ある意味究極のSUV! 軍用車から派生したクルマ5選

ある意味究極のSUV軍用車から派生したクルマ5選

4/22(月) 6:12配信

くるまのニュース
SUV人気で注目! 軍用車から派生したクルマたち

 世界的なSUV人気を受けて、国内では日常でも使い勝手の良い乗用車ベースの「クロスオーバーSUV」の販売が好調となっています。

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 一方で、本格的な4WD車を愛好するユーザーも多く、スズキ「ジムニー」やトヨタランドクルーザー」などが高い評価を集めています。

 4WD車のなかでも過酷な環境や特殊条件下で乗員を目的地に届けたり、特殊な任務を遂行するクルマの代表として挙げられるのが「軍用車」です。

 軍事目的に使用される車両を指しますが、民間向けに販売している車両に専用装備を搭載したものや、完全な軍事行動専用に開発された車両まで、その種類はさまざまです。

 そこで、軍用車から派生し、民生用として入手できるクルマ5車種をピックアップして紹介します。

メルセデス・ベンツ「Gクラス」

 メルセデス・ベンツは、1903年に4輪駆動(全輪駆動)システムをが世界で初めて開発し、1907年に4WD乗用車の開発に成功した歴史があります。

 現在では本格的4WDでありながら高級車の「Gクラス」も、もともとは軍用車として開発されていました。

 Gクラスの「G」は、ドイツ語でオフロードカーを意味する「ゲレンデヴァーゲン」の頭文字です。

 1979年に登場した「メルセデス・ゲレンデヴァーゲン」はNATOの公式採用を認定した段階で付与される「制式名称」を持つ軍用車両でした。

 1981年にドイツで販売が開始され、モデルチェンジやマイナーチェンジのたびに高級化が進みましたが、現行モデルでも、その基本コンポーネントは発売当初から大きく変わっていません。

AMゼネラル「ハマーH1」

 誰が見ても軍用車とひと目でわかるルックスの「HUMMER(ハマー) H1」は、中東の砂漠地帯での運用も想定し開発されたアメリカの軍用車ハンヴィー」の基本構成部品を共有したクルマで、1992年から一般向けにも販売されました。

 サイズは全長4686mm、全幅2197mmと、日本国内では走ることが難しい道も多いほどの大柄です。

 ボディバリエーションは豊富で、ワゴン、ピックアップトラック、さらにハッチバック式のリアゲートを持つ「スラントバック」タイプも存在し、ミニタリーマニアに愛好されました。

 初期型のエンジンは低回転から強力なトルクを発生する6.2リッターV型8気筒ディーゼルを搭載。マイナーチェンジで6.5リッターへ排気量を拡大し、V型8気筒5.7リッターガソリンエンジンも追加され、パワフルな走りが可能なクルマとなっていました。

 しかし、原油価格高騰による販売不振と、排出ガス規制対応が難しかったため、2006年に販売を終了しています。


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フォルクスワーゲン「タイプ181」

 フォルクスワーゲン「タイプ181」は、1969年に登場した「Kurierwagen(クーリエワーゲン)」と呼ばれる同社が製造した小型軍用車輌の民生モデルです。

 第二次世界大戦中にドイツ軍が使用していた有名な軍用車キューベルワーゲン」の実質の後継車でもあります。

 フォルクスワーゲン「タイプ1(ビートル)」をベースとしたシャシに、4ドアオープンのボディを架装。水平対向4気筒空冷エンジントランスミッションもタイプ1から流用してリアに搭載しています。

 ヨーロッパとメキシコ、続いてアメリカでも一般向け市販がされ、内装も極めてシンプルでレジャー用以外には用途はありませんでしたが、とくにアメリカでは若者に人気のクルマとなりました。

 1975年にシンプルゆえ安全基準に対応できず、アメリカでの販売を終了。1980年にはヨーロッパやメキシコでもタイプ181の販売が終了となりました。

 日本にも並行輸入で入ってきており、現在も中古車が流通しています。

現在も自衛隊で使われているトヨタ車もあり

トヨタメガクルーザー

 1996年に発売されたトヨタメガクルーザー」は、大規模災害時の人命救助などの任務を迅速に遂行する点に主眼を置いて開発された、陸上自衛隊高機動車をベースにした市販車です。

 その大きなボディサイズや車体のカタチから「和製ハマー」と称されました。

 狭い場所でも切り返せるように最大12度の逆位相4WS(4輪ステアリング)を装備し、全長5090mm、全幅2170mmの巨大なボディでありながら最小回転半径5.6mを実現するなど、救援活動を主な目的としているメガクルーザーならではの特徴です。

 低速トルクを重視した4.1リッター4気筒ターボディーゼルエンジンは、最高出力170馬力、最大トルク43.0kgmで、組み合わされるミッションは4速ATです。

 駆動方式はフルタイム4WDで、トルセンLSD、デフロック、後輪にはオプションでタイヤ空気圧調節機能も装着可能で、一般のSUVとは比較にならないほどの高い悪路走行性能を誇っていました。

 すでに一般向けモデルは生産終了となっていますが、自衛隊用は政府からの要請によって都度生産となっていて、現在も納品されています。


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ランボルギーニLM002

 4ドアのキャビンと荷台を持つオフロードトラックであるランボルギーニ「LM002」は、ミッドシップレイアウトのアメリカ軍向け高機動車のプロトタイプ車両「Cheetah(チーター)」を元に開発されました。

 チーターは1977年のジュネーブモーターショーで発表され、1981年にはチーターを一般向けにモディファイしたプロトタイプ「LM001」を製作。

 1982年に自社製4.8リッターV型12気筒エンジンを、アルミニウムとグラスファイバー使用したボディのフロントに搭載した「LM002」を、ランボルギーニ初のオフロードカーとして発表し、1986年から市販を開始しました。

 1986年以降は、ランボルギーニの最高峰スーパーカーカウンタック」の5.2リッターV型12気筒48バルブエンジンを、劣悪な環境下でも使用できるように仕様変更・強化したうえで搭載しています。

 フルタイム4WDで最高速度は210km/h、0-100km/発進加速7.8秒というオフロードカーとしては驚異的な性能を誇りました。

 レザーの内装やエアコンもオーダーできるなどプレミアムSUVの先駆けでしたが、1993年に生産を終了し、2018年の「ウルス」発売までランボルギーニSUVは途絶えてしまいます。

くるまのニュース編集部