◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/08/03(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週はえらい荒い展開だった。」

M「ああ。先週は久しぶりに週間ベースで下落したもの、今週はしっかりと反発し
た。」

T「ただ動きが大きすぎる。日経平均は毎日大幅安大幅高と荒い動きで、まともに
ついて行くのは難しいような動きだ。」

M「週明けの月曜日は派手に下落し、日経平均節目の14000円もあっさりと割り込ん
だ。しかし翌日は大幅に反発したと思えば、その翌日水曜日にはまた派手に売られ
た。」

T「そして週末へ向け、急ピッチに戻して、終わってみれば日経平均14500円付近ま
で戻っている。」

M「結構先物主導で動く場面も見られており、下げたい向きもいたようだ。逆に上
げたい向きも居たようだけどな。」

T「来週にはオプションSQ控えているだけに、それに絡んだ攻防が今週から出てい
たのかも知れない。」

M「それに週前半は企業決算への警戒も強かったと言えるだろう。4-6月期決算は市
場コンセンサスを上回る企業も多いんだが、中間、通期見通しが下回る企業が多い
。」

T「結局それって、企業側が保守的に見ているって事だろ。」

M「ああ。そもそも日本の経営者は保守的な企業が多い。上方修正してきても、か
なり控え目に出すから市場の期待には届かず失望なんてところも目立つ。」

T「まあ、まだ1Qが終わった段階だからな。特に通期業績に関しては保守的になる
も仕方ないように思えるけどな。」

M「不透明な要素もかなり多いからな。為替にしろ、中国などの新興国景気にしろ
、かなり不透明な状況だ。」

T「でも明らかに控え目な見通しで失望され売られた銘柄はやっぱり買われやすい
んだろう。」

M「ああ。名実共に8月相場入りしてきてから、海外勢の買いが再び強まってきてい
る。保守的な見通しが嫌気され売られたような銘柄などは、やはり買いを入れてく
る向きも多いかもな。」

T「そうだな。今後上方修正してくるって期待も強いだろうし・・・。」

M「そもそも市場の期待が高すぎたって事もあるだろう。期初に企業が想定してい
た為替水準より、現状は円安になっているわけだし、企業決算への期待が高まるの
も仕方ないんだが・・・。」

T「そうだな。期待が高い分、決算発表後は出尽くしになりやすいのも、ある意味
当然か・・。」

M「ただ逆に言えば、それだけ市場の期待が高まっている状況で、更に市場の期待
以上の上方修正を出してくる企業などは、今後更に期待が出来るかもな。」

T「まあ、そういった企業だって保守的な見通し出しているところも多く、保守的
でも市場の期待以上となるってことは、それだけ好調だと言うことだからな。」

M「ああ。1Q時点で通期業績を想定以上に上方修正してきた企業などは、今後も更
に上方修正してくることが過去見ても多い。そういう銘柄は要チェックだろう。」

T「来週以降もまだ企業決算発表多いだけに注目だな。」

M「今週は国内企業の決算発表本格化ということも株価へ影響を与えたが、外部要
因でもイベントが多く、それらも株価へ大きく影響を与えている。」

T「ああ。米国では経済指標の発表多かったし、FOMCもあった。中国では製造業PMI
発表があり、いずれも重要イベントだ。」

M「中国PMIは良かったな。今回は景気の分かれ目となる50を割り込むとの見方だっ
たが、割り込まずに更に前回よりも上昇した。」

T「既に発表されているHSBC中国PMI速報値はえらい弱い数字だっただけに、警戒さ
れたんだが・・・。」

M「ああ。それだけにポジティブサプライズとなった。」

T「市場では、この数字を本当に信用して良いのかと疑問抱く向きもいるようだが
・・・。」

M「ただそれを言っちゃ何も信用できなくなる。とりあえずポジティブ反応に繋が
ったんだし、良いんじゃないのか。」

T「そうだな。米国ではFOMCも好感された。声明文の文言が多少変更された程度だ
が、市場には安心感に繋がった。」

M「それに米経済指標だな。幾つか重要な経済指標発表があったが、結果的には強
い経済指標目立った印象だ。」

T「そうだな。ADP雇用統計やGDP速報値も強い数字となった。更にISM製造業景況指
数の強さには驚いた。」

M「ああ。こりゃ早期量的緩和縮小懸念強まるかなと警戒されたんだが、週末に雇
用統計控えていただけに、そういった懸念は見られていない。」

T「そして最注目の昨日の雇用統計だ。」

M「ADP雇用統計やISM製造業景況指数の内訳の雇用指数が強い数字だっただけに、
週末の雇用統計は市場予測上ブレるとの見方が大半だった。」

T「だろうな。既にそれを見込んで、ドル買い円売りというポジション取りに来た
投機筋も多い様子だ。週末へかけての日本株の強さも、先回り的な買いによる面も
あるだろう。」

M「ああ。強い雇用統計となれば、円安が更に進行し、日本株買いに繋がると見た
向きが先回り的に動いてきた可能性は確かにある。」

T「しかし蓋を開けてみれば、雇用統計は市場予測を下回った。失業率は想定以上
に低下してるが、雇用者数の下ブレは想定外だろう。」

M「しかも、前回、前々回分の雇用者数が下方修正されたからな。」

T「それが失望され、為替は大きく円高へと戻している。ただ米国株は強かったな
。雇用統計嫌気して売り優勢で始まったが、売り一巡後は徐々に戻して終わってみ
ればプラスで引けた。」

M「ああ。ある意味、米国市場にとっては、悪くない結果だったと言えるんじゃな
いのか。今回の雇用統計がえらい強い結果になったならば、流石に早期量的緩和
小懸念が意識されてくると思うぞ。」

T「そうだな。9月のFOMCで縮小に動くとの見方が一段と強まっただろうな。」

M「ああ。それに米長期金利も大きく上昇していた可能性があり、それが嫌気され
て逆に米国株は売られていたという可能性もある。」

T「ただ弱い雇用統計となったことで、長期金利も低下したし、9月縮小懸念が後退
した。それが昨晩の米国株の底堅さになっているんだろう。」

M「そうだな。ただ日本市場にしてみれば、円安進行が遠のいたことになりネガテ
ィブ印象だけどな。」

T「だよな。シカゴ日経先物終値も安くなっているし・・・。」

M「ただ例え強い雇用統計になっていたとしても、結果的には出尽くしになってい
たという可能性もあるけどな。先回り的にドル買い円売りという動きも強かったわ
けだし、日本株も事前に買われていたからな。」

T「確かにそうかもしれないが・・。」

M「来週、投機筋がどういった動きを見せるのか注目だな。」

T「来週はSQ週となり、しかもお盆休み前の週となる。それだけに先物主導で荒い
動きが続くかもな。」

M「そうだな。どういう推移で来週末を迎えるのか注目したい。」

T「期待したいモンだ。」