オプション通信5-26 2010/ 8/18 11:16
ただ、このポジションは逆に言えばオプションの価格次第では、「裁定取引」
が利益確定ではなく、損失確定となってしまうことになるのです。例えば、本
日の前場の引け値ベースで同じポジションを取ると、日経平均先物は17,740円
で売り、6月限月、行使価格17,500円のコールオプションを470円で買い、同
じくプットオプションを225円で売ると図に見られるように満期時には日経平
均がいくらになっても(SQ値がいくらでも)5円の損になってしまうのです。
来週は実際のリバーサルポジションの計算と本日作った、5円損するポジシ
ョン、の検証をして見たいと思います。
今週はオプションと先物を組み合わせ、「裁定取引」つまり、ほとんどリス
クのない形で収益を上げることが出来る方法について具体的に見て行きたいと
思います。
先週の「リバーサルポジション」の検証からして見ましょう。先週の月曜日
の前場の引け値でポジションを作っており、6月限月の日経平均先物を17,740
円で売っています。これは本日の前場の引け値が17,500円ですから、差し引き
240円の利益になります(手数料等コストは除く、以下同様)。6月限月、行使
価格17,500円のコールオプションは470円で買ったものが、270円ですから、200
円の損失。同じく、6月限月、行使価格17,500円のプットオプションは225円で
売っていたものが280円ですから、55円の損となり、先物とオプションを全て合
わせると15円の損失、となります。
先週の試算ですと満期時にはSQ値(特別清算指数)がいくらになっても、
トータルで5円の損失、と述べましたが、通常は、満期までの途中でポジショ
ンを解消した場合には、IV(インプライドボラティリティー=予想変動率)
の違いなどで、損失が大きくなったり、逆に利益になったりすることもあるの
です。
つまり、「SQ値」で清算するときは「裁定取引」は損失が限定されるにし
ても、利益が出るにしてもSQ値がいくらになっても損益は変わらないのです
が、途中でポジションを手仕舞おうとすると、「裁定取引」にならないことが
あると言うことです。
さて、それでは本日は再びこのポジションを維持すると共に、本日の前場の
引け値でもう一度「リバーサルポジション」を作って見ましょう。日経平均先
物は17,500円で「売り」、行使価格17,500円のコールオプションは270円で買
い、同じく行使価格17,500円のプットオプションは280円で売ることになりま
す。
ここで、実際の試算をしてみましょう。6月のSQ値がもし19,000円になっ
たらどうなるでしょうか?先物は17,500円で売っているわけですから、17,500
円-19,000円で1,500円の損失となります。コールオプションは実際には19,000
円-17,500円=1,500円で清算されるので(売ることになるので)1,500円-270
円で1,230円の利益、プットオプションは価値が17,500円-19,000円でマイナス
となるので、「ゼロ円」で買い戻すことになり、280円の利益となります。した
がって、合計では先物-1,500円+コール1,230円+プット280円と言うことで10
円の利益となるのです。
逆にSQ値が15,000円と極端に安くなってしまった場合はどうでしょうか?
先物は17,500円で売っているので、17,500円-15,000円=2,500円の利益となり、
コールオプションは行使価格をはるかに下回っており、価値がマイナスとなる
(15,000円-17,500円=-2,500円)ので、「ゼロ円」で計算し、280円の損失
となり、プットオプションは価値が17,500円-15,000円=2,500円となっており。
280円で売ったものを2,500円で買い戻し、2,220円の損失となります。したがっ
て合計では、2,500円(先物)-270円(コール)-2,220円(プット)=10円と
なるのです。
つまり、日経平均がいくらになっても、本日の前場の引け値で「リバーサル」
ポジションを取れば、最後は必ず10円の利益が出ることになります。これを先
週と同じように図に表すと以下のようになるのです。
図表一覧
⇒ http://mail.monex.co.jp/?4_3589_314583_9
来週もまだ満期までは間があるので、「リバーサル」ポジションの変化と、
今度は逆の「シンセティック(合成先物)の売り」と「先物の買い」を組み合
わせた裁定取引のパターンを見てみましょう。
が利益確定ではなく、損失確定となってしまうことになるのです。例えば、本
日の前場の引け値ベースで同じポジションを取ると、日経平均先物は17,740円
で売り、6月限月、行使価格17,500円のコールオプションを470円で買い、同
じくプットオプションを225円で売ると図に見られるように満期時には日経平
均がいくらになっても(SQ値がいくらでも)5円の損になってしまうのです。
来週は実際のリバーサルポジションの計算と本日作った、5円損するポジシ
ョン、の検証をして見たいと思います。
今週はオプションと先物を組み合わせ、「裁定取引」つまり、ほとんどリス
クのない形で収益を上げることが出来る方法について具体的に見て行きたいと
思います。
先週の「リバーサルポジション」の検証からして見ましょう。先週の月曜日
の前場の引け値でポジションを作っており、6月限月の日経平均先物を17,740
円で売っています。これは本日の前場の引け値が17,500円ですから、差し引き
240円の利益になります(手数料等コストは除く、以下同様)。6月限月、行使
価格17,500円のコールオプションは470円で買ったものが、270円ですから、200
円の損失。同じく、6月限月、行使価格17,500円のプットオプションは225円で
売っていたものが280円ですから、55円の損となり、先物とオプションを全て合
わせると15円の損失、となります。
先週の試算ですと満期時にはSQ値(特別清算指数)がいくらになっても、
トータルで5円の損失、と述べましたが、通常は、満期までの途中でポジショ
ンを解消した場合には、IV(インプライドボラティリティー=予想変動率)
の違いなどで、損失が大きくなったり、逆に利益になったりすることもあるの
です。
つまり、「SQ値」で清算するときは「裁定取引」は損失が限定されるにし
ても、利益が出るにしてもSQ値がいくらになっても損益は変わらないのです
が、途中でポジションを手仕舞おうとすると、「裁定取引」にならないことが
あると言うことです。
さて、それでは本日は再びこのポジションを維持すると共に、本日の前場の
引け値でもう一度「リバーサルポジション」を作って見ましょう。日経平均先
物は17,500円で「売り」、行使価格17,500円のコールオプションは270円で買
い、同じく行使価格17,500円のプットオプションは280円で売ることになりま
す。
ここで、実際の試算をしてみましょう。6月のSQ値がもし19,000円になっ
たらどうなるでしょうか?先物は17,500円で売っているわけですから、17,500
円-19,000円で1,500円の損失となります。コールオプションは実際には19,000
円-17,500円=1,500円で清算されるので(売ることになるので)1,500円-270
円で1,230円の利益、プットオプションは価値が17,500円-19,000円でマイナス
となるので、「ゼロ円」で買い戻すことになり、280円の利益となります。した
がって、合計では先物-1,500円+コール1,230円+プット280円と言うことで10
円の利益となるのです。
逆にSQ値が15,000円と極端に安くなってしまった場合はどうでしょうか?
先物は17,500円で売っているので、17,500円-15,000円=2,500円の利益となり、
コールオプションは行使価格をはるかに下回っており、価値がマイナスとなる
(15,000円-17,500円=-2,500円)ので、「ゼロ円」で計算し、280円の損失
となり、プットオプションは価値が17,500円-15,000円=2,500円となっており。
280円で売ったものを2,500円で買い戻し、2,220円の損失となります。したがっ
て合計では、2,500円(先物)-270円(コール)-2,220円(プット)=10円と
なるのです。
つまり、日経平均がいくらになっても、本日の前場の引け値で「リバーサル」
ポジションを取れば、最後は必ず10円の利益が出ることになります。これを先
週と同じように図に表すと以下のようになるのです。
図表一覧
⇒ http://mail.monex.co.jp/?4_3589_314583_9
来週もまだ満期までは間があるので、「リバーサル」ポジションの変化と、
今度は逆の「シンセティック(合成先物)の売り」と「先物の買い」を組み合
わせた裁定取引のパターンを見てみましょう。