原発テロ対処施設 期限内の完成困難「見通し甘い」規制委員長

原発テロ対処施設 期限内の完成困難「見通し甘い」規制委員長

東京電力福島第一原発の事故のあと新たに原発への設置が義務づけられたテロなどに対処するための施設について、一部の原発で設置までの期限が迫る中、電力各社は期限内の完成は困難だとして、原子力規制委員会に対応を求めました。
これは17日開かれた原子力規制委員会と電力各社の意見交換の場で表明されました。

原発の新しい規制基準では、航空機の衝突によるテロなどへの対策として、予備の制御室などを備えた「特定重大事故等対処施設」と呼ばれる施設の設置を義務づけ、再稼働の前提となる審査に合格してから5年以内に設置することとされています。

新しい規制基準のもとで全国で初めて再稼働した九州電力川内原発は期限まで1年を切っていて、完成しない場合、運転を継続できなくなる可能性があります。

しかし、工事が大規模で時間がかかっていることなどから、関西電力四国電力を含む再稼働している原発では完成までに5年半から7年半かかる見通しだとして、電力各社は規制委員会に対応を求めました。

これに対し規制委員会の更田豊志委員長は「見通しが甘かったということに尽きるのではないか」と厳しく指摘しましたが、今後の対応は委員会で議論する方針を示しました。