アングル:「史上初」ずくめの新天皇、伝統にとわれない半生
アングル:「史上初」ずくめの新天皇、伝統にとわれない半生
皇太子さまは初の戦後生まれ、かつ初めて両親に育てられたというだけでなく、大学卒業後に海外で研究を続けられた初の天皇となる。
皇太子さまは2月、誕生日の記者会見で「これからのことを思うと、とても厳粛な気持ちになります」と語られた。
<一般人とセルフィ―も>
3人きょうだいの長男である皇太子さまは、乳母や傅育官(ふいくかん)ではなく、母親の美智子さまが子育てにあたられた。国民に皇室を身近に感じてもらえるよう、美智子さまは皇太子さまに手作りの弁当を持たせたりもした。
英オックスフォード大学で中世ヨーロッパの水上交通を研究された皇太子さまは、2年間の留学生活について、人生最良の時期のひとつ、と表現されている。
「遊び心がある」と言われる皇太子さまは、デンマーク訪問の際には市民のセルフィ―(自分撮り)の要望に応え、一緒に写真に収まった。
<献身的な家族愛>
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結婚から10年経った2003年後半、雅子さまはほとんど公の場に姿を見せなくなり、医師団は「適応障害」という病名を発表した。皇室の環境に身を置くストレスや、世継ぎを生まなくてはならないというプレッシャーから来るものだった。
雅子さまを何としても守ろうと、皇太子さまが発した言葉は国民に衝撃を与えた。皇太子さまは雅子さまについて、皇室の環境に適応しようとして「疲れ切ってしまっているように」見えるとした上で、「それまでの雅子のキャリアや、そのことに基づいた人格を否定するような動きがあったことも事実です」と述べられた。
<積極的な社会貢献>
環境問題に長年関われてきた皇太子さまは、これまで何度か水問題の国際会議に出席、2015年には国連本部で水と衛生について講演された。今後は、気候変動にも取り組む意向を示されている。
雅子さまは、貧困問題など国内の困難な状況にある子どもたちに関する活動にあたられてきた。
新皇后になられる雅子さまは2018年の誕生日、「この先の日々に思いを馳せますと、私がどれ程のお役に立てますのか心許ない気持ちも致します」との感想を発表された。
「これまで両陛下のなさりようをお側で拝見させていただくことができました幸せを心の糧としながら、これからも両陛下のお導きを仰ぎつつ、少しでも皇太子殿下のお力になれますよう、そして国民の幸せのために力を尽くしていくことができますよう、研さんを積みながら努めてまいりたいと思っております」とつづられた。
(翻訳:宗えりか、編集:久保信博)