが、早くも22000円か・・。」

M「ただその水準ではしっかりと下げ止まり反発してきている。」

T「今週は色々とあったな。欧州では政局不安が一気に強まり、マーケットには波乱要因となった。」

M「ああ。イタリアは3ヶ月間も政権樹立出来ずに空白状態続いており、ようやくその状況から抜け出しそうになっていたんだが、今週突如頓挫してしまった。」

T「それにより再選挙の可能性が一気に高まり、イタリア国債が急落して利回りが高騰、更にイタリア株が売られ、ユーロが下落した。」

M「欧州株も軒並み売られ、久々に欧州リスクが世界的に意識されてしまった。」

T「ただそういった懸念も長引かなかったな。」

M「ああ。第一党政党である五つ星運動は連立政権樹立を再度試みるとのことから、再選挙への懸念が後退した。」

T「結局、その後、連立政権発足し、再選挙の可能性がほぼ無くなった。」

M「まあ、その新政権も不透明感はあるんだが、取りあえず最悪のシナリオである早期の再選挙が避けられただけでも良かったといえる。」

T「再選挙となれば、五つ星運動も、今回連立組む極右政党・同盟が、いずれも議席数を更に増やすと見られているからな。」

M「ああ。両党はEU懐疑派であり、議席数を更に増やせば、民意を理由に強気な政策を推し進める恐れが強まる。」

T「そうだな。EU離脱やユーロ離脱なんて極端な政策に動く懸念も否めない。」

M「ある意味、再選挙をやるとなれば、その選挙はEU離脱を問う選挙になってしまう恐れもあるからな。」

T「まあ今回の新政権も、EU懐疑派の両党による連立政権だけに楽観視は出来ないが・・・。」

M「ただ今の議席数ではあまり過激なことは出来ないといえ、EU離脱なんて話にはならないとは思うが。」

T「そうだな。でも両党は大幅減税などの歳出拡大策を進めることで合意しており、EUが決める財政規律に抵触する恐れがいわれている。」

M「ああ。それによりEUとの対立が強まると、もしかすればEU離脱なんてことも言い出すのかも知れない。ただそうなるにしても、まだ先のことだろう。」

T「だろうな。ひとまずは早期の再選挙で、EU離脱懸念が強まるなんて展開は避けられた格好だ。」

M「今週はイタリア政局不安の他に、トランプ政権による保護主義的な通商政策への懸念も再度強まった。」

T「ああ。米政府が中国製品に知的財産侵害に対する制裁関税を実施する可能性を示し、6/15までに最終案を発表すると明らかにしている。」

M「しかも、その後速やかに発動すると表明した。」

T「先週には米中は関税発動を互いに保留することで合意したとムニューシン米財務長官が明らかにし、米中貿易摩擦懸念が後退していたんだが・・。」

M「まあトランプ大統領は満足していないなんて発言もしていたし、トランプ大統領自身は合意したつもりなんて無いのかも知れない。」

T「今週末から週明けにかけて、再び米中通商協議が行われる予定だが、中国は合意違反だとの見解を示しており、かなり怒っているようだからな。決裂とかにならなければ良いのだが。」

M「そうだな。それに米国に対して怒っているのは中国だけじゃない。」

T「ああ。今週、鉄鋼・アルミ関税をEU、カナダ、メキシコにも6/1から行うことをトランプ大統領が明らかにしている。」

M「EU、カナダ、メキシコは一時的に保留としていた。ただ協議が上手くいかず、強硬発動に踏み切ったようだ。」

T「こういった米国による保護主義的な通商政策をうけて、今週は再びトランプリスクが意識された格好だ。」

M「ただもう一つの懸念と見られていた北朝鮮問題は落ち着いてきそうだな。昨日、トランプ大統領は予定通り6/12に米朝首脳会談を行うことを明らかにしている。」

T「一度はトランプ大統領が中止を表明したんだが、北朝鮮はかなり焦ったようで、譲歩してきたんだろう。」

M「まあ実際に米国が求める完全非核化を北朝鮮が受け入れるのかどうかは、まだ不透明だけどな。」

T「ただ取りあえず互いに歩み寄って協議続けている状況は悪くはない。」

M「そうだな。来週は米中通商協議の行方や、日米首脳会談、それにG7首脳会談が注目される。」

T「引き続き米国による保護主義的な通商政策が懸念となる恐れもあり、どういった相場になるのか注目だな。」

M「ああ。トランプ節が一段と強まり、トランプリスク高まらなければ良いのだが。」

T「そうだな。期待したいモンだ。」