6月10日、GIGAZINEの編集長は警察に呼ばれて操作の進捗状況をきくことになった。


その内容を一言で言えば、警察はすべての責任を地主のせいにして、主犯は地主一人として送検したいというのだ。理由としては、地主が言い出さなければ今回のことは起こらなかったというのだ。赤いショベルカーに指示して警察が来る前に姿をくらましたこの人物は地主の被害者というのか。


今回の建造物損壊事件をはじめから目撃してきた私としては、本当に裏でストーリーを書いたのはパワーエステイトと日進プランニングであると思う。警察もきっとそんな事はわかっているのだと思うが、面倒なこんな事案を刑事事件として扱えば、上の方から叱責される事は明白である。


編集長と弁護士はカンカンになって抗議したらしい。その結果、やはり告訴状を書き直して再度持っていくということである。警察にはパワーエステイトや日新プランニングのようなプロを相手にするのは勝ち目がないと諦めているフシがある。
3人の被疑者がいてそのうちの手強いプロ2者が手を組めば、警察としては攻めようがないのか面倒なのかは知らないけれど、やる気は失せていることだけは明白である。


そこで考えついたのが、地主がすべての根源であるという「地主一人被疑者ストーリー」である。
直接手を下したのは解体屋で、命令のもとは地主という簡単明瞭なストーリーである。

二転三転する地主の発言を聞いていると馬鹿らしくなるが、これこそが警察の狙い目なのである。なぜなら、82歳の老人一人を被疑者にしておけば確実に嫌疑なしで不起訴になるからである。面倒な裁判は回避できるのである。
捜査と言っても、関係者を呼んで話を聞いただけである。余程こちらのほうがいろんな事実を把握している。現在、日新プランニングはあの現場になっている土地を値下げして転売しようとしているらしい。ただ事件現場を売ろうとはいかなる考えかな。それで逃れられるとでも思っておられるのかな。


この惨状に至るまで、たった一人の老人のたわごとを信じてプロの会社が振り回されたと誰が信じるというのか。警察は信じるふりをするらしいが世間の目はそこまで節穴ではない。

地主入ったという内容が事実とは全く合わない。「建物を編集長から返してもらった」から「実は、長角太郎から以前に返してもらった。」そして「鍵を返してもらった」と自分が建てた家でもないのに返してもらって自分のものだから勝手に壊したという言い分らしい。土地代金を貰っていたということは一言もない。これでは検事は地主の精神を疑わざるを得なくなるのではないか。その挙げ句、不起訴ということになるのが警察の描くストーリーらしい。


警察や検事は、事の重大さがわかっているのだろうか。もし、今回の事件のように、予告も話し合いもなくある日突然ショベルカーで建物を取り壊しても刑事事件にはならないとしたら、不動産関係者は立ち退きを渋る住人の建物をまず壊しておいてから民事に持ち込んだほうが安くつくということになる。地上げ業者は何も知らなかったと言い張れば良い。民事になっても賠償金はしれている。日本では高額賠償制度ではないので端た金で済む。底地業者はウハウハである。

今回たまたま、来るはずのない建物の所有者が来て警察を呼んだという前例のない状況に、本来ならば民事不介入の立場をとって見ぬふりを決め込んできた警察は頭を抱えこんでしまったということではないか。今までは民事でやれと言えば皆それに従ってきたのにGIGAZINE頑固一徹な編集長に遭遇してしまったのが運の尽きなのではあるが、前回の建築裁判でGIGAZINEの我々家族は時間とお金を使っただけの刑事告訴と民事裁判を経験しているからである。
我々は今回の事件を社会悪の告発として捉えているのである。地主が社会悪の根源であろうか。地主はただ欲の皮がツッパていたところに凄腕のプロの地上げ屋集団につけ込まれて操られただけに過ぎない。今回の地上げ屋グループは、紳士ズラをして合法に見せかけてグレーゾーンで仕事をすれば競争相手がないのでボロ儲けをしてきたのであろう。特に日新プランニングは、ちょっとまともそうなパワーエステイトと欲の皮の突っ張った地主と子会社のエムズジャパンの影に隠れてはじめから裏で糸を引いていたのである。少なくとも今までの地上げならば前もって話し合いぐらいのポーズはするものである。今回の悪質性は、何の話し合いも予告もなかったという点にある。このようなことになったのは地主側にお金をとっていた負い目があったからに他ならないが、その地主の負い目を地上げ屋は利用しようとしてひっくり返ったのである。「上手の手から水が漏れ」とはこのことである。今まできっと「濡れ手に粟」で上手くいっていたのであろう。
この辺で歯止めをかけないとこの不況下における恐ろしい地上げ行為はエスカレートして日本国中に感染するに違いない。もしそうなった時、その事件の発端となった西淀川警察署はどれほど非難されることであろう。担当の刑事だけのことではない。警察や検事の事なかれ主義の体質自体が問われることになるのである。
今なら遅くはない。西淀川署は思い直してここは名誉挽回のためにも真の社会悪に立ち向かうべきである。
私が起訴の改ざんでT建設を告訴した時はそれほど基礎改ざんについては問題にされなかったが、その後、基礎改ざんについての事件が相次いだ。地震が起こるたびに震度が報告されるが、その地面の地質自体によって、また、支持基盤までの深さによってかなり揺れは違ってくる。家屋に関しては基礎の構造や地盤改良によって更に違ってくる。専門家でなくてはわからないと思っていたことも、裁判を通して理解できるようになってきたのも他人事ではなく自分自身のことだったからである。所詮他人事でしかない警察にとってそこまで必死になるより面倒なことを引き受けないようにするほうが得策なのだという事実も知った。
それでも、私は社会悪は広く世に知らしめねばならないと思うのである。それで、今日も、時間をかけてブログを書いている。