オプション通信5-28 2010/ 8/18 11:53

先週は「リバーサルポジション」に続いて同じような裁定取引の手法である
「コンバージョン」と言うポジションを作ってみました。ちょうど「リバーサ
ル」と「コンバージョン」は反対になるのですから、手数料等のコストを考え
ないと「リバーサル」が儲かるときは「コンバージョン」が同じ金額だけ、損
をすることになります。

先週月曜日の前場引け値から検証して見ましょう。まず、先週作った、
「コンバージョン」のポジションは、先物を17,630円で買っていることになり
本日の前場引け値18,000円で決済したとすると370円の利益(手数料等、コス
トは勘案していません、以下同様)となり、270円で売った6月限月、行使価格
17,500円のコールオプションは525円となり、255円の損失。同じく、6月限月
行使価格17,500円のプットオプションは145円で買っていたものが15円となり、
130円の損失となります。オプションと先物を合わせると15円の損失となります。

また、「リバーサル」のポジションは先物が370円の損失、コールオプション
は255円の利益、プットオプションは130円の利益となるので、合計では15円の
利益となるのです。

ここまでさまざまなパターンのオプションや先物の組み合わせを見て来まし
た。まだまだ、いろいろなパターンの組み合わせが考えられますし、そのとき
そのときの相場観や現物株のポジション、あるいは「スパン証拠金」というシ
ステムを利用すると少ない元手でリスクも少なく、オプションのポジションを
構築できる場合もあります。

いろいろな利用方法をご紹介して行きたいのですが、いったん、来週のこの
コラムで今回のSQ(特別清算指数)算出で「リバーサル」と「コンバージョ
ン」のポジションの検証をしてこの連載を終了したいと思います。また、今後
は「マーケットメール-夕刊-」の中で「先物・オプション概況」などをお伝
えして行きたいと思います。

参考に、本日の前場引け値で6月限月日経平均先物と6月限月、行使価
格18,000円のコールオプションプットオプションで組んだ「リバーサル」と
「コンバージョン」の満期時の損益図を示しておきます。SQ値がいくらにな
っても変わりないことを検証して見ましょう。

図表一覧
http://mail.monex.co.jp/?4_4267_312011_9


このコラムも今週で最後となりました。先週まで「コンバージョン」と「リ
バーサル」というオプションと先物を組み合わせた「裁定取引」の話をして来
ました。先週の金曜日のSQ値でこの「裁定取引」を決済したらどうなるのか
を検証してこの連載を終了したいと思います。