CTAによる上昇 そろそろ注意か? ← 日経板より転載



CTAのプログラムは、上昇・下落トレントに追随して売買を積み上げる「トレンドフォロー」など四つに集約されるため、同じような投資行動を取りがちだ。その結果、CTAの資金が大量流入した市場は完全なる一方通行に陥ることになる。実需に関係なく、相場のトレント、乱高下を増幅させるのだ。

世界的に知られるCTA、ルネサンスーテクノロジーズ。創設者は大学の元数学教授で、同社は数学、物理学、統計学などの博士号を持つ社員を100人以上抱え、逆に金融経験者は雇わないという。そのため、彼らが組む投資プログラムは、投資の基本となる経済のファンダメンタルズとはいっさい無関係に構築されるというのだ。恐ろしいのは、CTAが六つの投資市場でそれぞれにポジションを持っているため、どこかで異常が起きればほかの市場に伝播する点だ。自動的にリスク回避のプログラムが働き、ファンダメンタルズとは関係なく、いっせいに手じまいする仕組みになっている。

ヘッジファンド、ユナイテッドーマネージャーズージャパンの高橋誠会長は、「相場が下落し始めたら、売りが売りを呼び、実需の適正価格よりもさらに下落する可能性もある」と言う。投機マネーが市場間の壁を瞬時に飛び越え、危機が連鎖する時代。そのカギを握るCTAという怪物とどのように同き合うのか、市場はまだ答えを見つけられていない。