◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2012/06/30(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も堅調な展開だったな。」

M「ああ。週前半は軟調となる場面もあったんだが、終わってみれば日経平均は200
移動平均線も上抜き、節目の9000円超えだからな。」

T「そうだな。週前半はメルケル独首相が改めてユーロ共同債に否定的な姿勢を示
したことから、週末のEU首脳会議への警戒感が高まった。」

M「ああ。メルケル独首相が全く歩み寄る様子を見せていなかったからな。こりゃ
EU首脳会議は結局、何も決まらずに終わるンじゃないかという警戒感強まった。」

T「ある程度、対策をまとめても合意は先送りにされるのではとか、詳細は何も決
められないのではという懸念は強かった。」

M「その警戒感が今週は週末で相場の重しになったと言えるだろう。」

T「しかし実際には、市場をある程度満足させる結果だったと言える。詳細を決め
ていなかったスペイン金融機関への金融支援に関することや、欧州安定メカニズム
、いわゆるESMによる銀行への直接支援、それにESMによる国債買入などが決まった
。」

M「まあ一部のことは詳細は今後詰めるとしても上出来だろう。スペイン金融機関
への金融支援は緩和と言える内容だし、何よりもESMによる銀行への直接的な資本注
入が可能になると言うのは非常に好感できる。」

T「そうだな。自国の銀行の財政悪化は、自国の財政悪化に繋がる可能性が高い状
況だったが、政府を経由せずにESMが直接資本注入出来るとなれば、政府の財政は痛
まない。」

M「ああ。政府の借金にはならないため、国債利回りが上昇したりすることも避け
られる。つまり銀行の財政悪化が国の財政悪化に繋がりにくくなると言うわけだ。」

T「でも、何でもかんでも支援しますよって事にはならないだろ。」

M「そりゃそうだろう。ESMの資金っていうのは、打ち出の小槌ではない。やはりあ
る程度は支援するかどうかの判断は必要となる。」

T「つまり、ESMによって銀行へ金融支援するかどうかの判断は結局、出資比率高い
ドイツにかかっているとも言えるのかもな。」

M「だろうな。結局、最終決定権はドイツにあるように思える。まあ、ただ今回の
決定は短期的にはかなり懸念を後退させることになったのは事実だ。」

T「だよな。まあ、短期的に波乱があるとすれば、ESMの稼働が遅れたりすることだ
が、大丈夫だよな。」

M「恐らくな。正式に稼働させるには参加国がそれぞれ国で批准完了しなければな
らない。つまり各国が法的に成立させる必要がある。」

T「でも問題ないんだろ。」

M「注目された昨晩のドイツ議会では下院で賛成多数で承認された。恐らく今後上
院でも承認され可決されるだろう。ただ最終的には憲法裁判所の承認が必要となり
、そこで躓く恐れが指摘されている。」

T「なるほど。」

M「まあ、問題はないと思うが、仮に承認に時間がかかるような事になれば、7/9の
ESM稼働に間に合わなくなるという可能性はあるだろう。そうなれば、一時的に懸念
視される事になる。」

T「あとイタリアも遅れる恐れがあるようだな。」

M「そうだな。いずれにしろ、目先の懸念はESM稼働が遅れる恐れが出てくることだ
。各国の批准に時間がかかるようなことがあれば、波乱要因となりかねない。」

T「それでなくとも、当初予定の7/1から7/9に稼働を遅らせているんだからな。」

M「まあ、もたつかずに予定通り7/9からESM稼働開始となれば良いけどな。」

T「とりあえず昨晩の欧米市場は期待した以上に大きく上昇して引けているし、来
週の日本市場も期待は出来そうだな。」

M「そうだな。シカゴ日経先物は9100円台で返ってきている。」

T「ああ、為替も円安気味だし、来週もこのまま上昇基調続けていって欲しいモン
だな。」

M「ショートポジションも結構たまっていそうだし、買い戻しの動き来週も続く期
待はあるだろう。気がつけば騰落レシオは過熱感あると言われる120%超になってき
たが、安易にショートポジションは取るべきではない。」

T「だろうな。騰落レシオは120%超でも、そこからの上昇が大きい事は多々あるこ
とだ。」

M「ああ。騰落レシオ120%超を平気で1ヶ月位続けることだってあるんだからな。」
T「そうだな。まあ来週も色々とイベントも多いが、強い展開に期待したいモンだ
。」