◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2012/12/15(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も強い展開となり、日経平均は更に上離れ何と9800円付近まで上昇した。」

M「ああ。依然として急ピッチな上昇による日柄調整は十分じゃないが、SQ絡みの
動きもあったようで、更に上値取ってきたな。」

T「SQという特殊要因も影響しているが、為替が週末にかけ更に円安へと進行した
ことがやはり大きい。」

M「そうだな。昨日には1ドル84円に迫る場面も見られている。ユーロ円は1ユーロ
110円が間近だ。」

T「選挙を前に円買いしていた向きが、円売ってきたのか・・・。」

M「正確には売らされたという感じだろう。昨日昼頃にまとまった円売りドル買い
注文が入っている。それによりオプショントリガーやストップロスなどが発動され
急速に円安へと進行した。」

T「ある意味、仕掛け的な動きなのかもな。」

M「それはどうか解らんが、その可能性も大いにあるだろう。」

T「問題は来週もこの円安基調が継続されるかどうかだな。」

M「ああ。来週は選挙というイベントが通過することから、出尽くし的に円買い戻
す向きが出てきても不思議はないからな。」

T「でも来週は日銀金融政策決定会合もある。先日、FRBが追加緩和に踏み切ったこ
とから、日銀も追随するとの見方が主力だ。」

M「まあ実際にそういった思惑で、FOMC通過後も円安基調となっていたからな。た
だ既に、来週の日銀による追加緩和もある程度織り込まれてしまっている可能性は
あるだろう。」

T「期待以上の緩和策を打ち出してくれば別だが、日銀にそれを期待するのは難し
い。」

M「ああ。それに実際に日銀が来週の会合で追加緩和に踏み切るかは解らない。見
送られる恐れも十分ある。市場が勝手に先走り的に期待先行してしまっているけど
な。」

T「あとは明日の総選挙の結果によっても変わってくるのではという見方もあるよ
うだ。やはり事前報道通りに自民圧勝となれば、日銀も動かざるを得ないとの見方
もある。」

M「どうだろうな。日銀としてみれば独立性示すためにも、選挙の結果を考慮して
金融政策を決めることはしないだろう。」

T「いずれにしろ、日銀は来週の会合で追加緩和するという見方が市場コンセンサ
スになってしまっており、それを織り込んで動いている面もある。それだけに裏切
られるとやっかいだな。」

M「まあ、来週の会合で追加緩和見送られたとしても、新政権による強力な金融政
策への期待感が消えるわけではないからな。」

T「そうだな。失望され影響受けても一時的と言う可能性はありそうだ。」

M「とにかく、円安も株高もちょっと急ぎすぎている感は否めない。それだけに良
い意味での一服期間と言うことなら歓迎だろう。」

T「確かに・・・。そのきっけとなるとすれば、やはり明日の選挙か、来週の日銀
金融政策決定会合かもな。」

M「米商品先物取引委員会が毎週発表している投資主体ポジション動向見ると、投
機筋の円売りポジションが半端無く積み上がっている。」

T「まあ、これだけ急速に円安へと進行してきたんだ。途中、企業の為替予約に絡
んだ円買いドル売りなどもかなり入っていたと思われるが、それらを全て吸収して
円安へと進行してきたんだからな。」

M「ああ。かなりパッツンパッツンで、ここから更に円売りポジション積み上げら
れるのか疑問もある。そうなると、更なる円安には、一度ポジション整理の動きを
こなさないと難しい可能性はあるだろう。」

T「2月のバレンタイン緩和の時も投機筋円売りポジション膨れあがったが、今回は
その時を既に大きく越えている。」

M「ああ。2月のバレンタイン緩和の時には、最終的には投機筋は円売りポジション
を解消してきているが、それにより為替は再び円高水準へと戻してしまっている。
今回も投機筋が本格的に円売りポジション解消して来れば、円高へと簡単に戻して
しまう恐れはある。」

T「だよな。これだけ円売りポジション積み上がっているんだから、普通に考えた
らヤバくね?」

M「2月のバレンタイン緩和の時は投機筋が日銀は変わったという見方で投機筋は円
売りポジション積み上げてきたが、結局それは勘違いだったという結論となりポジ
ション解消してきたんだ。」

T「ああ。」

M「現状は、今回こそは日銀は変わるという期待で円売りポジション積み上げてい
る状況だが、実際に日銀が期待通り変わっていけば問題はない。当然投機筋だけに
、ポジション整理は行われるが、新たな円売りポジション積み上げる向きが次々と
出てくるため、吸収できる期待がある。」

T「なるほど。上手く回転が利いてくるということだな。」

M「ああ。ただ今回も結局、日銀は変われない、安倍自民党総裁の超強力金融緩和
構想も、結局口だけだった何てことになると、かなりヤバイ。」

T「確かに・・・。でもそれが判明するにしてもまだ先の話だろ。」

M「そうだな。暫くは期待感が剥落することは無いだろう。ただ来週の会合で、日
銀の姿勢がタカ派に写るようだと、警戒する投機筋が出てきても不思議はない。期
待感が消えてしまう訳ではないけどな。」

T「ただ、それが良い一服期間のきっかけとなるなら、それもアリだな。」

M「まずは明日の選挙に注目だ。やはり怖いのが自民党が言うほど議席とれず、単
過半数も取れないようだと、失望される恐れはある。」

T「まあ自公合わせて過半数は大丈夫だとは思うが、ギリギリ過半数という状況だ
とかなり厳しいかもな。」

M「そうだな。いずれにしろ今回の選挙は非常に大切な選挙となり、しっかりと考
えて投票するべきだろう。単純に目先の株価のことを考えれば自民圧勝が望ましい
が、中長期的な日本のことを考えれば、本当にそれで良いのかという事は人それぞ
れだ。」

T「ああ。自分の考えでしっかりと判断し投票するべきだな。」

M「投資家としては選挙結果を踏まえ、今後の投資戦略を練っていけばよい。まず
はどういう結果になるのか、しっかりと見届けたい。」