◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2012/04/07(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は波乱の1週間となった。これほど波乱となったのは今年初めてじゃないのか
。」

M「まあそうかもな。新年度早々、いやな相場展開だな。今までの強さが嘘のように
相場が別人になった感じだ。」

T「別人となった要因は色々とある。まず火曜日の日本の3月マネタリーベースだ。43
ヶ月ぶりにマイナスに転じており、とても金融緩和強めている内容ではなかった。」

M「そうだな。白川日銀総裁は何度かデフレ脱却に意欲を示していただけに、この数
字は失望される結果となった。本当にデフレ脱却する気があるのかと・・。」

T「2月の会合以来、海外勢からは日銀が変わったという見方が広がり、日本株買い、
円売り姿勢を強めてきた。それが先月までの強い相場の背景だ。」

M「しかし、あのマネタリーベースをみて、あれ?と思った海外勢も多いのかもな。
まあ、日銀に言わせれば色々と言い訳はあるだろうけど、海外勢には伝わりにくい。


T「更にその晩の米国市場で発表されたFOMC議事録では、米追加金融緩和期待が大き
く後退した。」

M「そうだな。前回のFOMC議事録の内容と比べれば、明らかに金融緩和姿勢が衰えて
いた。日米ともに追加緩和期待が後退した格好であり、翌日の水曜日には波乱的な下
落となった。」

T「ああ。その引き金を引いたのが豪貿易収支だと見られている。想定外の赤字とな
ったことから、豪州の主要輸出先である中国経済の減速が連想された。」

M「それを機に日経平均は節目の1万円を割り込んで、ストップロスやヘッジ売りも手
伝い波乱的な下落となった。」

T「来週のオプションSQを控えているが、SQ値は10250円越えもあるのではという見方
も多く、その水準のオプション建玉も結構多かったからな。1万円割れとなれば当然、
ヘッジ的な先物売りがかなり出てきても不思議はない。」

M「ああ。それに裁定買い残も先週大幅に増加しており高水準だった。それだけに、
裁定解消売りも誘発した格好だ。」

T「悪材料はそれだけに、とどまらない。水曜日に行われたスペイン国債入札が不調
に終わった。これをうけ、スペイン国債利回りが上昇し、欧州債務懸念が復活してし
まった。」

M「追い打ちをかけるように、その日のECB理事会後の会見でドラギECB総裁が、欧州
経済への下振れリスクに言及し、インフレ懸念も示している。」

T「更に翌日のドイツ経済指標も悪く、今週は今年初となる日経平均4日続落となった
。」

M「日経平均心理的節目の1万円、25日移動平均線、3月メジャーSQ値、一目均衡表
の基準線と、重要な節目をことごとく下回ってきており、市場心理は一転した。」

T「悪いことは何故か続くもので、昨晩米国で発表された雇用統計がえらい数字とな
ってしまった。」

M「ああ。非農業部門雇用者数は前月比12万人増にとどまっており、市場予測の20万
人超を大幅に下回った。」

T「これをうけ日経先物ナイトセッションでは派手に売られて、日中終値から120円安
となる9560円で引けている。一時、9510円まで下値があった。」

M「米国市場は休場だったが、先物市場は45分間だけ開場しており、ダウ先物は130ド
ル超の下落となっている。為替市場では円高が大きく進行。まさに波乱となっている
。」

T「それだけに来週も波乱続きだ。でも失業率は9.2%となり、前回より1ポイント改善
し予測よりも良かったと言える。」

M「ただ職探しを諦めた人が増加したことが要因であり、とても好感できる雇用統計
ではなかったといえる。まあ良いところを探すなら、製造業の雇用が増加したことか
・・・。」

T「いずれにしろ底堅かった米国市場も来週は波乱が避けられそうもない。うまい具
合に、金融緩和期待が復活してくれれば、ちっとは相場の下支えになりそうだが・・
・。」

M「そうだな。あとは日銀だな。来週は金融政策決定会合があり、ここに来て相場が
波乱となって円高進行してきていることから、何か手を打つという期待が多少は出て
きいた。」

T「ただ期待が出てくれば来るほど、追加緩和見送りとなれば、更に失望される恐れ
がある。」

M「しかも来週はSQ週だ。9500円プットオプションの今週3日の終値は9円だったが、
昨晩のナイトセッションでは95円まで上昇する場面が見られた。わずか3日で10倍だ。」

T「1万円コールオプションなんて3日終値140円だったが、昨晩の終値は6円だ。これ
だけオプション荒く動けば、先物にヘッジ売り多く出てくるのも仕方ない。」

M「それだけに来週のSQは波乱含みかもな。先物には仕掛け的な動きが目立ちそうだ
。」

T「だろうな。仕掛ける理由になりそうなネタは来週非常に豊富だ。日銀金融政策決
定もそうだし、中国や米国の経済指標、それに米企業決算などもネタになる。」

M「それだけに来週もボラティリティ大きくなりそうであり、短期資金にしてみれば
上手く乗れれば妙味ある相場と言えるんだが、逆に言えばそれだけリスクも高まると
いえるからな。」

T「ああ。十分気をつけた方が良さそうだ。まずは週明け、日経平均が節目の9500円
維持出来るが注目される。」

M「月曜日に関して言えば割り込んでも一時的だと思われるが、こう急ピッチに下げ
ると追い証売りも警戒されるからな。」

T「まあ、さすがに月曜日は日銀ETF買いが期待出来そうだけどな。また阻止して前場
引けにかけ下げ幅縮小となったりして・・。」

M「日銀ETF買い入ることになれば、買い付け規模も前回より増える期待はある。」

T「ああ。期待したいモンだ。」