オプション通信5-18 2010/ 8/18 10:39

今週もまず先週の「カバード・コール」のその後を検証して見ましょう。先
週は先々週に買った先物保有しているという前提で、17,500円のコールオプ
ションを225円で売建てした、と言うことでした。

本日の前場の行使価格17,500円のコールオプション(2月限月)は165円とな
っており、先週より60円値下がりしています。逆に先物は17,470円であり、先
週の検証した時(前場終値)よりも30円値上がりしています。つまり、コー
ルオプションを売建てたことによって、下落に対する安心感と60円余計に儲け
ることが出来た、と言うわけです。

ここで、このポジションを手仕舞い次の一手を考えて見ましょう。今週は
決算発表や米国の経済指標の発表が相次ぎ、波乱含みの展開が予想されます。
相場が大きく動く可能性が高く、そうしたときには「相場が大きく動くときに
儲かるポジション」である「ストラドルの買い」と言う手法を使います。

これは、同じ行使価格、同じ満期(限月)のコールオプションとプットオプ
ションを買い付けるのです。本日の前場終値で見ると、コールオプション
165円、プットオプション200円ですが、それぞれ、同数ずつ買い建てるのです。

コールオプションは相場が上昇すれば上昇しただけ、儲かり、プットオプシ
ョンは相場が下がれば下がるだけ儲かるもので、相反するものも買うのですが、
オプションの特徴である「損失が限定される」と言う特性を生かし、高くなれ
コールオプションはどんどん上昇、でもプットオプションはある一定の水準
(0円)からは下がらなくなり、そのあとは上がるだけ儲かることになります。
逆に相場が下がれば下がるだけ、プットオプションの価格は上昇、一方でコー
ルオプションの価格はある一定(0円)以下にはさがらないので、これもまた、
下がれば下がるだけ儲かることになるのです。

オプションの満期まではあまり間がありません(来週の木曜日が満期)が、
その間に日経平均が大きく動くかどうかにかかってくるのです。果たして、ど
うなるか、来週また検証して見たいと思います。



先週は「ストラドルの買い」と言うポジションを作って見ました。つまり、
同じ限月、同じ行使価格のプットオプションコールオプションを同数ずつ買
い建てるというポジションです。先週の月曜日の前場の引値は日経平均先物
17,470円で2月限月(満期)の17,500円が行使価格のコールオプションは165円、
プットオプションは200円でした。

今週は2月限月のオプションは木曜日に満期になり、金曜日の225銘柄の
寄り付きの値段でSQ(特別清算指数)が決定されます。その前に、本日の前
場の引値で先週のポジションを決済するとどうなるかを見てみましょう。

先物は17,400円で先週より70円の値下がり、つまり先物を売っていれば70円
儲かり、逆に買っていると70円の損になったと言うことです(手数料等のコス
トは含まず、以下同じ)。オプションは、と言うと、コールオプションは80円
となり、85円の損失、プットオプションは185円で15円の損、となり、オプショ
ンのポジションだけでは100円損をしたことになります。日経平均がほとんど動
かなかったので、「動けば動くだけ儲かる」ポジションでは損失となったとい
うことです。

このように日経平均が上下に動けば上下どちらに動いても儲けることが出来
るということは逆に動かなければ儲かるポジションもあるということなのです。
実際の使い方とすれば何かの経済イベントなどがあるケースで、こうしたポジ
ションを組めば有効だということなのです。

逆に上下どちらにも動き難い時はどうすればいいのでしょうか?どちらかに
大きく動いたときに儲かるのかコールオプションプットオプションを同時に
買うことでした(同限月、同行使価格を同数)。今度は「動かなければいい」
ということで反対にコールオプションプットオプションも売ってしまえばい
いのです。これを「ストラドルの売り」と言います。具体的には、2月満期の
オプションでは今週の木曜日に満期が来てしまうので、3月限月(満期)のオ
プションの17,500円のコールオプションプットオプションを同じ枚数だけ売
って見ましょう。コールオプションは290円、プットオプションは385円なので、
この二つを売ることによって675円を手にすることが出来ます。これが来週どう
なっているか、見てみることにしましょう。