◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2012/12/7(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週もしっかりとした1週間となった。」

M「ああ。日経平均終値ベースで9500円台に乗せてきており、押し目らしい押し
目を依然として見せていない。」

T「流石に上値の重さは見られているものの、大きく崩れる動きにはなっておらず
、海外勢の買いも依然として続いている様子だ。」

M「ただ昨日の夕方の地震には驚いた。東北・関東地区では久々の大きな地震とい
え、昨年3.11の大震災を思い出した人も多いだろう。」

T「だろうな。マグニチュード7.3とのことで、去年の大震災に比べれば大した規模
ではないが、阪神大震災と同じマグニチュードだからな。」

M「地震をうけ、為替は円高へと進行し、ナイトセッションでは日経先物がストン
と落ちた。オプションは9000円プットや8750円、8500円プットまで急騰する場面も
見られていた。」

T「オプションは一気にボラティティ大きくなったな。週末だけに地震リスク考慮
してヘッジ的な売買も行われた様子だ。」

M「ああ。幸いにも地震の被害は大きく無かったようで、為替や先物、オプション
も落ち着きを取り戻しているが、改めて日本は地震リスクがあると言うことを感じ
た投資家も多いようだ。」

T「そうだな。週末など売買出来ないときに、何かあればヘッジもかけられないし
、どうしようもないからな。」

M「まあ、それを執拗に警戒していたんでは投資など出来ないが、やはり普段から
リスク管理というものは必要だろう。つまり最悪の事態が起こると破綻するなんて
いう大胆なリスクは取るモンじゃないと言うことだ。」

T「確かに・・。投資額も余裕資金で行うと言うことも当たり前だが重要だ。」

M「昨日の大きな地震は、昨年の大震災の余震のようだが、新たな大地震の前震じ
ゃなければ良いけどな。これを機に、もう一度気を引き締めて備えた方が良いだろ
う。」

T「そうだな。投資面だけじゃなく、防災・避難用の準備などの点検などもな。」

M「ところで昨日は米国で注目の11月雇用統計が発表された。非農業部門雇用者数
は14.6万人増となった。市場予測は9万人増程度だっただけに、かなり良い数字だと
いえる。」

T「ああ。ADP雇用統計は下ブレていただけに警戒心もあったんだが・・。それに失
業率が7.7%と改善したのもサプライズとなった。」

M「ただ見かけほどは良くないと言えるかもな。9月、10月分は下方修正されている
し、失業率の低下も職探しを諦めた人が多かったことが要因だと思われる。」

T「労働人口も減っているし確かに、手放しで喜べる内容ではないわな。」

M「まあ、それでも米国株は好感されというか、無事通過した安心感により買い先
行で始まっていた。ただその後発表されたミシガン大学消費者信頼感指数が市場予
測を大きく下回り重しとなった。」

T「もともとブレの大きな指標だが、結構下ブレたな。8月以来の低水準となった。」

M「ああ。これは消費者に対するアンケート調査をもとに指数化したものだが、や
はり財政の崖への警戒感が消費者マインドを想定以上に低下させていると言うこと
だろう。」

T「だろうな。でも、財政の崖が回避されれば、一気にマインドは回復すると言う
期待もある。」

M「そうだな。昨日はベイナー下院議長が、財政の崖を巡る協議で今週は進展なし
と発言した。大統領が新たな提案するべきだと言っている。つまり、大統領、民主
党が妥協せよと言うことだな。」

T「この期に及んでまだ駆け引きする気らしいな。今週はオバマ大統領が、共和党
が妥協すれば1週間で合意出来ると発言し好感される場面もあったが、共和党はまだ
妥協する気はないようだ。」

M「恐らくギリギリまでお互い駆け引きが続きそうだ。そうなると財政の崖が回避
確定するのは、まだ先になりそうだな。」

T「本当にクリスマスギリギリまで合意に至らない感じもしてきたな。」

M「まあ、今はマーケットには反乱要因となっていないが、重しになっているのは
確かだろう。昨晩もベイナー下院議長の発言が重しとなっている面もある。」

T「だろうな。結局、昨晩の米国株はダウはしっかり上昇したがナスダックはマイ
ナス引け、S&P500指数は小幅高にとどまっている。」

M「今後も財政の崖問題は度々重しとなる事もありそうだ。そのうち、もしかして
財政の崖回避出来ない可能性もあるんじゃないのかと市場が思い始めると反乱要因
となる。」

T「ギリギリになっても進展見られないようだと、そういう見方も強まっているよ
な。」

M「ああ。少しずつでも進展が見られていくなら良いのだが・・。」

T「あと、今週話題になったのがアップル株の下落だな。随分と派手に下落した事
からナスダック指数に悪影響を与えている。昨晩のナスダック指数がマイナスなの
もアップル株の下落が重しとなっているのは明らかだ。」

M「そうだな。中長期資金にアップル株を売ってきているとの声もあがっている。
中長期でアップルに投資してきた人は、今の株価水準でもかなりの含み益が出てい
る状況だ。それだけに利食いに動いている向きが多いと聞く。」

T「これも財政の崖問題が関係しているとの話だな。」

M「ああ。財政の崖が回避出来ないと、来年からキャピタルゲイン課税の引き上げ
が行われる可能性がある。それだけに増税となる前の年内中に利食いする向きが多
いようだ。」

T「まあ、アップルに関しては他にも懸念要素が幾つか出ており、それも手仕舞い
売り要因になっている面もあるんだが、やはり増税警戒からの手仕舞い売り要因が
大きい感じだな。」

M「そうだな。もし、そうならば、財政の崖が回避されれば、アップル株は大きく
反発することが期待される。」

T「確かにそうだ。ある意味、買い場が近づいていると言えるのかもな。財政の崖
が回避されずとも、とりあえず来年になれば安くなったアップル株を買い直してく
る可能性もあるし・・・。」

M「まあ財政の崖が回避されなかったら、投資家心理がかなり冷え込み、全体的に
売られる恐れがあるけどな。」

T「それがもっとも怖いかもな。結局、財政の崖は回避されても増税は避けられそ
うも無いとの見方が多い。」

M「ああ。歳出削減は回避出来るとしても、増税は先延ばしになっても行われる恐
れはある。今回の協議も、結局そういった中途半端な結論でまとまりそうな気もす
るけどな。」

T「確かに・・・。まあそれでも、ひとまず崖は回避されたとの見方から安心感は
出てきそうだが。」

M「でも増税が待っているとなれば、心理改善も限定的になる恐れはあるだろう。
とにかく来週も協議の行方には注目だな。」

T「さて、日本ではいよいよ選挙が近づいてくる。今週は自民党単独過半数の可能
性が報じられていた。それだけに圧勝ムードだが、選挙は水物っていうくらいだか
らな。」

M「ああ。まだ投票先を決めていない有権者がかなり多い。それだけにどう転ぶか
は解らないが、結局は自民党圧勝でそのまま決まりそうな気はするけどな。」

T「問題はそうなった時の市場反応だろう。出尽くしとなるのか、改めて好感され
るのか・・・。」

M「そうだな。やはり圧勝の度合いにも、よるんじゃないのか。自民だけで300議席
とか行ってしまえば、出尽くしとならず改めて好感されるという可能性もあるかも
な。」

T「まあ来週、各党の情勢がどうなっていくのか注目したい。」

M「ああ。来週はメジャーSQだけに、何かネタが出てくれば先物いじってくる投機
筋が出てくる可能性がある。」

T「そうだな。来週は国内だけでなく海外でのイベントも多い。米国ではFOMCもあ
るし・・・。」

M「ああ。まあどういう結果になり市場がどう反応するのか注目だな。」

T「期待したいモンだ。」