◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/04/27(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週の日本市場は堅調な展開になったといえる。幻だったSQ値を週明け早々に
クリアしてきたのには驚いた。」

M「ああ。先週はやや一服感見られたものの、早くも切り返してきた。やはり先週
G20会合への警戒が重しとなっていた感じだな。」

T「そうだな。それにより為替も円高気味だったからな。今日公表されたCMEの投機
筋動向見ると、円売り越しが大きく減っていた。」

M「G20会合を前に円売りポジションを手仕舞いした動きだな。それにより円高気味
になっていたといえる。」

T「しかしG20会合で事実上、日本の金融政策が円安誘導のためではないと事実上認
められたことから、今週は円安へと戻していた。」

M「この動きからも投機筋が再び円売りに動いてきた可能性ありそうだ。ドル円
再び1ドル100円に迫る水準まで円安へと戻してきたため、日本株にも追い風となっ
た。」

T「ただ最近、ドル円は100円手前での揉み合いになっているといえるが、日本株
それでもしっかりと上値を取ってきている。この動きからも日本株と円安の連動性
が薄れてきているようにも思えるが・・・。」

M「そうだな。それだけ海外の長期資金が買ってきているともいえるだろう。それ
に加えて国内勢だろうな。まあ国内勢は個人投資家が中心だが・・・。」

T「だろうな。」

M「海外ヘッジファンドなど投機筋は日本株買うときに為替ヘッジする向きが多い
日本株買って上昇しても円安へ振れたら利益が目減りするからな。」

T「つまり日本株買いと一緒に円売りも行うと言うわけだな。」

M「ああ。その為、日本株と為替が一緒に動きやすくなる。まあ今でも、そういっ
た動きもあるが、以前ほどその連動性は強くはない。」

T「海外の長期資金などは為替ヘッジせずに日本株買う向きも多い。国内勢は当然
だが為替ヘッジはしないからな。」

M「つまり今はヘッジファンドなどの投機筋だけでなく、海外の長期資金や国内個
人投資家も買い意欲を強めてきていると言うことだろう。」

T「ヘッジファンドなどの投機筋がここに来て円売りポジション更に積み上げない
のは、これ以上の円安は限定的と見ているのかも知れない。それはつまり日本株
更なる上値も限定的と見ているのかも知れない。」

M「そういうわけではないだろう。奴らは5月に決算期を控えていることもあり、今
は益出しを行う向きも多い時期だ。つまり自分らの都合で手仕舞いに動いている。
これ以上の上値が見込めないとか、円安が見込めないとかそういう見方で動いてい
る訳ではない。」

T「なるほど。」

M「ただ今週上げているといっても、場中の動き見ると結構不安定な動きとなって
いた銘柄も目立っている。前場売られたと思えば後場戻したり・・・。」

T「確かにそうだな。」

M「つまり売り買い交錯していると言えるだろう。手仕舞いに動いている向きもい
るが、依然として買ってきている向きもいる。一部のヘッジファンドなどの投機筋
手仕舞いだったり、個人投資家のGW前の手仕舞いだったり・・。」

T「でも継続的に買ってきている向きもいるわけだな。」

M「ああ。海外の長期資金だったりな。」

T「しかしドル円は100円付けそうで、まだ付けていない。いい加減にとりあえず付
けて欲しいモンだが・・・。」

M「タイミング待ちだろうな。日本勢がGWで休み取っている間に、海外時間で仕
掛け的な動きが見られるかもな。毎年GW中は結構、為替が大きく動くからな。」

T「良い方向に動けば良いが・・・。」

M「外部要因次第じゃないのか。昨晩の米国市場は高安まちまちだった。ただ為替
は米1-3月期GDPが弱い数字になったことから円高に進行した。」

T「米GDPは市場予測前期比年率+3.0%だったんだが、+2.5%と大幅に下回った。
結構ショッキングな数字だったといえるが、その割には米国株は底堅かったな。」

M「ああ。内訳見るとそれほど懸念する内容でもない。政府絡みの落ち込みが影響
しており、重要な個人消費は大幅に伸びている。」

T「まあ個人消費だけ見れば市場予測を大幅に上回っているしな。」

M「結局、3月から始まっている強制歳出削減の影響が出ていると言うことだろう。
それにより政府調達が減少しておりGDPを押し下げている。」

T「なら心配する事も無いと・・・。」

M「ただ次期の4-6月期は更に強制歳出削減の影響が出てくる。そうなると個人消費
にも悪影響が波及する恐れもある。」

T「なるほど。まあ米国は例年4-6月っていうのは、経済活動が衰えて来やすい時期
ともいえるからな。今年は強制歳出削減の影響も加わるため、先行きは懸念かもな
。」

M「4月に発表された米国の経済指標は悪いモノがえらい目立っている。今後も大き
な改善は見込めないだろう。ただその割には米国株は底堅いといえるよな。」

T「ああ。」

M「結局、相場を支えているのは量的緩和という金融政策だろう。今や米国だけで
なく日本も思い切った金融政策にカジを切ってきたことから、世界的な過剰流動性
相場になってくるという期待が強い。」

T「それが相場を押し下げているし、支えているという訳か・・・。」

M「ああ。米国の相次ぐ弱い経済指標も、結局は量的緩和政策が当面続くという期
待に繋がっている面もある。一時は出口論なども浮上してきて、早期引き締めとい
う懸念もあったからな。」

T「そうだな。その懸念は今やかなり後退してきているのは確かだ。」

M「ただ限界はある。更に景気の減速が強まってくるようだと、流石に嫌気されて
くるだろう。そういう意味でも来週の米雇用統計は注目だな。」

T「ああ。来週は雇用統計だけでなく、他にも重要な経済指標発表は多い。極端に
強い数字が相次ぐと、再び出口論が意識されそうだが、弱いモノが相次ぐと流石に
嫌気されるだろうからな。」

M「まあ極端に強い数字が相次ぐとは到底思えないけどな。弱いモノが相次ぐ可能
性はあり得る。それは円高にも繋がることになるだけに、日本株にも影響はうける
。」

T「過去3年間、米国株も日本株も5月は下落しているだけに今年も警戒はされそう
だが・・・。」

M「ああ。とりあえず5月相場のスタートとなる来週1週間、どういった展開になる
のか注目したい。」

T「そうだな。期待したいモンだ。」