変わる未来の戦争、米軍が失いつつある技術的優位性
変わる未来の戦争、米軍が失いつつある技術的優位性
米軍司令官は現在、南シナ海や東欧、ひいては朝鮮半島において、圧倒的な火力と最先端テクノロジーを展開する能力のある敵との戦争が起きる可能性を検証している。とりわけ、ロシアと中国との対立は予想よりも急速にエスカレートしており、武力衝突の初期段階で中ロが米軍をしのぐ戦力を自国周辺で展開する可能性は、いまや現実のものとなっている。
ドイツ当局者は今月、同国の送電網に対する一連のサイバー攻撃を行ったとしてロシアを非難。米国も同様の主張をしていた。一方、CNNが軍関係筋の話として伝えたところによると、領有権問題の渦中にある東シナ海の海域上空を飛行する米航空機を狙った一連のレーザー照射は、中国が背後にいるとみられているという。こうした出来事が続発しているが、ロシアも中国もそれぞれ関与を否定している。
そのような兵器が米軍に対して実戦でどの程度うまく機能するかは言いがたい。しかし明らかなのは、ほとんどの戦闘において、米軍がある特定の問題に直面することだ。
軍事専門家は、大国間のAI軍拡競争について言及することが多くなっている。AIは今世紀において、第2次世界大戦中の核兵器競争に匹敵するほど重要になる可能性がある。とりわけグーグルなどシリコンバレーの一部大手企業が国防総省に協力したがらないことから、この競争で米国が後塵を拝するかもしれないと、公然と懸念を示す米当局者もいる。
英国のような大半の主要国は、空母やF35戦闘機などの主な兵器プラットフォームへの最近の投資により、まだ優位に立っていると考えている。だが専門家は、ロボット車両のような次世代テクノロジーですら、高度な技術力を持つ敵軍に機能不全にされてしまう恐れがあり、大規模な戦闘で実用性が発揮できないのではないかと懸念している。
敵の能力と思惑を現実的に評価することに苦慮する各国が、戦術的に優位に立とうと先制攻撃に出る可能性が高まる。米国とその仮想敵はこうしたエスカレートする傾向を無視するわけにはいかない。少なくともそれらを話し合うための何らかの共通項を見いださなければ、悲惨な結果を招く恐れがある。
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