シリーズ チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告「第2回 ウクライナは訴える

【注目番組】『シリーズ チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告「第2回 ウクライナは訴える」』

2012年09月24日 | Weblog
NHK・Eテレにて、チェルノブイリ原発事故の汚染地帯に暮らすウクライナ国民に深刻な健康被害が生じているという衝撃的な内容の番組が放映された。

フクシマ原発事故以降、日本政府により年間被曝線量は「1ミリシーベルト/年以下」⇒「20ミリシーベルト/年以下」に引き上げられたが、「年間被曝線量5ミリシーベルト以下」とされる汚染地帯に事故後26年間住み続けた結果、心臓疾患や膠(こう)原病など、さまざまな病気が多発しているとのウクライナ政府の報告書の意味するところは非常に大きなものである。

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「20ミリシーベルト/年以下」という年間被曝線量の是非については、日本国内でも様々な市民団体等によりその危険性が指摘されているが、政府は勿論、国民の健康を守るべき医師会や医療関係者も一様に「健康上問題ない」の一点張りであり、低線量被曝による健康被害に関する報告が明確に存在しないことをいいことに”ダンマリ”を決め込んでいる始末である。
実際には、以前のエントリー「【注目記事】 実は存在していた「低線量被曝データ」(週刊SPA!)」にて取り上げたとおり、昨年8月1日、参議院復興特別委員会にて、古川俊治議員が文科省主導にて作成された「低線量被曝データ」が存在することを暴露しているが、未だにこれが”公の事実”とはなっていないのが実情である。
この参議院復興特別委員会の際の答弁にて、海江田経産相(当時)が「今後の福島県の調査で数十年後癌患者が増える、その補償をどうする?」との問いに対し、「訴えてください」との驚くべき答弁をしたことが”政府の本音”を如実に表していると言ってよいであろう。

即ち、国家権力ははじめからフクシマ原発事故による健康被害が出ることを認識しており、水俣病をはじめとする公害病同様、その結論を法廷の場まで延々と先延ばしにし、健康被害に苦しむ国民が時間の経過と共に死んでゆくのを待つという”非人道的手段”を繰り返そうとしているのである。

まさに”外道””人間の屑”
そのものであり、言語道断な話である。

また、ウクライナ政府の訴えに対し、IAEAは「栄養状態の悪化」「ストレス」なども原因として考えられるとしてウクライナの主張を認めていないが、このIAEAによる対応はこれまでにも何度も繰り返されてきたものであり、これから10数年後に同じ光景がニッポンでも繰り返されることは間違いないであろう。
即ち、世界の原発利権を牛耳る勢力による”情報隠蔽”と”大量殺人”が再び繰り返されるということである。
これは世界のどこかで起きている”他人事”ではなく、今、我々自身の身に起きている”現実”である。
我々日本国民は、今まさにこのウクライナの教訓をどう活かすかが問われているということを強く認識すべきであろう。
 
(転載開始)
◆シリーズ チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告
 「第2回 ウクライナは訴える」
 NHK Eテレ 2012年9月23日(日) 夜10時放送
 (2012年9月30日(日) 午前0時50分 再放送)

去年4月、チェルノブイリ原発事故25周年の会議で、ウクライナ政府は、汚染地帯の住民に深刻な健康被害が生じていることを明らかにし世界に衝撃を与えた。
チェルノブイリ原発が立地するウクライナでは、強制避難区域の外側、年間被ばく線量が5ミリシーベルト以下とされる汚染地帯に、事故以来26年間、500万人ともいわれる人々が住み続けている。
公表された「Safety for the future未来のための安全」と題されたウクライナ政府報告書には、そうした汚染地帯でこれまで国際機関が放射線の影響を認めてこなかった心臓疾患や膠(こう)原病など、さまざまな病気が多発していると書かれている。
特に心筋梗塞狭心症など心臓や血管の病気が増加していると指摘。子供たちの健康悪化も深刻で2008年のデータでは事故後に生まれた子供たちの78%が慢性疾患を持っていたという。報告書は事故以来蓄積された住民のデータをもとに、汚染地帯での健康悪化が放射線の影響だと主張、国際社会に支援を求めている。
今年4月、私たちは汚染地帯のひとつ、原発から140キロにある人口6万5千人のコロステン市を取材した。この町で半世紀近く住民の健康を見続けてきた医師ザイエツさんは、事故後、目に見えて心臓病の患者が増えたことを実感してきたという。その原因は、食べ物による内部被ばくにあるのではないかとザイエツさんは考えている。予算が足りず除染が十分に行えなかったため、住民は汚染されたままの自家菜園で野菜などを栽培し続け食べてきた。また汚染レベルの高い森のキノコやイチゴを採取して食用にしている。
学校の給食は放射線を計った安全な食材を使っている。しかし子供たちの体調は驚くほど悪化。血圧が高く意識を失って救急車で運ばれる子供が多い日で3人はいるという。慢性の気管支炎、原因不明のめまいなど、体調がすぐれない子供が多いため体育の授業をまともに行うことができず、家で試験勉強をして体調を崩すという理由から中学2年までのテストが廃止された。
被ばく線量の詳細なデータはなく、放射線の影響を証明することは難しいが、ウクライナの汚染地帯で確かに人々は深刻な健康障害に苦しみ、将来に不安を抱えながら暮らしていた。
しかしIAEAをはじめとする国際機関は、栄養状態の悪化やストレスなども原因として考えられるとしてウクライナの主張を認めていない。放射線の影響を科学的に証明するには被ばくしていない集団と比較しなければならないが、住民の被ばくに関するデータも、被ばくしていない集団のデータも十分ではなく、今後も証明は困難が予想される。
国際社会に支援を訴えながら、放射線の影響とは認められていないウクライナ健康被害チェルノブイリ原発事故から26年たった現地を取材し、地元の医師や研究者にインタビュー、ウクライナ政府報告書が訴える健康被害の実態をリポートする。
 
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健康悪化を実感してきた汚染地帯の医師たち
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汚染地帯にあるコロステン市の学校 子供たちの慢性疾患が増加している
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首都キエフの小児科病棟 報告書を執筆した医師ステパーノバさんと病気の子どもたち

(転載終了)

動画のサイト↓
http://www.asyura2.com/12/genpatu27/msg/528.html