◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2018.11.3

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週の日本市場は大幅に反発した。」

M「ああ。先週まで4週連続で、しかも希にみる下落率や下落幅を記録して下げてきた。それを考えれば、今週の上昇なんて・・。」

T「まあ確かにまだリバウンドの域は出ていない。」

M「ただ下値で公的年金を運用しているGPIFと思われる買いが入ってきたとの観測もあり、いよいよクジラが動いてきたというのは心理的に大きいかもな。」

T「そうだな。10月の株価下落をうけて、GPIFの株式比率が低下しているようであり、新たな買い余力が出ているとの見方も多い。」

M「でも、それにより買い付けたのであれば、再度日経平均が21000円辺りまで下げた場合、今度は買わない可能性もあるからな。」

T「まあ余力を使ってしまえば、そういうことになる。」

M「もちろん、日経平均21000円を大きく割り込んで更に下がれば、新たな余力が生まれるが・・・。」

T「それは勘弁して欲しいモンだ。」

M「ただこれで底打ちしたと見るのは時期尚早だろう。」

T「確かにそうだな。今回の安値はあくまでも一番底だ。このままV字回復していくほど、買い材料があるわけではない。」

M「基本的には底打ちするにも二番底を付けに来ると見ておくべきだろう。」

T「実際、日経平均21000円まで下落したところが一番底なら、まだ良いんだが・・。」

M「今週は米中貿易摩擦問題を巡り思惑交錯した。」

T「ああ。11月末に予定される米中首脳会談で、貿易摩擦解消へ向けた進展が見られなければ、米政府は12月初旬までに中国製品の残り全てに新たな追加関税を発動させる準備をしていると、週前半には報じられていた。」

M「ところが、その後トランプ大統領がテレビ番組のインタビューで、米中貿易問題について中国と素晴らしい取引を見込んでいると発言し好感された。」

T「更に11/1には、トランプ大統領が中国の習近平国家主席と電話会談を行ったようで、トランプ大統領が貿易などの問題で非常に良好な話をした事を明らかにした。」

M「中国側も11月末の米中首脳会談で貿易摩擦の打開に向けて協議を深めることで一致した事を明らかにしている。」

T「そして昨日は、日本時間中に米ブルームバーグが、トランプ米大統領が中国との貿易合意の草案作成を指示したと報じた。」

M「その報道で日本株が昨日棒としているからな。」

T「ところが、昨晩の米国株は上げられなかった。」

M「ああ。上昇して始まったが、買いも続かずに売り込まれてしまった。」

T「トランプ大統領が貿易合意の草案作成を指示したとの報道について、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が、そのような動きはないと否定した。」

M「それにより失望されてダウは一時300ドル超の下落となる場面もあったからな。」

T「当然昨日の日本株の上昇は、米国株高も織り込んで上げていただけに、まさか下げるとは思ってはなかった向きも多い。」

M「それだけに日経先物は夜間取引で22000円を割り込んで引けている。」

T「米国株は朝方発表された米雇用統計も重しとなっていたようだ。」

M「結構強い数字になったことで、米長期金利が再び上昇してきたからな。」

T「それに、やはりアップルが派手に売られてしまったことも大きいだろう。」

M「ああ。前日引け後に決算発表しており、見通しが市場予測を下回った。それによりアップルが派手に売られ、指数を押し下げている。」

T「米中貿易摩擦問題は、先行きはかなり不透明だな。トランプ大統領はここに来て楽観的な発言してきているが・・・。」

M「そうだな。米国時間午後にも、改めて米中の貿易交渉に楽観的な見方を示しており、米国株は終盤下げ幅縮小の動きに繋がった。」

T「中間選挙前だけにリップサービスとの見方も多く、選挙後に再び強硬姿勢示す恐れも否めない。」

M「来週はいよいよ、その中間選挙が行われる。その結果によって市場への影響は良くも悪くも大きいだろうし、来週末どういう状況で来週の相場を終えているのか見物だな。」

T「まあ中間選挙の結果関係なくアク抜けになるとの見方も少なくはない。既に警戒されてきただけに・・・。」

M「そうだな。そう期待したいところだが、米中貿易問題を巡り、まだまだ思惑も交錯しそうだし、先行き不透明感は簡単には拭えないだろうな。」

T「日本市場では企業決算発表が引き続き来週も相次ぐ。好決算相次ぎ、投資家心理にプラスに働ければ良いのだが・・。」

M「それにより日本株の見直し買いが強まってくれば良いけどな。」

T「ああ。期待したいモンだ。」