韓国が「日本人防衛駐在官スパイ事件」を政治利用か

フッ化水素など3品目の輸出管理で揺れていた間に、韓国の日本大使館でとんでもない事件が起きていたことがこっそりと明らかにされていた。東亜日報での報道とのことだが見かけた記憶がないので他紙では報道されなかったようだ。日本の駐在武官北朝鮮の機密情報74件を韓国側から受け取ったことが発覚し、韓国政府の抗議を受けて2人とも帰国させられてしまったというのだ。これが事実ならすでに水面下で関係消滅に向けて大きく動いていることになる。

“輸出規制措置”への対抗策? 韓国が「日本人防衛駐在官スパイ事件」を政治利用か
7/27(土) 5:30配信 文春オンライン

 7月16日、韓国紙「東亜日報」は次のように報じた。「韓国軍情報司令部の元幹部H氏と北朝鮮関連団体代表L氏の入手した北朝鮮に関する軍事機密74件が、ソウルの日本大使館に勤務する2人の防衛駐在官へ流出したことが、7月15日に明らかになった」
 東亜日報が入手した判決文によると、2013~17年の間に日本の武官に渡った3級機密情報には、「咸南・平南地域ミサイル武器貯蔵室の位置及び貯蔵量」(※咸南は北朝鮮咸鏡南道、平南は平安南道)、「北朝鮮の海外ミサイル技術者採用」、「北朝鮮SLBM潜水艦開発」、「対北制裁品目密搬入の動向」といったタイトルのものが含まれており、日本の武官はこうした情報提供の対価として2320万ウォン(約210万円)を支払ったという。
韓国の抗議で日本の防衛駐在官が帰国
 東亜日報によると、韓国の検察は昨年韓国軍情報司令部の元幹部らを起訴し、国家情報院などと協議した上で、ウィーン条約に基づき日本の防衛駐在官1人には「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)に準ずる措置が必要と判断。韓国外交部を通じてその事実を日本側に伝えたところ、日本側はこれを受け入れ、該当武官を早期に帰国させた。また、加担の程度が低いもう1人の防衛駐在官も韓国側の抗議により6月に帰国したという。
 今年1月、情報を流したH氏とL氏は1審でそれぞれ懲役4年、懲役2年・執行猶予3年の判決を宣告され、裁判部は国家安保を理由に判決文を非公開としたという。
 一方、ソウルの日本大使館共同通信の取材に対し、「そのような事実はない」と説明している。
日本との合意を破り、韓国がリークしたのではないか?
 東亜日報の報道によれば、本件において「裁判部は国家安保を理由に判決文を非公開とした」はずで、本来このように表面化することは無かっただろう。おそらく日韓両政府は水面下で交渉し、日本側はスパイ事件の事実関係を一定程度認めた。そして1人の防衛駐在官を「ペルソナ・ノン・グラータ」として帰国させ、もう1人を3年の任期終了を待って密かに帰国させたのだ。すなわち、日韓両国は諸般の理由で「本件を表に出さない」という合意をしていたものと推察される。
 ところが、このタイミングで記事が世に出た。これは、韓国側が日本との合意を破り、情報をリークしたからではなかろうか。

 文在寅政権は、日本政府による半導体関連素材の輸出規制措置で韓国経済がダメージを受け、財界や国民から批判されることを回避したいはずだ。あえて今、日本の防衛駐在官によるスパイ事件をクローズアップさせることで、批判の目を逸らしたいという思惑が透けて見える。
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