◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2012/11/10(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は軟調な1週間となった。日経平均は5日続落で、1週間下げ続けたことにな
る。」

M「今週は米国で大統領選があり、それが波乱要因となってしまった。ただ結果は
想定通りの結果だったんだが・・・。」

T「そうだな。オバマ大統領が再選し、議会選は上院が今まで通り民主党過半数
押さえ、下院も今まで通り共和党過半数とった。」

M「まあ、想定されていたようにねじれ議会継続だ。それが嫌気されたとの訳解ら
ん理由で翌日米国株は派手に下落した。」

T「ほんと訳解らん。選挙は大方の予想通りの結果となり、ねじれ議会継続も想定
通り、財政の崖懸念も今まで通り・・。にも関わらず改めて売り込まれた。」

M「まあ、一部の投機筋がロムニー勝利となったときのポジション組んでいたんだ
ろう。当然そういう向きは必ずいるからな。その期待が外れ、選挙後にポジション
解消に動いたことが、波乱相場を招いた格好だ。」

T「結局、薄商い状況だけに、一部の投機筋のポジション解消で大きく動いてしま
ったと言うことなんだろう。」

M「ああ。それに、大統領選という少なからず不透明なイベント通過を待っていた
向きも多いと思われる。つまり大統領選後は、財政の崖問題への意識が強まると見
込んだ向きが、大統領選後にポジション作ってきたんだろう。」

T「恐らくショートポジションなんだろうな。もしくはヘッジ的な売りを入れてき
た向きも多いのかも知れない。」

M「いずれにしろ、財政の崖問題は年末近くなれば警戒が高まることは想定されて
いただけに、そういう時期にいよいよ来たと言うことだな。」

T「それにタイミング悪いことに今週はギリシャ懸念まで再燃してきた。まあ、こ
れもある意味、ある程度は解っていたことだと言えるんだが・・・。」

M「そうだな。ギリシャへの追加支援が今月決まるという予定だったが、毎度のよ
うに直前になって、揉めてもたつく。今まで何度も繰り返してきたことだ。」

T「今までも、あっさりと支援が決まった事なんて無いからな。ギリギリまで駆け
引きが続き、結局は支援を決定する。今回もそういう状況になってきたと言うわけ
だ。」

M「ああ。ギリシャの資金が11月中旬には枯渇すると言うことは、先月からギリシ
ャ首相が言っていた。ただ来週12日のユーロ圏財務相会合で支援承認される為、問
題ないとの見方だった。でも今週その期待が剥落した。」

T「一昨日には12日に決まらない可能性が高く、11月後半になりそうだとの関係者
の話として報じられた。それにより一気にギリシャ懸念が強まった格好だ。」

M「ああ。ギリシャは来週16日に国債償還を控えている。その資金すら無い状況だ
と言うことが昨晩、ギリシャ財務相が明らかにした。本当かどうかは知らないが
、その発言をうけ昨晩の欧州市場は一時波乱になったから。」

T「日経先物はナイトセッションで一時8650円まで下落する場面もあった。為替も
ドル円は1ドル79円辺り、ユーロ円は1ユーロ100円50銭辺りまで円高が進行した。」

M「まあEU高官によれば、来週16日の国債償還でギリシャがデフォルトに陥ること
は無いと断言しているが、実際どう対処するのかはまだ不透明だ。」

T「でも、結局は大丈夫なんだろうな。何とかするんだろう。今回も最終的には事
なきを得て、リスクオフの巻き戻しの動きになりそうだ。」

M「まあ、昨晩も結局は欧州株だいぶ戻したし、プラ転した市場もある。」

T「米国株がしっかりだったことが支えとなった。昨晩の米株はギリシャ懸念をう
軟調に始まったものの、寄り後は買われる動きで主要指数はプラ転した。」

M「ああ。米株は連日派手に下げていたと言うこともあるし、オバマ大統領が声明
を発表する予定だっただけに、その思惑も買い戻しに繋がったと言える。」

T「更に追い風のように、ミシガン大学消費者信頼感指数が強い数字となり、ダウ
は80ドル近く上昇したからな。」

M「でもその後は様子見ムードとなり、オバマ大統領の声明待ちとなった。」

T「注目のオバマ大統領の会見は財政の崖問題への姿勢を表明したが、そう簡単に
は回避されそうもないという印象を与えたような発言だった。」

M「そうだな。共和党とギリギリまで駆け引きが行われるような状況であり、結局
米株はオバマ大統領の表明をうけ上げ幅縮小の動きとなっている。」

T「まあ、目新しい懸念が出た訳でもなく、派手に売り込まれた訳でもない。つま
り良くも悪くも材料にはならなかったという感じだな。」

M「そうだな。財政の崖問題は、これから年末へ向け重しとなっていくのは仕方な
い。ただ結局は、最後の最後に回避出来るンじゃないのか。ギリシャ問題と一緒で
・・・。」

T「ああ。とりあえず来週はギリシャ問題がどうなるかが焦点となりそうだ。16日
国債償還を無事通過できるかが注目される。出来ることが解れば、やや懸念は後
退し相場も反発が期待できそうだ。」

M「日本は決算発表も峠は越えたし、徐々に機関投資家の買いも入りやすくなって
くるだろう。今月はヘッジファンドが決算期という重しもあるが、それに絡んだク
ローズの動きはずいぶん前から出てきている。それだけに徐々に弱まっていく期待
は強い。」

T「多くのヘッジファンド保有していたアップル株の動向見れば、確かにクロー
ズの動きはずいぶん前から出てきている様子だ。」

M「ああ。ここ1ヶ月以上、アップル株は下落続きだ。高値から20%超も下落してお
り、本格調整入りした格好だ。これだけ短期間で大きく下げると、痛手を受けてい
機関投資家個人投資家も多そうだ。」

T「だよな。そういう人達の、損失穴埋め的な売りが他の銘柄にも出ているなんて
話も聞かれている。それが米株軟調続きな大きな要因だと・・・。」

M「まあ、多くの投資家が保有している銘柄だけに、その銘柄の大幅調整は相場全
体に影響を与えてしまう。それだけに、今後の米国株の行方を占う上でも、アップ
ル株の動向は注目だな。」

T「そうだな。アップル株が下げ止まれば、米国株の全体的に下げ止まるかもな。」

M「ああ。昨日は寄り付きからアップル株反発しており、下げ渋り感が見られてい
る。そろそろクリスマス商戦が意識されてくるだろうし、アップル株も押し目か買
い意欲強まってくる可能性はあるんじゃないのか。」

T「そう期待したいモンだ。」

M「ああ。上値の方で手仕舞い売りした向きも、ここまで下げてくれば再度買いに
来る可能性だってあるだろう。」

T「そうだな。まずは来週ギリシャ問題、落ち着きを取り戻せるのか注目だな。期
待したいモンだ。」