日ロ平和条約交渉「テンポ失われた」 プーチン大統領

日ロ平和条約交渉「テンポ失われた」 プーチン大統領

政治
ヨーロッパ
2019/3/16 4:28
【モスクワ=小川知世】ロシアのプーチン大統領は14日、日ロ平和条約締結交渉について「テンポが失われた」と述べ、北方領土を日本に引き渡した場合に日米安全保障条約に基づき、米軍が展開する可能性があることが交渉の障害になっているとの見方を改めて示した。15日付のロシア紙コメルサントが報じた。
14日、モスクワでロシア産業界との会合に出席したプーチン大統領=AP
同紙によると、モスクワで開かれた産業界との非公開の討議での発言を参加者が明らかにした。プーチン氏は「まず日本が日米安保条約から離脱しなければならない」と主張。安倍晋三首相が領土引き渡し後に米軍基地を置かせないと約束したと説明したが、現実的に米軍展開を阻む手段はないとの認識を示した。
プーチン氏は非公式に実施した調査で現地住民の99%が日本への引き渡しに反対したとして、地元の意見を無視できないとも語った。交渉を中断すべきではないが、「ひと息つく必要がある」と冷静な議論を求めた。