◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2012/01/07(土)発行

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
■□グレイルネットメールマガジン□■            2012/01/07(土)発行
株式投資で勝つ為の情報マガジン~        http://www.grail-legends.com/
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【お知らせ】
グレイルNETのツイッター→ http://twitter.com/grail_net
グレイルNETのフェイスブック→ http://www.facebook.com/grailcorp

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================
T「名実ともに新年入りとなった今週の相場は軟調な展開となってしまった。」

M「よく年明けの最初の1週間の動向がその年の動向を決めるなんて話もあるが、この
分だと今年も期待薄と思えるような感じだったな。」

T「ああ。でもそんなのアテにならんだろ。去年は年明けは暫く堅調だった。でも終
わってみれば年初から大きく下げて年を終えた。」

M「そうだな。今年は大発会こそしっかりと上昇したものの、翌日以降は軟調気味な
展開となった。年明けから主力株の一角には海外勢の長期資金的な買いも見られてい
たんだが・・・。」

T「でも、規模は小さいし、それ以上に売りが出ているだけに、相場を押し上げる要
因にはなっていない。」

M「そうだな。もう随分と長い付き合いになる欧州債務問題が依然として重しとなっ
ている。ユーロ円は年末に1ユーロ100円割れとなっていたが、今や完全に定着してお
り、それどころか日に日に円高水準に進行しているってんだから・・。」

T「日本株に重しになるのも無理はないか・・・。」

M「ああ。ただ相変わらず米国市場は強い。米国も当然ながら欧州債務問題が重しと
なっているんだが、しっかりと買いも入って下値は拾われている。」

T「米国は経済指標良いモンな。それだけに景気回復期待が強まっており、下支えと
なっている。」

M「今週も米国市場で結構経済指標発表されたが良いものが目立っている。中でも雇
用の改善が明確に出ており、GDPの約7割を占める米個人消費が回復へ向かうという期
待が高まっている。」

T「昨日発表された雇用統計も随分と良かったな。雇用者数は20万人増となり、失業
率は更に低下し8.5%となった。いずれも市場予測より良かったといえる。」

M「内訳見ると民間部門の雇用者数が21万2000人増となっており、前月の12万人増か
ら大きく増加した。労働時間も増えており、内容的にも悪くないといえる雇用統計だ
った。」

T「でも株価反応は鈍かったな。」

M「ああ。前日発表されているADP雇用統計が強い数字となったことから、期待感高ま
っていたからな。ある意味織り込み済みと言える範囲だったんだろう。」

T「まあブレの大きな指標だけに、市場予測より良かったといっても誤差の範囲なの
かもな。」

M「というより雇用統計は好感されているが、それ以上に欧州債務問題が重しとなっ
ていると見るべきだろう。」

T「確かにそうだな。昨晩の雇用統計悪ければ恐らく米国市場はもっと売られていた
はずだ。」

M「昨日発表されたユーロ圏小売売上高や、失業率、ドイツ製造業受注などは随分と
弱い数字だった。欧州経済は着実にリセッションへ向かっているとの見方も多く、米
国といえど無視できない状況だ。」

T「そうだな。米国市場は自国の景気回復期待と欧州経済リセッション懸念を含めた
債務問題の綱引き相場という感じなんだろう。」

M「確かに・・。上げれば売られるが下げれば拾われる。ただ日本市場はもはや米国
市場の強さの恩恵もまともに受けられない恐れもある。」

T「これだけ為替が円高へと進行していたら、確かに米国市場強くても上げていくの
は難しい。」

M「為替だけじゃなく、やはり欧州経済の減速が日本経済にも悪影響を及ぼすとの見
方も強まっている。」

T「まあ、確かに日本企業は欧州事業も手掛けるところ多いからな。」

M「それだけじゃない。問題は中国だ。中国経済が欧州経済減速の影響をかなり受け
てきていると言うことが問題だ。」

T「確かに中国にとって欧州は最大輸出先だ。欧州経済減速すれば中国経済に大きな
影響を及ぼすのは避けられない。」

M「ああ。そして日本経済は中国経済の恩恵を大きく受けている。中国経済減速とな
れば、日本経済減速も避けられないと言えるだろう。」

T「ある意味、米国以上に欧州経済減速の影響を受けやすいと言うことかもな。」

M「まあ日本は震災復興需要が期待できるため、それが日本経済を何とか支えるとい
う期待はあるが、復興需要が一巡した後はどうなる。しかも近いうちに増税だぞ。」

T「それを考えると、日本株に投資しようなんて思う海外勢はそう多くは出てこない
と言うことだな。

M「日本株買うなら米国株買うだろ。今の状況なら・・。ただ中国が景気減速を食い
止めるため手を打ってくる可能性は大いにある。」

T「そうだな。金融緩和を本格的に行ってくれば、景気減速止まる期待はある。」

M「既に欧州は緩和方向へ確実に向かっているし、米国だって依然として緩和方向を
向いている。世界的に金融緩和の流れが強まっているといえ、それらが世界経済減速
を食い止める期待はある。」

T「ただそれだと円高は更に進行することになるな。」

M「ああ。日本も大規模な量的緩和にでも踏み切らないと円高なんて止まらないだろ
う。他国が通貨引き下げ競争をしているんだ。日本何もしなければ円はどんどん高く
なる。」

T「まあ、それで恩恵を受けることもあるとは言えるが、輸出産業にはたまらんな。」

M「日本でやっていくのは無理と言うことになってくるだろうな。生産拠点をどんど
ん海外に移すしかない。そうなりゃ日本の雇用はどんどん失われるし、日本の税収だ
って大きく減ってくる。財政はますます悪化だ。」

T「そしたら更なる増税か?」

M「最悪だな。そのうち、企業だけでなく、国民だって日本を出て行ってしまうかも
な。」

T「税収増やしたいなら、景気を浮揚させるべきなのに・・。」

M「いずれにしろ、こんな政治やっている国に海外投資家が興味を持つ期待は乏しい
のかもな。」

T「今はとりあえず欧州債務問題が少しでも収束へ向かうよう期待するしかなさそう
だ。来週には独仏首脳会談に独伊首脳会談がある。収束へ向け進展あれば良いのだが
・・・。」

M「まあ期待は乏しいと思うが、期待したいモンだな。」