2011/1/26(水) 午後 10:54

良く劇画の世界で麻雀の神業的なイカサマをテーマにしてますが、あんなものは嘘に決まってる・・・と若いとき思ってました。
おいらも周りに敵がいなくなって、夜な夜なフリー雀荘を渡り歩いていたとき、とある雀荘の前で二人連れの男がたむろしてました。
雀荘に入ろうとしたら「すみません。待ち合わせの相手が来ないのでご一緒にやりませんか?」と仰るじゃないですか。。。

「いいですが僕を入れても一人足りませんね」と云いましたら、もう一人雀荘に入ろうとしていた男に同じように声を掛けて、「さぁこれで面子がそろった、やりましょう。」と、とんとん拍子に話が進んで、変だとは思ったのですが、おいらも天狗になっていた時期で腕に自信があったので{なぁに負けやしないさ}とタカをくくっていました。。。
持ち金は十数万(現在の紙幣価値で2.3倍)あったので、軍資金もまぁまぁあるし・・・
始めてすぐに異変に気がつきました・・・
配牌が変なんですね。満貫級の手がいきなりイー向聴・リャン向聴で配牌されてくるのですわ。
そして、不要牌を捨てるとなんとロン牌になっている。

積まれている・・・(^^;
2.3回放銃であっという間に箱テン。。。
おいらも積み込みや通しの訓練をやっていた頃だったので、なにをどうしているのかはわかる。
ゆで卵を10ヶほど2列に卓に置いて、落とさないように上げたり下ろしたりする。。。
洗牌(伏せ牌でやる)をしながら小指で牌を瞬間的に表にひっくり返し元に戻す。。。これを繰り返し、どこに何の牌が積まれたか最低20牌は覚える。

もちろん、爆弾・千鳥・キャタピラなどの積み込み技を延々と鍛錬する。<(´0`)>
仲間内で、通しの練習もやった。
牌の捨て方で待ち筋を表し、動作で持っているのか欲しいのか等の指示を表す。
たとえば、捨て牌を少し右に傾け、捨て牌の並びから若干下げて捨てる。同時に拳を軽く握って小指をビクつかせる。
「3.6萬が欲しい」とかね。。。

しかし、やつらの技は神業である。
通しも積み込みも、まったくそれらしく見えない。
訓練しているおいらでさえわからないのだから、すさまじい技としか云えない。
しょせん素人に毛が生えた程度の技と、事師の技では月とスッポンである。
しかも相手は3人である。。。(^^;

サマ無しなら、なんとか戦えると思うが、まるで勝負にならない。
「ハコになったので抜けますよ」とやつらに云った。
「ドボンは無いルールですから、抜けられませんよ」
「なぁそうでしょう?」と相づちを打つ。。。(^^;

こうなれば、半荘終わらせるしかない。。。
積まれているからには、上がることはできない。
ひたすら手を崩し安牌を集める。
振り込まないようにするしかない。。。(^^;

洗牌はできるだけ積み込みを邪魔するようにかき混ぜる。
この作戦は、うまくいったように・・・みえた!
しかし、甘かった。。。
親が移らない!(`o´)
つまり連荘が続くのだ。
終わりの無いゲーム・・・

振り込まなくとも、連荘の親に積もられ続けたらなすすべがない。(^^;
おいらは財布を卓に投げ捨てて、「これで勘弁してくれないか・・・」と力なくつぶやいた。。。
やつらの親玉と思われる男が財布の中身を確認して・・・
そして云った「にいちゃん、甘いなぁ。。。もっと勉強せなぁ」
おいらは、無言で雀荘を後にした・・・

終わり