◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆ 2012/02/25(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も強い1週間となった。先週は日経平均9500円付近まで上昇したが、今週は更
に上値追ってくる展開となっている。」

M「ああ。節目の9500円で多少もたつきを見せたものの、週末にかけクリアしてきて
昨日は9600円台で引けているからな。」

T「昨晩のナイトセッションでは9700円台だ。シカゴ日経先物終値でも9700円台維
持している。」

M「昨晩なんて米国市場殆ど上げていないのに日経先物は強い動きとなっていた。言
うまでもなく為替だろうけどな。」

T「ああ。円安が一段と進行している。先週末はドル円はまだ79円台だったのに、昨
晩は81円まで円が売られた。ユーロ円に関しても先週末は104円台だったものの昨晩
109円まで付けている。」

M「まさに円相場と日本株相場がリンクしている格好だ。まあこれまで散々円高は日
本株の重しとなっていたからな。その重しが外れてきたことから、上昇に勢い付いて
いる格好だ。」

T「日本株は踏み上げ的な動きもある感じだな。直近の急騰により空売り入れる向き
も多いようで、結構ショートポジション積もり上がっているようだ。」

M「そういう向きが継続的に踏まれている事も相場押し上げ要因になっている。これ
日本株だけでなく、為替も同様だ。急ピッチな円売りの流れを受け、円買いポジシ
ョン取ってくる向きも多いようだからな。」

T「だろうな。気持ちは解る。とりあえず、そろそろ円安も一服するだろうという感
じで、円買いポジション取るんだろうけど・・・。」

M「ただそういう向きの多くは短期資金だ。円買った後に更に円安進めば、買ってい
た円を投げてくる。それが円安に拍車をかける。ユーロも同様だ。」

T「昨日なんて、次々とストップロス発動しながら、円安進行したようだしな。やは
ドル円で言えば1ドル80円台乗せても、それ以上の円安は目先無いと見ていた向きも
多いようだからな。」

M「円が売られているのは何も対ドルや対ユーロだけじゃない。ユーロ以外の他のク
ロス円も総じて円安へと進行している。まさに円の独歩安といった感じだ。」

T「多くの通貨で円が売られているため、勢い付きやすいこともあるんだろうな。」

M「ただ、そろそろ気をつけた方が良さそうだ。株高にも円安にも、ここに来て加速
してきており目先のピークを匂わせている。ここに来て米国株の上値が重くなってき
たことも気掛かりだ。」

T「そうだな。ただ米国市場は上げずとも大きく崩れなければ日本株への影響は限定
的だと思うが・・・。」

M「円安進行が進めばな。今の日本株の上昇は明らかに円相場と逆相関の動きになっ
ている。つまり円が売られ株が買われている。逆に言えば円安が止まれば株高も止ま
る。」

T「まあそうだろうな。それだけに来週も為替動向には注目だな。」

M「来週は海外で重要なイベントも多いからな。それにより流れが変わるという懸念
はある。」

T「それに来週は月が変わる。月替わりが相場も変えるという可能性も否めない。で
も今月末には欧州でLTROが控えており、更に欧州懸念が後退するという期待がある。」

M「そんなのは既に織り込みだろ。まあどれだけの規模になるかは気になるが・・。
どんな規模になっても出尽くしとなる恐れは否めない。」

T「いずれにしろ、それを機に株式市場や債券市場、それに為替市場に変化が出てく
る可能性は確かにありそうだな。」

M「問題は流れがどう変わるかだ。日本株でいえば単に上昇一服となるのは、反転し
て下落基調になっていくのか・・・。まあ今の状況で言えば下落基調になっていくと
は想定しにくいけどな。」

T「だろうな。」

M「それにやはり欧州債務懸念が気掛かりだ。ここに来て懸念は一服しているが、ギ
リシャ問題だって解決したわけではない。第2次支援は合意されたが、今後はユーロ圏
17カ国がそれぞれの議会でそれを承認する必要が出てくる。」

T「前回もそれで結構波乱含みになった局面もあったな。」

M「ああ。すんなり議会で承認されるとは限らず、もたつくようだとギリシャ懸念が
改めて意識されるという恐れはある。」

T「それに民間債権者との債務交換もすんなり行くのかも注目されるな。」

M「ギリシャでは先日、債務交換に応じない債権者には強制的に交換する法案を決め
ている。ただその強制交換が発動された場合、デフォルト扱いになってCDS支払いが生
じるという懸念がある。」

T「自発的交換でなく強制的な交換となれば確かにデフォルト扱いされても仕方ない
。デフォルトならば、CDS発動も避けられないという事だな。」

M「ああ。ギリシャ債権を保有する多くの債権者がCDSも一緒に抱えている。そのCDS
の売り手は主にドイツの金融機関だ。CDS発動となれば売り手はかなりの損失を被る恐
れがある。」

T「ヘッジファンドなど依然として債務交換には応じないという姿勢を示している向
きも多いようだからな。そういう投機筋の多くがCDSを大量に抱えているようで、それ
での儲けを企んでいるとの見方もあるようだ。」

M「ただ、例えCDS発動となって売り手の金融機関が損害被っても、それが金融不安に
なるかは解らない。金融不安にならぬようLTROを実施するわけだしな。」

T「そうだな。しかしCDS発動となれば、懸念は抱かれるだろうな。」

M「ああ。その前に債務交換作業がもたつくようなら、その時点で懸念されてくるだ
ろう。」

T「だろうな。今の強気相場の流れに水を差すとすれば、やはり欧州問題なのかも知
れない。」

M「それ以外にも資源高というのも懸念だぞ。昨晩のWTI原油先物は期近物が1バレル
110ドル近くまで上昇している。昨晩の米国市場でも、原油高が重しとなっていた面も
あっただけに、更に上昇していくようだと強気相場に水を差す恐れがある。」

T「そうだな。原油高はインフレ率上昇に繋がり、QE3への妨げとなるしな。」

M「世界的な金融緩和が今の相場を支えているのであれば、インフレ率上昇はネガテ
ィブと受け止められる。」

T「まあ、来週はそれらを含めどういう展開になっていくのか注目だな。」