◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2019.06.22

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週の日本市場はまちまちとなった。」

M「ああ。日経平均はしっかりと上昇し、これで3週連続の上昇となったんだが・・。」

T「TOPIXは週間ベースでマイナスとなっており、3週ぶりの下落だからな。」

M「それに東証2部指数やマザーズ指数も下落している。どうも小型株がいまいちだ。」

T「日経平均だけが強かったという感じで、強い印象は感じられない1週間だった。」

M「ああ。ただ米国市場は全く違い、強さを感じる1週間だったと言えるだろう。」

T「そうだな。昨日こそ下げたものの、ダウは今週だけで600ドル超の上昇となっている。」

M「先週末比で2.41%の上昇だ。日経平均も今週上げたと行っても+0.67%であり、米国株は到底及ばない。」

T「ナスダック指数も結構上げて、今週の上昇率は先週末比で3%超となっている。」

M「やはり今週の上昇は何と言っても利下げ期待だろう。」

T「そうだな。既に6月頭にはパウエルFRB議長が、ハト派的な姿勢を示していただけに、利下げ期待は高まっていたといえるが、今週のFOMCでそれを確信に変えたような結果となった。」

M「さすがに今回のFOMCでの利下げは見送られたが、市場が期待するように早期利下げの可能性が示されたといえる。」

T「ああ。前回までのFOMCの内容からは、ガラッと変わったと言えるだろう。」

M「そうだな。FOMCメンバーによる金利見通しも、前回の3月FOMCで示された予測からは大きく変わった。」

T「ああ。予測中央値こそ前回から変わらずだったものの、内容がガラッと変わった。」

M「年末の政策金利が、今のままの政策金利と変わらず、つまり利上げも利下げもしないと予想したのが、8人いたが、前回は11人だった。」

T「それに今年中の利下げを予測するメンバーは前回ではゼロだったが、今回は8人が1回以上の利下げを予想した。」

M「しかも8人のうち、7人が2回の利下げを予想している。まあ1回の利下げで0.25%引き下げた場合だが・・。」

T「来年以降の予想もガラッと変わっており、明らかに次の一手は利下げという内容になった。」

M「ああ。3月FOMCでは、次の一手はまだ利上げという予想だったからな。」

T「FOMCの声明文も前回から大きく変わり、今まで使っていた、忍耐強く、という文言が削除された。」

M「更にインフレ低迷について、5月FOMC声明文では、一時的、との認識を示していたが、それも今回は書かれていない。」

T「市場が期待するように、早期の利下げを示唆するFOMC結果だったと言えるだろう。」

M「ああ。それだけにFOMC後の市場反応は出尽くしとならず、米株買いドル売りという反応になっている。」

T「おかげでドル円相場は円高へ一段と進んでしまい、日本株の重石となったといえる。」

M「日本株は厳しいよな。米国株高は歓迎だが、円高は歓迎できない。その綱引き状態で、どっちにも振れにくい。」

T「ただ世界的に緩和方向に向かい始めたのは、株式市場には追い風だ。」

M「ああ。今週はドラギECB総裁も講演で追加緩和を示唆しており、早期の利下げの可能性が示された。」

T「市場ではECBは量的緩和政策を再開させるとの思惑にも繋がっている。」

M「FOMCの結果が出る前日にドラギECB総裁がハト派的な発言しており、ドル安ユーロ高という動きを牽制するような意味もあったのかも知れない。」

T「ただFOMC後は、ユーロドル相場はユーロ高になってしまっているけどな。」

M「いずれにしろ円は厳しいよな。日銀はこれ以上の緩和という可能性が低い状態だけに。」

T「どうしても円は買われやすくなる。」

M「来週はいよいよG20を控えており、米中首脳会談の結果が注目される。上手く進展見られるならばリスクオフの円売りという動きになる期待もあるだろう。」

T「そうだな。米中摩擦が解消へ向かうなら、世界経済減速懸念も和らぎ、欧米の過度な金融緩和への期待も萎むだろうからな。」

M「ああ。それだけに、目先はやはり米中問題に期待したいところだ。」

T「来週末果たしてどういう状況になっているのか注目だな。期待したいモンだ。」