◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2018.11.17

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は軟調な展開になったといえる。」

M「そうだな。日経平均TOPIX共に3週ぶりの下落となり、戻り相場も一服となっている。」

T「一服と言うより、再び下落基調になってきた印象だ。日経平均は22000円をあっさりと割り込んでいるし・・。」

M「今週は海外で色々と懸念要素が出て来ており、日本株の重石となっている。」

T「特に米国だな。米国株は今週、波乱的な動き見せており、非常に弱い動きが目立っていた。」

M「米中間選挙を無事通過し派手に上げたんだが、そこが戻りのピークとなっている。」

T「ああ。特にナスダック指数の下落が目立っており、先月の安値も近くなっている。」

M「今週、アップルへ部品供給するサプライヤーの一社、米ルメンタム社が大口から出荷を大幅に削減するよう要請されたこと理由に下方修正した。」

T「顧客名は言ってないが、アップルと見られているようだな。」

M「先週には日経新聞が、アップルが台湾の製造委託先に対しiPhoneXRの生産ライン増設計画の中止を要請したと報じていた。」

T「そうだな。それだけにiPhoneXRの需要は低迷しているとの見方に繋がった。」

M「今回の米ルメンタム社がいう、出荷大幅削減もiPhoneXRの需要低迷を表しているといえるだろう。」

T「ある意味、日経新聞の記事を裏付けた格好だな。」

M「これによりアップルや、関連株が軒並み今週は派手に売られており、米国株の重石となった。」

T「当然、日本企業にもアップル関連株はあり、同じように重石となった。」

M「それに今週決算発表したエヌビディアの決算も悪く、昨日の米国株の重石となった。」

T「米国のハイテク株には先行き不透明感がいっそう強まった格好だ。」

M「そうだな。米ハイテク株は今年随分と強さを見せていたが、その買われすぎた反動もあるんだろう。」

T「ああ。それにハイテク企業の業績に先行き不安が出て来た背景には、やはり中国など世界景気の減速があるのではとの警戒にも繋がりやすい。」

M「それを示すかのように今週は原油相場が12日続落という新記録を作っている。」

T「そうだな。まあ原油安はトランプ大統領の減産牽制発言なども影響しているが、やはり根本的には需要減という懸念があることも要因している。」

M「ああ。つまり中国などの景気減速を示しているといえるだろう。まあ原油先物の買いポジション抱えていた投機筋が投げてきたことで、ここまで下げたとも言えるんだが・・。」

T「中国の景気減速要因になっているとの見方も強い米中貿易摩擦だが、先週末にムニューシン米財務長官と中国副首相が電話会談したと事が今週明らかになっている。」

M「ああ。それに米国が新たな対中関税の発動を保留する事を検討しているとの報道も今週あった。」

T「ただその報道に関してはライトハイザーUSTR代表が否定しているし、ロス米商務長官は予定通り来年から対中関税を25%に引き上げるとの見通しを示している。」

M「昨晩はトランプ大統領が、中国が貿易問題について改善案を提出してきたことを明らかにし、追加関税の必要が無くなる可能性があるとの認識を示した。」

T「結構細かいリストを作成してきたようだ。この話を聞く限り、中国に譲歩の姿勢を示してきた印象だ。」

M「そうだな。景気減速への懸念が強まっており、これ以上の米国からの追加関税はどうして避けなければという考えに変わったのかもな。」

T「そう期待したいところだが、トランプ大統領はまだ満足していないようで、現時点ではまだ受け入れられないとも述べている。」

M「トランプ大統領もある程度のところで妥協して欲しいモンだけどな。調子に乗って、強引な要求を突き付け続ければ、中国だって譲歩姿勢を変えてしまう恐れもある。」

T「そうだな。」

M「月末には米中首脳会談を控えているが、それまで更に色々な動きが出て来そうだ。」

T「ああ。改善へと向かっているようにも思えるが、まだまだ現状では不透明だな。」

M「今後も月末へ向けて更に情報が交錯する可能性があり、マーケットを良くも悪くも振り回す要因となりそうだ。」

T「それに今週はブレグジットを巡っても色々と動きが見られている。」

M「ああ。EU離脱協定の暫定合意案を英閣議で了承したが、それを巡り主要な英閣僚らが抗議する格好で辞任を表明した。」

T「この問題、まだまだ一筋縄では行きそうもないな。」

M「そうだな。欧州ではイタリア問題も気掛かりだ。今週、イタリア政府は欧州委員会の要請している予算案の修正を改めて拒否している。」

T「ああ。一応イタリア政府は予算案を再提出したようだが、ほぼ内容は変わっていないようだ。」

M「それをうけ来週21日には欧州委員会が判断を公表する予定だ。市場では制裁発動手続きを開始するとの見方が多い。」

T「そうだな。そうなると再びイタリア懸念が意識されて、マーケットには波乱要因となる恐れも否めない。」

M「まだまだ懸念要素は多い状況だな。それだけに相場も波乱含みだといえ、来週の相場が警戒される。」

T「ただ来週末から米国では年末商戦が本格的にスタートする。米国の個人消費は依然として強いと見られており、年末商戦好スタートへの期待が米国株を支えるかも知れない。」

M「そうだな。それにより来週の米国株が強くなれば、日本株も追い風となるが、年末商戦好スタートとなっても、来年からの景気減速懸念が消える訳ではないだろうからな。」

T「確かにそうだな。個人消費も今年の年末商戦をピークに減速していくとの見方も少なくないようだしな。」

M「それだけに年末商戦好スタートとなっても、果たして好感されるのかどうか・・。好感されても一時的にとどまる恐れはありそうだ。」

T「やはりまずは米中貿易摩擦だな。それが解消されないと、どうしても景気減速懸念が消えないようにも思える。」

M「確かに・・。取りあえず来週、どういった相場になるのか注目だな。」

T「ああ。期待したいモンだ。」