◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2018.11.10

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週の日本市場は何とか続伸となった。」

M「ああ。今週は米中間選挙があっただけに、良くも悪くも大きな動きを見せるとは思っていたが、やはり結構動き見せたな。」

T「ただ先週までは、もっと凄い動きしていただけに、ある意味この程度かという感じだ。」

M「確かにそうだな。米中間選挙は事前の大方の予測通り、上院は共和党、下院は民主党過半数を抑えて、いわゆるねじれ議会と言う格好になった。」

T「ああ。でも中間選挙が近くなりにつれ、下院も共和党が獲るのではとの期待感も高まっていた。」

M「そうだな。上院下院ともに共和党過半数抑えれば、米国株にはプラスに働くとの見方が多かっただけに期待感もあったといえる。」

T「でも当初の予想通り、ねじれ議会という結果になったため、失望されるかと思いきや、結局米国株のファーストインパクトは大幅高となっている。」

M「ああ。ねじれ議会の方が、米国経済にはプラスだとか、規制強化懸念が後退するとか、トランプ大統領の暴走を抑えられるかとか、米国株が上昇で反応した理由として色々と後付け的に言われたな。」

T「確かに・・。ただねじれ議会という結果をうけ日本株のファーストインパクトは下落だった。」

M「その日は結構荒い動きになったけど結局下げて引けている。米国株がどういう反応を見せるのか分からず、日本株は売り買い交錯になったんだろう。」

T「でも米中間選挙の結果をうけて米国株が派手に上昇し、翌日になって日本株がプラス反応を示した。」

M「日経平均は一時22600円近くまで上昇する場面もあったからな。」

T「今週はSQ週ということもあり、オプション絡みで動きが大きくなった面もあるのかもな。」

M「でも米国株も買いは続かなかった。翌日にはダウこそ小幅にプラスで引けたが、ハイテク株などは売られて、S&P500、ナスダック指数は反落した。」

T「問題は昨日だよな。木曜日の下落は前日に派手に上げているだけに仕方ないと言えるが、昨日は結構下げてしまっただけに、選挙結果を好感した動きはもう無いと言えるからな。」

M「そもそも選挙結果を本当に好感したわけではないんだろう。選挙結果をうけて米国株が派手に上げたのは、色々と言われたが結局はイベント通過の買い戻しと言うこと何じゃないのか。」

T「まあ、不透明感あるイベント前にはヘッジ的に先物売ったりする向きも少なくない。」

M「ああ。イベント波乱無く通過したことで、ヘッジを外す動きにより上昇した面もあるだろう。」

T「選挙翌日には派手に買われたネット関連などのハイテク株も、翌日からは下落続きで、しかも昨日の下落は結構大きい。」

M「ねじれ議会により、ネット関連規制強化などが難しくなるとの見方で選挙翌日にはネット関連などのハイテク株が派手に買われた。」

T「でも続く買いにはなっていないということは、ねじれ議会を本当に歓迎している訳では無いともいえる。」

M「まあ、トランプ大統領は選挙翌日に、民主党と協力してSNS規制に乗り出す可能性を検討すると表明している。」

T「今回の選挙で、SNS規制に前向きな議員が結構当選したとの話もあるしな。」

M「結局ねじれだろうが、そうじゃないだろうが、あまり状況は大きくは変わらないと言えるのかもな。」

T「そもそもトランプ大統領が推し進める保護主義的な通商政策なんかは、ねじれだろうが関係ないからな。」

M「まあ国家安全保障を理由とする輸入関税の適用は大統領の権限だ。議会で承認を得る必要がない。」

T「そうだな。ただ議会でも関税の発動に議会の承認を義務付ける法案成立を目指す動きは出ているけどな。」

M「そもそもトランプ大統領が発動してきた関税が、本当に安保問題にあたるのかと言う疑問もあるが・・。」

T「いずれにしろ貿易問題は、中間選挙前からは何も変わっていない。それだけに相場状況がガラッと変わる事になるはずがない。」

M「まあ中間選挙への警戒も当然多少はあったんだろうけど、10月相場が波乱となった要因は基本的にそれじゃないからな。」

T「ああ。結局は景気減速懸念が強いと思われる。米長期金利上昇もそれは米国経済への重しとなるし、米中などの貿易摩擦問題も経済には悪影響だ。」

M「そういった懸念が払拭されない以上、なかなかもとの強気相場にはなりにくいと言えるのかもな。」

T「昨日の米国株安の要因も結局はその懸念が根本にある。」

M「ああ。足元原油相場の下落が続いており、この背景にはやはり中国などの景気減速懸念がある。」

T「今週、国内では決算発表ラッシュだったが、外需企業には業績良く無いものも結構目立っているし、やはり中国経済やばそうだ。」

M「そうだな。足元の業績は良くても先行き懸念が見られたりと、確かに先行き不透明感は燻り続けている。」

T「ただ内需企業には好決算銘柄も多く、暫くは個別に好業績銘柄に資金が集まりそうだな。」

M「だろうな。米中間選挙、それにFOMCも通過した。日米の企業決算発表シーズンもほぼ終わりだ。あとは再来週から始まる米年末商戦の行方や、月末に控える米中通商協議へ市場は関心が移るだろうな。」

T「ああ。それら次第で年末までの相場が決まると行っても過言ではないかもな。」

M「取りあえず来週はどういう展開になるのは注目したい。」

T「ああ。しっかりとした相場になるよう期待したいモンだ。」