中国の科学者が「魂」を観測できる脳内スキャナーを開発中

中国の科学者が「魂」を観測できる脳内スキャナーを開発中

spiritual 2018/12/21
Point
■中国、深センの科学者たちが、従来のMRIの性能をはるかに上回る最新の「脳内スキャナー」を開発中
■非常に強力な磁場を発生させることができるそのデバイスで、人間の「魂」さえ観察できる可能性
■人体への影響の考慮など、まだまだ開発に向けた壁は多く、組み立て着工にはあと「5年」がかかると想定されている
ついに科学の領域に「魂」の存在が踏み込む…?
現在中国科学院深セン先進技術研究院において、世界で最も高性能な「脳のスキャナー」が開発されていると海外メディア「South China Morning Post」が報じています。そのスキャナーは非常に強力な磁場を発生させることができ、もし完成すれば、史上初めて生きている人間の脳におけるすべてのニューロンの構造と活動が観察できるようになるとのこと。
開発中のスキャナーは、既存のものと比べて桁外れの情報を提供します。脳内の神経線維ネットワークを流れるソジウムやリン、カリウムといった様々なタイプの化学物質をトラッキングすることさえできるため、これを利用することで人間の「意識」についての理解が深まったり、パーキンソン病などの脳に関連する疾患の研究が進む可能性があるのです。
しかしこれほど高性能となると、その予算も桁外れ。開発を進める科学者によれば、世界で最も大きな望遠鏡として2016年に工事が完了した「500メートル球面電波望遠鏡(FAST)」の予算を上回る見込みです。FASTが「外」に向けられた超高性能望遠鏡であれば、開発中のスキャナーは「内」に向けられた超高性能望遠鏡といえるでしょう。
ある科学者は、匿名でこう語っています。
「このスキャナーは私たちがこれまで知らなかった『別世界』を見せてくれるものです。ひょっとすると、人間の『魂』の存在まで明らかにしてくれるかもしれません」
宗教や哲学では「魂」の存在を語る説が多く存在していますが、科学の分野においてそれらの主張を正当化する証拠はまだ見つかっておらず、このスキャナーがその道を切り開いてくれる可能性があります。

■従来のMRIをはるかにしのぐ強力な磁場

臓器や筋肉、脳といった人間の組織は多くの「水」を含んでいます。水分子における水素の原子核は、強力な磁場のもとで同じ方向に一列に並び、スピンします。科学者たちは、その磁場に電波を加えることで、意図的に原子核のスピンを逆方向に変えることが可能。そして徐々に磁場の力を弱めていけば、原子核は弱いシグナルを放出しながら次々に元の状態へと戻っていきます。
そのシグナルを検知して測定することで、内部組織の構造や血流の方向・スピード、さらに酸素消費のレベルまでが明らかになります。たとえば脳科学の分野では、どういったタイプの作業に従事しているときに脳のどのエリアが「オン」、あるいは「オフ」の状態になっているのかについて知らせてくれるのです。
この技術は「核磁気共鳴画像法(MRI)」として知られ、もちろん現在でもすでに病院で使用されています。しかし、一般の病院で用いられるMRIが1.5~3.0テスラ(磁場の結束密度の単位)を発生させるのに対し、今回中国において開発されているデバイスは、最大14テスラを発生させることができます。
また、従来のMRIでは、最も強力なものでも1ミリメートル(1,000マイクロメートル)以下の物質を観察することはできませんでしたが、新たなデバイスのもとでは1マイクロメートルにまで迫ることが可能であるとのことです。
 
今まで禁断だった科学における「魂」の存在。強い磁場に耐えうる素材の決定や人体への影響の考慮についてなど、この新たなデバイスが乗り越えなければならない壁はまだまだ多くあります。しかし、もしこの脳内スキャナーが完成すれば、魂すら素粒子レベルで観察できる日が来るかもしれないのです。