◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2019.06.29

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週の日本市場は揉み合いだったと言える。」

M「そうだな。日経平均TOPIX共に週間では小幅に上昇となったが、方向感見えない展開で売り買い交錯だったと言えるだろう。」

T「週末にはG20を控えており、米中首脳会談も予定されていた。それだけに手控える向き多くなるのも無理はない。」

M「その米中首脳会談を巡り、今週は色々と報道や思惑が交錯していた。」

T「そうだな。トランプ大統領は中国との会談がどのような結果になっても満足だとの発言をし、合意を急がない姿勢を示したと思えば、ムニューシン米財務長官は合意の可能性はあるとの期待を示したり、結構市場を振り回したといえるだろう。」

M「香港紙では米中がG20を前に暫定的な停戦で合意したとの報道もあった。」

T「まあ中国外務省は報道を承知していないと表明したけどな。」

M「別の報道では、中国がファーウェイへの禁輸措置や実施している追加関税の撤廃を、米中首脳会談でトランプ大統領に求めるとの報道もあった。」

T「米国側は合意出来なれば追加関税を行う姿勢を依然として示しているし、結局、米中問題に振り回された1週間だったと言える。」

M「この後、米中首脳会談が行われる予定となっており、果たしてどういった結果になるかだな。」

T「市場のコンセンサスはやはり協議継続で合意し、新たな追加関税は当面見送るという結果だ。」

M「それだと結局は何も決まらないという結果だが、ひとまず追加関税発動は先送りされるため、市場は好感すると見られている。」

T「トランプ大統領が大きく譲歩し、ファーウェイへの禁輸措置を解除し、現状の追加関税の撤廃も決めてくれれば、爆上げという展開になるだが・・。」

M「可能性は非常に低いだろうな。そこまでトランプ大統領が譲歩すると、トランプ大統領の支持率が低下する恐れもある。」

T「まあ何だかんだ行ってもトランプ大統領の中国への強硬姿勢は結構支持されているからな。」

M「もちろん、トランプ大統領がファーウェイへの禁輸措置や追加関税の撤廃の見返りに、中国からそれに見合う譲歩を引き出せれば別だが・・。」

T「無理だな。」

M「となれば、やはり協議継続で、それまでは新たな追加関税発動は見送りという事だろうな。」

T「そうなった場合、前みたいに期限を設けるのかどうかだな。」

M「そうだな。以前はトランプ大統領も合意を急いでいた面も見られたが、最近は合意は急がない姿勢も見せており、長期化上等という感じだ。」

T「逆に長期化で困るのは中国かもな。」

M「ああ。それだけに、中国が大きく譲歩してくるという可能性もあるのかも知れない。」

T「なるほど。」

M「ただやはり今回の米中首脳会談で、そこまで譲歩を見せてくるとは考えにくい。それが出来るなら、5月に既に合意していただろう。」

T「そうだよな。」

M「ただ米国も決して余裕があるわけでもないだろうけどな。既に米経済の減速感も強まっており、米中の貿易摩擦による悪影響は着実に表れている。」

T「まあトランプ大統領は対中関税による米経済への悪影響はないとの姿勢を示しているけどな。悪いのは利上げしてきたFRBだと・・。」

M「でも実際は悪影響出ているのは間違いない。まして対中関税第4弾を発動させれば、一段と米経済への悪影響が大きくなる。」

T「そうだな。それだけに対中関税第4弾は諸刃の剣だろう。」

M「それだけに、対中関税第4弾は脅しに使っても本当に発動させることはしないのかも知れない。」

T「でもトランプ大統領だからな。まさか本気でやらないだろうと言われてきたことを今まで幾つもやってきた。」

M「確かにそうだが、やはりトランプ大統領にとっては、中国から譲歩を引き出せないなら、現状維持を続けるのがベストだと思うのだが・・。」

T「つまり停戦か・・・。」

M「ああ。新たな関税発動はせず、現状の制裁を続けていくという事だ。その内、耐えられなくなって中国が譲歩してくるというのを待つという感じだろう。」

T「米国は利下げなど金融緩和で凌ぎ続けるという感じか。」

M「まあ、いずれにしろ、この後の米中首脳会談である程度は明らかになる。」

T「無事通過し、週明けは良い相場になれば良いけどな。」

M「そうだな。期待したいモンだ。」