◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2012/12/22(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は日本株は一段高となり、日経平均はあっさりと1万円も突破した。」

M「ああ。昨日は下げてしまい1万円割れで引けているものの、今週の強い展開だっ
たと言えるだろう。」

T「衆院選挙は事前報道通りに自民党が圧勝し、連立組む公明党と合わせて3分の2
議席を確保したことは大きい。」

M「そうだな。日本株は素直に好感されしっかりと買われる展開となった。商いも
今週増加しており、海外勢の買いが一段と強まった様子だ。」

T「そうだな。今までは期待で買われてきたと言えるが、選挙終わり事実で更に買
い手が増えた。」

M「如何に今まで日本株を海外勢が買っていなかったと言うことだろう。買うどこ
ろか逆に売りポジション持っていた海外勢も多いと聞く。」

T「それを買い戻すだけでも結構上げてきたといえそうだな。それに加えて更に新
規買いの動きが強まり、相場は更に上げてきたと言うことだな。」

M「ああ。ここに来て海外年金資金など中長期資金の動きも見られており、海外勢
は本格的に日本株買いに動き出してきたと見て良さそうだ。」

T「でも今週の商いの多さを見ると、ピーク感は否めない。」

M「短期的には確かにピーク感はあるが、海外勢が本格的に動き出したと考えれば
、こんなもんじゃ済まないだろう。まだまだ買い余力はあるからな。」

T「そう期待したいが、ここに来て外部要因に不透明感も出てきている。特に米国
の財政の崖問題は、まだまだ爆弾要素だ。」

M「ああ。昨日の下落も結局はそれが要因だからな。ただ良く言えば、外部要因の
不安要素によって、相場が多少なりとも冷やされており、短期的な投資家の回転が
利いているといえるだろう。」

T「まあ、外部要因で不安が強まれば、やはり短期的な投資家は利食いに走りやす
いからな。」

M「ああ。それにより、相場が下がれば買っていなかった投資家が買ってくる。そ
れを繰り返し、上手い具合に資金が回転され好循環的に上げていくと言う期待はあ
る。」

T「ただ、それはあくまでも外部の懸念要素が爆発しなければの話だろ。財政の崖
は油断できない。」

M「確かにそうだな。ただ昨日の米国株見ると、まだまだ本気で懸念している向き
は乏しい感じだ。あの程度の下落で済んでいるんだから。」

T「それは言える。そんな楽観的で良いのかと不安になるが・・・。」

M「そもそもオバマ大統領が楽観的な見解を示しているからな。昨日行われた記者
会見では年内合意に自信を示している。予定通りクリスマス休暇入りしハワイに向
かうらしいからな。」

T「でも共和党のドタバタを見ると、とても年内合意に至るとは思えない。今週共
和党は減税延長対象を年収100万ドル以下と初めて譲歩を見せた。それをうけオバマ
大統領は25万ドル以下としていたものを40万ドル以下まで譲歩した。」

M「ああ。お互いに歩み寄っている様子で今週は合意近いとの期待も強まったから
な。」

T「ところがどっこい、昨日共和党は100万ドル以下とする妥協案を下院で採決する
予定が急遽中止している。中止理由が共和党内で必要な数の支持が得られないため
だってさ。」

M「下院は共和党過半数議席持っているだけに、共和党内でまとまれば採決し可
決出来る。しかし共和党内には100万ドル以下でも納得できず、全員減税延長対象に
するべきだとの声がまだまだ多いことが明らかになった。」

T「ああ。そんな状況で、とてもオバマ大統領、つまり民主党の案に歩み寄れるは
ずがない。とても年内合意なんて無理だろう。」

M「まともに見ればとても間に合わない。ただ米国の議員はコロッと意見を変える
こともあるからな。増税は絶対反対としながらも、あっさりと譲歩したりするモン
だ。結局は政治家のパフォーマンスなんだよ。」

T「まあ富裕層達の支持者達の手前、ある程度の抵抗は見せる必要があるのは解る
んだが・・・。」

M「ああ。見せるだけで良いんだ。最後の最後まで抵抗したけど、と言うところを
見せたいんだ。そんなモンだ。誰も財政の崖なんて望んじゃいない。」

T「下院も上院もクリスマス後まで休会になるようだし、本当に大丈夫かと心配に
なる。」

M「まあしっかりとクリスマス休暇取る位なんだから大丈夫なんじゃないのか。た
だ決まるまでは、投資家はやはり積極的にはなりにくいのは確かだけどな。」

T「だからといってリスク回避の動きも限定的という感じか・・・。」

M「売り込む動きにはならないんじゃないのか。だって一転して合意なんて事もあ
るだけ、それを考えれば売り込めない。まあ事前に警戒されまくった方が、合意し
財政の崖回避された時のインパクトが大きくなるから良いんだけどな。」

T「日本市場も来週はさすがに商い細るだろうな。海外勢にはクリスマス休暇入り
する向きも多いだろうし・・・。」

M「そうだな。一部の海外勢はクリスマス休暇返上し日本株を買いを続けるなんて
見方も出ているが、商い細るのは必至だな。ただ売り込む動きにもなりにくいだろ
う。閑散に売りなしって言うし・・・。」

T「まあ、商い細っても閑散という状況までには至りそうもないが・・・。」

M「確かに。個人投資家は今か今かと買い場を探っているだろうからな。先週まで
個人投資家は売りまくっているからな。戻り売りや、やれやれ売りが大半だろうけ
ど、それにより資金余力がかなり膨らんでいる。」

T「だろうな。持たざるリスクも感じている個人投資家も多いだろうからな。押せ
ば買いたいと言う向きは確かに多い。」

M「そうだな。まあ例年そうだが、来週は個人投資家と短期資金中心の相場と見て
良いだろう。それだけに大型株は動き乏しくなりそうだが、中小型株に動き活発に
なってくる銘柄増えてくるかもな。」

T「今年も残すところあと4営業日だけだ。受け渡しベースで言えば1営業だけだか
らな。」

M「ああ。良い形で今年は終えられそうだな。ココまで来ればやはり日経平均1万円
台で引けたいという市場関係者は多い。中には3月に付けた年初来高値を年内更新し
たいと期待する向きもいる。」

T「10255円だろ。十分射程圏だからな。昨晩の米国市場は懸念したほど下げていな
いし、シカゴ日経先物は円建てで10095円と、かなり高く返ってきている。昨日の下
落分くらいは簡単に戻しそうだ。」

M「そうだな。週明け24日は日本市場は休場だが、米国市場は短縮取引で行われる
。まあクリスマスムードだけに大きくは動きそうもないけどな。」

T「とにかく来週は今年最後の週だ。しっかりと高値維持して終わりたいモンだ。」