オプション通信5-16 2010/ 8/18 10:23

先物やオプションの売買をするときは満期があるということもあって、比較
的短期の売買が多いことは確かです。「裁定取引」や「ヘッジ取引」などを行
なうときは長めのポジションを取ることが多いのですが、「投資」というよう
なスタンスは少なく、一日のうちで何度も売買を繰り返す「投機的」な取引が
多くなっています。売買あたりのコストも比較的安く、流動性も高いのでディ
ーリングに使い易いものなのです。

最近では日経平均先物の小口取引(225mini)市場も個人投資家の方を中
心に売買が活発に行なわれています。先物を取引する場合に通常の株の売買以
上に、あるいは信用取引以上に気を付けなければいけないことは「見切り千両」
ということに尽きるのではないかと思います。

いったん方向を間違えると大きな損失に繋がることも多く、しっかりと「節
目」などを見極め、損失を限定することが大切になって来るのです。そのため
にはその日その日の「節目」を見つけ、「この水準を割り込んだら○○まで下
がりそうだから、この水準を割り込みそうになったら売ってしまおう」という
ようなことを心がけておくといいのではないでしょうか。

そのためには例えば、毎朝「マーケットメール-朝刊-」の中の「テクニカ
ルポイント」で示しているように、その日の皆が注目しそうなポイントを抑え
ておくことではないかと思います。具体的なポイントの決め方や使い方は来週
詳しく述べたいと思いますが、「節目」となりそうなポイントを考えて見てく
ださい。



先週は先物の「節目」を見つけるという話をしました。「難しい」と思われ
ている先物やオプションの取引も簡単に、シンプルに考えることでうまく売買
できることも多いのです。逆に相場全体の動きも先物やオプションの動きから
分かるようなこともあります。

http://www2.monex.co.jp/j/chart/PCR.pdf

オプションの動きを示す指標の一つに「プット・コールレシオ」と言われる
ものがあります。簡単に言うとプットの出来高が増えれば相場が下がる予兆で
あり、コールの出来高が増えれば相場が上昇して来るとされるものです。ただ、
「プット・コールレシオ」と言われる聞きなれない指標を使わなくてもある程
度は市場参加者が相場の先行きについてどのように見ているかを知る方法もあ
るのです。

もちろん相場のことですから、「100%確実」と言うことはありませんが、
「そろそろ上がって来るのではないか」とか「上値の節目までは来たけど抜け
るのかどうか」といったようなときに、オプションの出来高に注目して見るの
も良いかもしれません。今回の相場でも日経平均が10月24日に高値をつけて、
その後下落し、再び上昇して来たときにまず「節目」とされるのは16,900円と
いう10月24日の高値水準です。この水準を抜けて、日経平均は17,000円を抜け
てくるのかどうかという事が注目され始めたところで、図のように行使価格
17,000円のコールオプション、や17,500円のコールオプション出来高が急に
増えて来たのです。

行使価格17,000円のコールオプション出来高が増えるということはもちろ
ん「17,000円に行かないだろう」と思う人も多いから出来高が増えるのですが、
それ以上に17,000円を抜けてくるだろう、と17,000円で買う権利を積極的に買
う人が増えたと言うことです。図をご覧になるとわかるのですがプットオプシ
ョンの出来高は17,000円が近づくまでは増えないのですが、コールオプション
出来高が増えていることがわかります。

このように、先物の動きや個別株の動きと合わせてオプションの売買高に注
目しておけば相場の方向性を探るヒントになるのかもしれません。