◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2018.07.14

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は日本株、4週間ぶりの上昇となった。」

M「ああ。日経平均TOPIX共に週間ベースで上昇し、7月の高値水準となっている。」

T「そうだな。7月相場は、波乱的に始まり、第1週は結構売り込まれたが、週末から切り返して今週は先週の下落を取り戻す展開となった。」

M「先週末の7/6には、米国が中国への制裁関税を発動させる予定であり、それにより中国もすぐに同規模の報復関税を発動させることは表明していた。」

T「その警戒で先週は売り込まれたが、実際に発動されたらアク抜け的な動きになったといえる。」

M「ああ。先週末に米中が互いに関税発動してから、トランプ大統領は意外と大人しかったといえる。また何か言い出すのではとの警戒もあったからな。」

T「そうだな。週明けになっても追加関税に関しての言及は無く、それで今週月曜日は更に買い安心感に繋がった。」

M「まあ、ショートポジション取っていた向きの買い戻しが入ってきた感じだろう。」

T「だろうな。今週の月曜日は米国株もしっかりと上昇し、中国株も派手に上昇したからな。」

M「しかし今週水曜日には、再び貿易摩擦懸念から売られる動きになっている。」

T「日本時間朝方に、米政府は2000億ドル相当の対中関税リストを週内公表の公算大と報じられて、その後すぐに正式に原案が公表された。」

M「ああ。トランプ大統領が以前から言っていた事だが、7/6に第一弾の関税発動してから、それに関しては言及していなかっただけに、市場も不意を突かれたんだろう。」

T「前日まで戻り基調となっていたこともあり、水曜日は大きく反落する動きになってしまった。」

M「ただ懸念する売りも続かなかった。翌日には、水曜日の下げをほぼ取り戻すような動きになったからな。」

T「ああ。中国株や米国株は、水曜日に下げた以上に、木曜日上げているからな。」

M「2000億ドルの追加関税は、既に想定されていた事だし、実際発動されるまでに日柄があるからな。」

T「ああ。2000億ドルの対中関税に関しては、8月末までに公聴会を開き、それで具体的に詰めて9月以降に発動という流れのようだ。」

M「それまで日柄あるし、実際に発動まで至るかは不透明だ。まあ、トランプ大統領ならやりそうだが、その前に中国が折れる可能性もあるだろう。」

T「でも、米国が2000億ドルの対中関税発表した事をうけて、中国も報復せざるを得ないとの表明をしている。」

M「ただ具体的な報復策には言及していない。」

T「確かにそうだな。」

M「まあ米国からの輸入総額は2000億ドルも無いだけに、同規模の米国製品に関税をかけることは不可能だから、具体的な報復策はすぐには出せないんだろうけど・・・。」

T「だよな。まあ報復の仕方は関税だけではないし、色々と手はありそうだけどな。」

M「ああ。ただまだ具体的な報復策を出していないことから、市場では中国は緩和姿勢になってきているのではとの見方に繋がっている。」

T「まあ、具体的な報復策出せなくても、幾つか例を出すなど、脅し的な姿勢は示そうと思えば示せるからな。でもそれを今はまだしていない。」

M「それに中国は、協議を行う姿勢も示めしており、今後米中通商協議が再開されるとの期待もある。」

T「まあ今度は合意出来るかというのは不透明だが、もし本当に中国が緩和姿勢になってきているのであれば、合意策が見つかる可能性もあるのか知れない。」

M「ある意味、ここで中国が大人の対応で、譲歩姿勢を示して、米中貿易摩擦を終わらせられれば、他国からも中国を見る目が変わる可能性もあり、中国にはプラスになるという見方も出来る。」

T「確かにそうだな。トランプ大統領率いる米国だけが悪者という格好に持って行ければ、国際社会で中国の発言力や影響力は強まる可能性もありそうだ。」

M「いずれにしろ、この問題はまだ終わっていない。今後、改めて波乱要因となる恐れも当然あるだろうし、油断はしない方が良さそうだ。」

T「まあ来週から米国でも企業決算発表相次ぐし、日本でも来週末辺りから徐々に出始める。それだけに市場の関心も、個別の企業業績へと向かいそうだ。」

M「暫くは貿易摩擦懸念は、落ち着いて欲しいモンだな。」

T「ただ来週、米自動車輸入関税に関しての公聴会があるんだよな。それにより改めて米国が輸入自動車やその部品に追加関税をかける懸念が強まるようだとやっかいだ。」

M「それも含めて、来週どういう相場になるのか注目だな。」

T「ああ。期待したいモンだ。」