南海トラフで前兆、数分後から避難開始 政府方針
南海トラフで前兆、数分後から避難開始 政府方針
政府の中央防災会議の作業部会は11日、巨大地震発生の恐れがある南海トラフ震源域で前兆と疑われる異常現象が起きた場合の対応方針をまとめた。震源域の東か西の半分で前震が起きた場合、被害が出なかった反対側の地域も発生の数分後から住民避難を始めるなどの内容。政府は自治体や企業向けに防災対策を例示した指針を作成し、公表する。
南海トラフ震源域で前震などの異常が確認された場合、気象庁は数分後に「調査開始」の第一報を流す。調査で地震発生の可能性が相対的に高まったと判断されれば、最短で2時間後に「発生の可能性が高まった」とする臨時情報を出す。
異常現象の対応方針では、震源域の半分でマグニチュード(M)8級の揺れが襲う「半割れ」のケースの危険性が最も高いと想定。津波到来が予想される地域の高齢者や障害者は揺れに襲われていなくても調査開始の時点で避難を始める。
臨時情報に合わせて政府は市町村長に防災対応の実施を促す。各市町村は防災計画に基づき、避難勧告やインフラ点検などの対応を取る。反対側の沿岸部住民はこうした対応を「1週間程度」続け、その後は状況に応じて警戒度を下げる。