◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/03/16(土)発行

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================
T「今週は下落する日もあったものの、週末にかけ大きく上昇して終わってみれば
日経平均高値引けで昨年来高値を更新し終えている。」

M「日経平均は5週連続の上昇だ。引き続き強い展開続けていると言えるだろう。」

T「そうだな。先週はメジャーSQということもあり、それに絡んだ売買も見られて
派手に急騰したものの、今週もしっかり上昇したからな。先週の上昇は単にSQ要因
だけではなかったと言うことだ。」

M「ああ。先週の投資主体別売買動向では海外勢が1週間で1兆円超の買い越しとな
った。過去にないレベルであり、ここに来て海外勢の買い意欲は一段と増している
。」

T「海外の大型ファンドが買いに動いたとの観測もあるだな。」

M「そうだな。ここ何年も日本株を買っていなかった海外勢まで買いに来ており、
さすがに日本株に持たざるリスクを感じるグローバル投資家が増えてきたと言うこ
とだろう。」

T「ただ懸念もある。一部ヘッジファンド手仕舞いに動いているところもあるよ
うだし、今後利食いに動いてくる海外勢も増えてくるかも知れない。」

M「それはあるだろう。ただココまで上昇してくる過程でも、ヘッジファンドの手
仕舞い売りなどは見られていた。それでも大きく崩れることなく、ここまで上げて
きたんだ。」

T「そうだな。結局、売り手が出てきても、それ以上に買い手がいるという状況が
続いていると言うことだろうな。」

M「ああ。そりゃこれだけ上げてくれば短期を主体とするヘッジファンドなどは益
出しに動くところも出てくるだろう。ただ中長期金は基本的にそうそう売ってくる
ことは無い。」

T「まあ、中長期金は、これくらいの上昇を見込んで買いに来ている訳じゃないだ
ろうからな。」

M「ああ。そうじゃなきゃ上値なんて買えないだろ。もっとかなりの上値を見てい
るだけに、目先上値を買えるんだ。」

T「確かに・・・。」

M「それにヘッジファンドだって皆が皆手仕舞いに動いている訳ではない。手仕舞
いに動くところもあれば、再度参入してきているところだってあるだろう。ただや
はり多くのヘッジファンド手仕舞いに動く可能性がある5月頃には警戒は必要だろ
うけどな。」

T「5月はヘッジファンドの決算期だからな。」

M「ああ。まあ、その時になっても中長期金の買いがかなり入ってきているのであ
れば、吸収できそうだが、中長期金の買いが一巡していると、やはり相場には影響
が出てしまう。」

T「いずれにしろ現状では、まだ懸念することではないと言うことだな。」

M「恐らくな。現状は日本株だけでなく米国株なども強いからな。それが海外勢の
投資意欲を強めており、日本株にも追い風となっている。」

T「世界的な過剰流動性相場状況なんだろうな。今は・・・。」

M「そりゃそうだろう。FRBは長期国債買い続けているし、日本だって今後更に金融
緩和される見込みだ。流動性があるドルや円が異例の金融緩和をしているんだ。そ
りゃ世界的に金余り状況になるのは必至だ。」

T「それが色々な投資に回り、世界的に過剰流動性相場になっている訳だな。でも
、本格的な過剰流動性相場はまだまだこれからだろ。」

M「ああ。ただやはり米国が緩和策を縮小させてきたりすれば警戒は必要だろう。
つまり金融引き締め方向に舵を取り始めたら要注意だ。」

T「最近は、米経済指標に強いモノも目立っていることから、結構懸念の声も聞こ
えてきている。思っていた以上はやく出口戦略に動き出すのではと・・・。」

M「そうだな。最近でも懸念されたが、バーナンキFRB議長がその懸念を払拭するよ
うなハト派の発言で事なきを得ている。異例の金融緩和政策は当面続けると・・。」

T「ただ来週にはFOMCがあることから注目されそうだ。」

M「ああ。ただバーナンキFRB議長が早期の金融引き締めを示すとはまず考えられな
い。今まで通りハト派的な発言をする可能性は高いだろう。ただFOMCメンバーの中
には、出口戦略を訴える向きも出てきているからな。そういった事がメンバーの中
で多くなるようだと懸念されそうだ。」

T「そうだな。昨日も幾つか経済指標発表があったが、まちまちだった。」

M「NY連銀製造業景気指数とミシガン大学消費者信頼感指数が悪かったな。最近に
は珍しいほど悪い数字だったといえる。特に消費者信頼感指数は・・・。」

T「ああ。2011年12月以来の低水準だな。これだけ米国株も上昇してきているし、
これほど消費者マインドが低下しているとは正直驚きだ。」

M「そうだな。歳出自動削減が発動している状況だし、そういった事から先行き懸
念が強まっているという事だろうな。今後、消費者マインド更に低下するようだと
、米実経済への悪影響も出てくるだろうし、当然米国株にも悪影響だ。」

T「だよな。ただ、これだけ悪い数字だったにも関わらず、昨晩の米国市場は底堅
かったといえる。しかもダウは前日まで10連騰していたからな。もっと手仕舞い
りで下げても不思議無いように思えたが・・・。」

M「まだ投資家心理は強い状況だという事だろう。それに久しぶりに悪い経済指標
出て、逆に早期に出口戦略に動くのではという懸念が後退したという面もあるんだ
ろう。」

T「なるほど。」

M「ただ今後の経済指標には注目だな。悪い経済指標相次いで来るようだと、当然
景気回復への期待が後退してくるからな。」

T「そうだな。いずれにしろ早いところ歳出削減問題を何とかして欲しいモンだ。」

M「長引けば長引くほど、消費者マインドに悪影響だし、当然ながら米経済へも悪
影響となってくる。」

T「ああ。」

M「また昨晩の米国市場は、クアドラプル・ウィッチングだった。日本でいうメジ
ャーSQだ。それだけに、それに絡んだ売買も多く、ある意味、それが相場を支えた
という可能性もある。」

T「なるほど。となれば、通過後の来週の米国株の動向は注目されるな。」

M「まあ、大きな変化はないと思うけどな。ただFOMC控えているだけに、手控え感
は強まる可能性はあるだろう。」

T「とにかく来週も強い相場に期待したい。週明けは流石に反動的に日本株も下げ
そうだが、底堅い動きになるか注目だな。」

M「ああ。シカゴ日経先物円建ては12400円割れで返ってきているだけに、反落スタ
ートになりそうだ。もし月曜日が反落スタートになれば、アベノミクス相場が始ま
って初めての事になる。」

T「そうだな。昨年衆院解散してから、月曜日は必ず日経平均プラスで始まってい
た。それだけに反落スタートとなると、なんかイヤだな。流れが変わりそうで・・。」

M「まあ問題ないだろう。昨日はFTSEリバランスの影響も強く、特殊要因で引けに
かけ上げた面もあるからな。反動で月曜日下げて始まりやすいのは仕方ない。」

T「問題はやはり寄り後だろうな。更に下げていく展開になるのか、下げ渋る動き
になるか・・・。」

M「ああ。ただ月曜日はWBCの準決勝が行われる。日本時間で10時からのようだ。そ
れだけに閑散相場になるという恐れはある。」

T「でも国内勢くらいだろ。海外勢の動きには影響は無いだろう。」

M「ただ国内の個人投資家やディーラーなどの短期資金も動き止まりやすくなるか
らな。前回の大会の時もそうだった。その時にヘッジファンド辺りが先物仕掛け的
な動きしてくるようだと大きく動くという恐れもある。」

T「まあ閑散に売り無しとなれば良いけどな。とにかく来週どういう展開になるの
か注目したい。WBCもな・・・。」