◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/05/04(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は連休の谷間ということもあって手控え感強い相場だった。」

M「ああ。商いは低調だったし、日経平均は先週末から4日続落となった。」

T「下げ渋り感も見られているものの、買い上がるような積極性は乏しく、日経平
均は上げていく雰囲気感じられない展開だったな。」

M「ただその一方で新興市場が元気いっぱいだった。今週は更に上昇に勢い付けて
きた感じで、派手に上昇した新興銘柄も少なくない。」

T「ああ。水曜日には派手に上げたと思えば、後場には派手に売られたりと荒い展
開も見せたものの、翌日には改めて買い直されたからな。強さを感じる。」

M「そうだな。まだこんなもんじゃ終わらせないぞと言わんばかりに、あっさりと
反発した新興銘柄も少なくない。」

T「この勢いだと連休明けも、新興銘柄は買い先行で始まる可能性は高そうだ。」

M「だろうな。マザーズ指数はここまで来れば来週中には1000ポイントも夢じゃな
いかもな。」

T「新興市場は昔から勢いが付いてしまうと、そろそろヤバイと思ってからの上げ
が大きい事が多い。」

M「そうだな。クライマックスの時が一番上げる感じだからな。ただ、必ず暴落的
な下落が来ることになる。今回の相場も当然、暴落的な下落は来るんだろうな。」

T「新興市場は勢い付くとオーバーシュートしてしまうだけに、暴落は付きものだ
からな。」

M「まさにチキンレース的な動きになってくる。それが来週来るのか、もっと先に
なるのか見物だな。」

T「ある意味、暴落も一つのチャンスともいえるからな。暴落後に来るのは派手な
リバウンドだからな。」

M「そうだな。ボラティリティが大きくなってきた以上、それが落ち着くまでは乱
高下は避けられない。上手く乗れれば妙味ある相場といえるが、一歩間違えば怪我
もしやすい相場なだけに注意は必要だ。」

T「新興市場物色がピークを迎えた場合、上手い具合に主力系株が今度は上値追う
展開になって来るのが好ましい。」

M「最近主力系株は上値重くなってきているからな。まあ当然の一服とも言えるん
だが、大夫過熱感冷めてきている銘柄も少なくない。」

T「ああ。それだけに、そろそろ上値を再び追い始めても良い感じでもあるんだが
・・・。」

M「最近は円安に一服感が明らかに見られており、それが重しとなっている面もあ
る感じだ。それだけに再び円安へと向かい始めれば、主力系株も再び上値追う動き
になっても不思議はない。」

T「そう期待したいけどな。ただ昨日為替が大きく円安へと進行した。1ドル99円台
まで円安進行しており、来週再び100円目指す期待も出てきた格好だ。」

M「そうだな。米雇用統計が市場予測より良かったからな。非農業部門雇用者数は
16万5000人増となった。市場予測は14万5000人増程度だった。」

T「失業率も改善した。7.6%予想だったが7.5%となった。」

M「前回えらい弱かった数字は上方修正されており、それほど雇用は悪化していな
かったという見方に繋がった。」

T「水曜日にADPが発表した雇用統計は予測より弱い数字だっただけに、昨日の政府
発表の雇用統計への警戒感も高かった。それだけに良い数字が出たことに市場は大
きく反応している。」

M「ああ。ハードルが下がっていた分、好感されたんだろう。ダウは一時15000ドル
台まで上昇する場面も見られた。」

T「雇用統計の内訳見ると、やはり政府部門が雇用者数減少しており良くないが、
その分、民間部門の強さが目立つ。」

M「特に内需業種の雇用の強さが見られている。外需業種はあまり良くはない。
つまり世界景気の影響受けやすい輸出企業などの雇用は改善していないが、内需
業の雇用改善が目立っていると言うことだ。」

T「そうだな。米国内の景気は悪くないと言うことだな。」

M「株高の影響もかなりあるだろう。株高により個人消費が落ち込まずしっかりと
していることが米景気を支えている感じだ。」

T「ただ昨日発表されたISM非製造業景況感指数は良くなかった。」

M「ああ。非製造業つまり内需業種の景況感だが、9ヶ月ぶりの低水準となった。内
訳の雇用指数も低水準であり、これを見る限り強い雇用というのは見られない。」

T「なんだろうな。このチグハグな感じは・・。」

M「案外それが良いのかも知れない。あまり強い経済指標強まると、金融政策の引
き締め懸念が強まってくる。雇用統計にしても予測上ブレたといっても、この程度
の上ブレはある意味許容範囲だ。なんせブレの大きな指標だからな。」

T「そうだな。もっと上ブレて、雇用者数増減が20万人増とかになると逆に金融引
き締め懸念に繋がるのかも知れない。」

M「ああ。良い具合に上ブレて、他の経済指標はまだ弱いモノも目立っている。そ
ういう状況が非常に心地よい感じなのかも知れないよな。今の市場には・・。景気
悪化にもなっていないが、言うほど改善もしていない。それだけに今の超緩和的な
金融政策はまだ続ける必要があるという見方に繋がる。」

T「確かにそうだな。」

M「まあ、雇用統計は翌月には大きく修正される事が多いだけに、今回の数字は、
もしかすれば来月下方修正される恐れもあるかもな。とりあえずは今回は無事通過
したといえ、来週の日本株にも好影響を与えるだろう。」

T「ああ。ダウは一昨日と昨日で270ドル超も上げたことになる。月曜日も日本市場
は休場だが、さすがにダウは270ドル超も下げはしないだろう。となれば連休明けの
日本株は買い先行で始まる公算大きい感じだ。」

M「とりあえず昨晩のシカゴ日経先物は円建てで14165円で引けている。連休前の日
経平均終値は13700円割れ水準だけに、既に400円以上も上げている格好だ。」

T「月曜日の米国市場や為替がどうなるかにもよるが、日経平均は14000円台で始ま
る期待高そうだな。」

M「そうだな。そのまま来週はしっかりとした展開になっていけば良いけどな。来
週は国内で企業決算発表が非常に多い。米国では目立った経済指標発表も無いだけ
に、決算絡みの物色が中心になりそうだ。」

T「いずれにしろ今週落ちてきていた商いが来週再び増えてくるかが注目だな。海
外勢の買いがまだ続くかどうか・・・。」

M「今週強かった新興市場も注目したい。新興市場の強さを引っ張っているのは
バイオ株といえるが、来週にはアジア最大のバイオ展が5/8から5/10まで東京ビッグ
サイトで開催される。」

T「ああ。それが更にバイオ株物色に好刺激を当たれば面白い。」

M「そうだな。ただ過熱感既に異常状態だけに注意は必要だけどな。為替が円安へ
と進行してくると主力系株に再び資金が流れやすくなる。それだけに新興市場から
資金が流出するという懸念はあるからな。」

T「確かに・・。とにかく来週どういう展開になるのか注目だ。期待したいモンだ。」