◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/03/02(土)発行

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================
T「今週は不安定な展開だったな。まあ、色々とあったからな・・・。」

M「そうだな。週明け月曜日には安倍首相の日銀人事案が報じられ、それが好感さ
れて大幅高となった。」

T「新総裁候補に黒田東彦ADB総裁、副総裁の一人に岩田規久男学習院大教授を提示
すると報じられた。いずれも総裁候補に挙がっていた人物だが、それでもサプライ
ズだと市場は受け止めている。」

M「ああ。黒田氏はADB総裁という大事な職に就いており、それを辞めさせて日銀総
裁にということはしないとの見方も多かったからな。」

T「そうだな。黒田氏辞めるとなれば、ADB総裁の座を他国に譲ってしまう事になり
かねない可能性もあるだけに、黒田氏の人選は無いとの声は確かに多かった。」

M「それに副総裁に岩田規久男氏を持ってきたのがサプライズだった。超リフレ派
岩田規久男氏が総裁なら、もっと好感されたと思われるが、今回の人選も悪くは
ない。」

T「ああ。黒田氏は財務省OBでみん党は天下り人事だと反対表明しているが、財務
省OBの中でも異色なリフレ派だからな。」

M「財務省OBの中では、もっともマシなのは確かだ。それにADB総裁を長年務めてき
た経験は大きい。組織運営力や、国際金融経験、それに国際的人脈と、すべてが日
銀総裁でも重要な武器となる。」

T「そして副総裁の超リフレ派である岩田規久男氏が黒田氏のケツを叩くという構
図だな。」

M「ああ。悪くはない。それだけに市場も好感し、25日月曜日には為替は大きく円
安へと振れ、日本株も大幅高となり、日経平均TOPIXも昨年来高値を更新した。」

T「しかし、それに水を差したのがイタリアだ。25日に投票が終了したイタリア総
選挙の結果が最悪になってしまった。」

M「ああ。反緊縮派が想定以上に躍進し、上院で緊縮派が過半数確保できなかった
。これにより、緊縮派での政権樹立が難しくなり市場は波乱となった。」

T「為替が驚くほどに円高へと進行したからな。ドル円は1ドル94円台から91円割れ
まで一時円高進行した。」

M「日経平均もせっかく昨年来高値取ったのに火曜日には大幅安となってしまった
。火曜日の朝にはシカゴ日経先物11200円割れで返って来ていた割には、底堅かった
といえるが・・。」

T「でも翌水曜日には続落してしまい、日経平均は25日線付近の11200円台で引けて
いる。」

M「ただイタリア国債入札が順調に行ったことから過度な懸念が後退し、週末へか
け戻す展開となっている。」

T「日経平均はあっさりと戻す結果となったが、為替は戻し切れていない。それだ
けに日経平均の上昇には違和感もあるけどな。」

M「TOPIXは高値更新し昨日引けているからな。やはり日銀新人事に好感する向きも
多いということだろう。外部要因に左右されにくい内需株が主に買われている。」

T「違和感があるといえば昨晩の日経先物や為替の動きだ。昨晩欧州ではユーロ圏
失業率が過去最悪になったことなどから、波乱相場となった。それでも日経先物
ナイトセッションで随分と下げ渋っていた。」

M「ああ。ユーロドルではユーロが大きく売られていたが、対円では結構下げ渋っ
ていた。そして米国市場が始まり、好調な米経済指標が発表されると急速に円安へ
と進行し、日経先物も大きく上昇に転じている。」

T「踏み上げ的な動きもあるんだろうけど、それにしても強すぎる動きだ。米ダウ
は朝方は120ドル近くの下落となるも、その後は戻してプラ転したが小幅高程度だっ
た。でも日経先物は大幅高となり11700円台まで買われて高値引けだ。シカゴ日経先
物も11700円台で返ってきている。」

M「まあ為替が大きく円安へと進行しただけに日経先物上げるのは解るが、そもそ
もなぜこれほど円安が進んだ?米経済指標良くドルが買われるのも解る。ただユー
ロまで対円では大きく買われたからな。」

T「やはり新体制の日銀への期待が強いということか・・・。」

M「だろうな。それに仕掛け的な円売りもあるように思える。円安に戻さないと困
ヘッジファンドも結構多いようだからな。」

T「なるほど・・・。」

M「それに来週のSQに絡んだ動きも先物にはありそうだな。12000円コールの建玉
非常に多いことから、SQ値は12000円超えを狙う向きも多いとの話もある。」

T「でも逆に12000円越えだけは何としても避けたいという向きも当然いるだろ。」

M「ああ。ただここまで上昇してくると、12000円コールオプションを売っている向
きは買い戻し余儀なくされたり、先物にヘッジ買いを入れてくる向きも多いといえ
、それが更に先物を押し上げる可能性もある。」

T「なるほど。買い方有利となった状況だな。」

M「まあ、SQまで残り僅かだけに、外部要因が邪魔すると難しいだろうけど、多少
ならば強引に持って行ってしまうという可能性は考慮しておくべきだろうな。」

T「そうだな。まずは12000円射程圏を維持出来るかだな。週明けの動向が注目され
る。寄った後も値を伸ばすようだと、もう射程圏だからな。」

M「逆に寄った後、上げ幅縮小してしまうようだと期待は萎む。」

T「でも来週は株価や為替を大きく動かす可能性があるイベントは目白押しだ。欧
州懸念も当然燻っているし、米歳出削減問題だって解決していない。それに経済指
標や、ECBなど金融政策会合も幾つかある。」

M「そうだな。それだけに非常に読みにくいが、果たして外部要因がどちらの見方
になるかどうかだな。12000円コールオプション買っている向きと売っている向きの
・・・。」

T「とにかく週明けの動向注目したい。期待したいモンだ。」