◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2018.07.21

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は祝日があったため、4営業日だけだったが、先週末からは日経平均TOPIX共に上昇した。」

M「ああ。ただ不安定な1週間だったといえる。」

T「そうだな。米国では企業決算発表が本格的に始まっており、決算発表で買われるものもあれば、逆に売られたものも見られており、まちまちといった感じだ。」

M「ただ今週もナスダック指数は最高値更新したし、S&P500指数は5ヵ月ぶりの高値を付けている。」

T「ああ。ただ週末にかけては米国株も弱含みの動きとなっており、来週相場への警戒を残した格好だ。」

M「そうだな。ここに来て貿易摩擦懸念が再び強まってきている。」

T「19日にはトランプ大統領がテレビのインタビューで、中国人民元安を牽制する発言をしたと思えば、それに対抗してかは分からないが、20日中国人民銀行が、人民元の基準値を元安方向に設定した。」

M「ああ。前日の基準値より0.9%ほど、元安水準に設定しており、それだけ大きく基準値変えてきたのは、約2年ぶりとなる。」

T「トランプ大統領が中国人民元安を懸念した翌日に、まるで人民元安誘導とも捉えられる基準値設定で、中国が対抗した格好だな。」

M「まあ実際は意図的ではなく、金融機関などからの聞き込みで決めた基準値なんだろうけどな。ある意味、それだけ人民売り需要が強いともいえるのかも知れない。」

T「でも人民安誘導じゃなくても人民安許容とはいえるのかも知れない。」

M「そうだな。中国人民銀行は、まだまだ元安は許容できるという姿勢の表れだとの見方も確かに出来る。」

T「それはある意味、人民安誘導にも繋がることだといえるけど。」

M「いずれにしろタイミング的に昨日設定された人民安基準値は、市場に米中貿易摩擦懸念を再び強めてしまったような感じだ。」

T「ああ。更に貿易摩擦懸念に拍車をかけるかのように、日本時間昨夜報じられたトランプ大統領のインタビューで、中国からの輸入製品全てにあたる約5000億ドルに、関税をかける準備があると報じられた。」

M「最近は貿易摩擦懸念も消えてはいないが、懸念一服といった感じだったが、早くも再燃か・・・。」

T「まあ仕方ないだろうな。いずれまた再燃するのは市場では当然分かっていたと言えるし、ある意味それも想定内のことだろう。」

M「確かにそうだな。トランプ大統領が引くわけもないし、中国だってそう簡単には引かないだろう。なら、再燃するのはある意味、当然の事だ。」

T「ただ市場の懸念はまだ、米中貿易摩擦懸念が中心だが、欧州とも再び懸念出て来ているし、その内、日本との貿易摩擦懸念も強まるのではとの警戒も強い。」

M「ああ。今週米国で自動車関税を巡る公聴会が行われた。日本も業界関係者などが証言しており、自動車関税に関して懸念を表明した。」

T「米国企業からも懸念を示す声が聞かれているからな。いずれにしろ米国経済にも悪影響だ。トランプ大統領がまともなら、米経済に悪影響を及ぼす恐れがある自動車関税なんてやらないだろうけど・・・。」

M「トランプ大統領はまともじゃないし、本当にやりかねない。」

T「そういった懸念は当然強く、本当に自動車関税を実行するならば、日本企業も大きく悪影響を受ける恐れがある。」

M「今週は日経平均23000円を睨む場面もあったんだが、ここに来て再び貿易摩擦懸念が意識されてきたため、23000円が再び遠い感じになってしまった。」

T「ドル円も1ドル113円まで今週は円安へ進行したんだが、やはりトランプ大統領による鶴の一声で、円高方向に戻してきてしまった。」

M「そうだな。19日のテレビのインタビューで、中国人民元安への懸念を示しドル高牽制的な発言したことに加えて、FRBによる利上げにも懸念を示した。」

T「FRBによる金融政策にも、米大統領が口出しすることは、異例とも言えることだ。」

M「FRBの独立性脅かす発言と言えるからな。すぐさま、ホワイトハウスの報道官は、大統領は独立性を尊重しているとのフォロー的な声明を出している。」

T「ただ幾ら周りがフォローしても、この発言はまずいよな。」

M「そうだな。今後、FRBが利上げをストップした場合、トランプ大統領による圧力が影響していると市場が勝手に受け止めてしまう恐れがある。例えそうじゃなくても・・。」

T「だよな。それだけにトランプ大統領が利上げを批判したことにより、FRBは逆に利上げを止めにくくなってしまったとも言えるだろう。」

M「パウエルFRB議長も頭抱えているだろうな。」

T「しかも昨晩も今度はツイッターで、改めてFRBによる利上げを批判している。」

M「周りが懸命に火消しに動いても、それを平気で無駄にするなんて、トランプ大統領らしいけどな。」

T「いずれにしろ、トランプ節が再び市場を混乱に招くという懸念も出てきたとも言えるかもな。」

M「そうだな。これ以上、下手なこと発言せず、早いところ夏休み入りでもしてくれれば良いのだが・・・。」

T「どうせ夏休み入っても、ツイッターで呟くから一緒だ。まあ来週もトランプ大統領による発言は注目されそうだ。更にトランプ節が強まってくるのか、それとも少しは大人しくしてくれるのか・・。」

M「ああ、注目だな。それに加えて、来週から日本でも企業決算発表シーズンが始まる。それら企業決算へも注目だな。」

T「好決算相次いで、日本株の見直し買いに繋がるようなら良いのだが・・。期待したいモンだ。」