日本当局の「重大な怠慢」仏CRIIRAD報告

Mercredi 29 juin 2011
6月29日 Le Monde.fr / AFP (ルモンド紙ウェブサイト)

フランスの非営利団体CRIIRAD(放射能に関する独立研究情報委員会)は、日本における情報収集作業を終えて帰国し、福島原発事故における日本当局の危機対応に「重大な怠慢がある」と報告した。

29日未明リヨンで行われた記者会見で、「チェルノブイリ事故から25年経った今、なぜ未だにこれほど事故対応が怠慢なのか?」と、5月に日本で放射線量測定とサンプリングを行った同委員会メンバーのブルノ・シャレロン氏(原子力物理学技師)は嘆いた。同氏によれば、「十分な範囲にわたって住民避難が行われなかった」だけでなく、住民を甲状腺被害から守る「ヨウ素剤の服用も行われなかった」。ヨウ素剤は被曝の3時間前に服用しなければ効果はない。さらに現在も事故収束への進展が見られず、新たな放射性物質排出の危険性がある中で、「住民へのヨウ素剤の配給もなく、汚染された食物を食べさせられている」という。

チェルノブイリと同じことが日本でも行われている」

シャレロン氏によれば、「原発から20キロを超えた地域でも発ガンの危険性を孕む量の放射線が検出されており、一般的とされている発ガンリスクの20倍の数値がまかり通っている」と語る。
さらに同氏は、「現場の日本当局と産業関係者は状況にただ唖然としている」と感想を述べ、原発周辺の避難区域をさらに数十キロにわたって拡大するか、土壌の除染作業をすることが必要だと語る。

同委員会のロラン・デボルド委員長は、「原子力事故がある度に、被曝許容量の数値が上げられることに不安を感じる」と述べ、さらに、「経済的理由から、チェルノブイリで行われたことが日本でも同様に行われている。それは重度に汚染された地域に住む住民を避難させないことだ」と語り、その理由は高額に及ぶ賠償金額のためだという。