日本のアニメや映画、ドラマは一部の中国の若者たちに人気があり、これらを通じて日本人の生活に親しみを感じる中国人もいるようだ。中国メディアの捜狐は9月28日、中国人が日本を訪れて体験した出来事から、「まるでテレビドラマのなかに飛び込んだような不思議な感覚を味わった」と紹介する記事を掲載した。

 日本のアニメやドラマがきっかけで、日本好きになった中国人の若者たちは、憧れの日本を訪れるとドラマで見た場面を彷彿とする光景に感動を覚えるという。記事が紹介した中国人は、主に関西地方に個人旅行で訪れたようだ。そこで利用した電車内の様子について「こんなに静かな交通機関は初めてだ」と驚きを示した。そして、「日本のドラマの場面にあったように、車内で居眠りをしてしまうという状況をやっと理解できた」とした。

 また、「日本の街並みのあちこちにドラマで見た風景が存在する」と指摘。高層ビルなど高い建物が多い中国とは異なり、日本の下町は「瓦屋根で木造の建物が並んでいたり、電線が張り巡らされていて、まるで自分がドラマのなかに飛び込んだようだ」と感動を表した。

 そのほか、「神社のお参り」は、その作法だけでなく境内の造りも中国とは異なるので、日本の文化にも触れることのできるスポットとなったという。また、日本人が深夜であってもコーヒーを飲み、寛いだり、気持ちを落ち着かせる光景はドラマで見ていたが、「日本の喫茶店に入った瞬間、そのことが理解できた」とした。店内の落ち着いた雰囲気やコーヒーの香り、店主が1杯ずつ丁寧にコーヒーを落とす姿から、「心を落ち着かせる」体験ができたようだ。

 また、京都で見た着物姿の女性は、その仕草やたたずまいを含めて「歴史文化の漂う街の雰囲気を更に趣のあるものとする」と指摘し、「時間が数百年前に戻ったような錯覚」だったと指摘した。ほかにも、「居酒屋やラーメン、蕎麦、うどん」といった庶民的な店の雰囲気を堪能し、「日本人が日々のストレスをどのように癒しているか」を体験できたようだ。

 日本でも好きが高じてアニメの舞台となった場所が聖地化されることがあるが、日本のドラマ好きの中国人にとっては「日本の街並みすべてが新鮮で、ドラマの舞台にいるかのような錯覚」を楽しめるということが伝わってきた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)