[ワシントン 13日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)

[ワシントン 13日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は景気の先行きを依然懸念しているものの、13日発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明では景気判断を若干上方修正した。
これは、FRB内で米経済に対する懸念が薄れていることを示唆している。量的緩和第3弾(QE3)の可能性は残されているものの、実施時期は遠のいたと言える。
 
FRBは今回のFOMC声明で、国際金融市場の緊張が米経済の先行きを脅かしていると分析。リスク要因は米国内ではなく、欧州債務危機にあるとの見方を示唆した。
 
ディシジョン・エコノミクスのシニアエコノミスト、キャリー・リーヒー氏は「FRBは足元の景気認識を上方修正したが、引き続き下振れリスクと世界経済の減速にも言及しており、上方修正を前面に押し出す形とはなっていない」と指摘した。
 
FOMC声明の文言は前回から微妙に変更された。今回の声明は「世界の金融市場の緊張が依然として経済見通しに対する著しい下方リスクとなっている」と指摘。前回11月のFOMC声明では「経済見通しには著しい下方リスクが存在し、これらのリスクには国際金融市場の緊張が含まれる」としており、国際金融市場の緊張を数あるリスク要因の1つと分析していた。
 
FRBが国内経済を楽観視する根拠はある。11月の失業率は8.6%と、依然高水準ではあるものの、前月から大幅に改善。景気全体の先行指標となることの多い製造業も底堅い
 
一方で市場には、欧州債務危機で信用市場が機能不全に陥れば、景気の回復傾向が急激に反転するとの不安もある。
事実、日米欧の中銀が先月ドル資金供給で協調策を打ち出した際には、中銀がさらに広範な経済介入に踏み切るのではないかとの期待が広がり、株価が一時急伸した。
その後、市場の楽観論は薄れている。ただ問題の大半は欧州にあり、FRBは当面様子見を続けられると考えているはずだ。