◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/08/17(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も非常に不安定な展開だった。結果的には日経平均などは行って来いの動
きになってしまっている。」

M「ああ。先週はイヤな感じで終えていただけに、今週も警戒されたが、日経新聞
法人税減税検討報道が好感され派手に戻す動きも見せた。」

T「日経平均は14000円台回復したからな。」

M「ただ維持できなかった。官房長官がその報道を否定し、財務相法人税減税は
経済効果乏しいなんて発言までした。」

T「余計な事言わなきゃ良いのにって思うが・・・。」

M「だよな。まあ早めに否定しておかないと、イザやらないとなった場合、市場の
失望度も高いため、やるかどうかも解らない段階では否定せざるを得なかったんだ
ろう。」

T「ただどうせ否定するなら、報道があったその日の内に否定すれば良いのに・・
・。」

M「とにかく、そういった発言が15日に伝わると、日経平均は大きく下落していく
動きになった。」

T「結局、法人税減税報道で上げた分を殆ど吐き出してしまった格好だ。」

M「この動きを見ても、やはり法人税の減税は市場は好感すると言うことだ。麻生
財務相の言い分も解らないでもないが、本当に法人税減税は効果が少ないんだろう
か?」

T「法人税を納めている企業が3割程度にとどまっており、特に中小企業には恩恵が
乏しいとの言い分だな。」

M「確かに法人税減税しても、直接的に恩恵を受ける企業は乏しいかもな。また恩
恵を受けても、それを内部留保など企業が抱え込んでしまえば、経済効果は乏しい
。」

T「ああ。だから設備投資減税など、そういう方が良いって話が出ているわけだな
。」

M「ただ法人税減税には、他にメリットもある。海外企業を国内に呼べることだ。
まあ法人税をどの程度まで下げるかによるんだが・・。」

T「確かに。同じアジアならシンガポールとかの方が全然法人税低いし、それに対
抗するのは無理な話だ。」

M「ただ日本には需要がある。日本進出したいが法人税の高さから利益妙味は乏し
くなるため進出しないという企業だって多いだろう。」

T「そうだな。」

M「それだけに法人税減税されれば、進出してくるという海外企業は少なからずは
出てくる期待はある。そうなれば雇用も国内で生まれるし、それなりの経済効果は
あると思うのだが・・・。」

T「でも、肝心の国内企業に恩恵が乏しいのでは、実現は難しいのかもな。」

M「まあ現状でも企業の内部留保は積み上がっているからな。それが更に積み上が
ると言うことになる恐れもある。」

T「でも、今週の市場の反応を見ると、やはり法人税減税は好感されやすい。」

M「海外勢には解りやすいことだからな。日本株の6割くらいは海外勢による売買な
んだ。海外勢に好感されやすいネタなのは確かだろう。」

T「それに国内の7割が法人税を払っていないと事だが、上場企業でいえば、法人税
納めている企業が多いだろう。」

M「だろうな。それだけに株式市場には当然プラスとなる。法人税減税となれば、
企業の利益が増えるわけだし、その分、企業価値も上がり、1株の価値も上がる事に
なるからな。」

T「当然株価は上がる。だから海外勢による日本株買いに繋がるんだろう。それに
株価の上昇は基本的に景気浮揚に繋がることだ。」

M「まあ、実際に、アベノミクス相場で株価が大きく上昇し、それが少なからず日
本景気を良くしているからな。」

T「ただ問題は、富裕層から景気が良くなってくると言う点だけどな。そもそも株
価が上がって、もっとも景気良くなる人は、株を沢山保有している人だからな。」

M「ああ。ただ富裕層が景気よくなれば、それは徐々に中間層などへも広がってく
る。来年から少額投資非課税制度いわゆるNISAも始まるわけだし、それにより投資
を始める個人も増えてくるだろう。」

T「そうだな。株式投資を行う人が増えれば、株価上昇で恩恵を受ける人は増える
ことになる。」

M「富裕層だけでなく、多くの人が投資を行うようになれば、株価の上昇は立派な
景気刺激策になるだろうな。」

T「それだけに、もっと投資を促す政策をやって欲しいモンだ。貯蓄から投資へと
資金をシフトしたくなるような政策を・・・。」

M「それに株価の上昇が緩やかでも続いていけば、投資に興味を持つ人も自然と増
えることになるだろう。そう考えれば、やはり株価を上昇させることは景気浮揚に
繋がるのは間違いない。」

T「なら法人税減税でも良いじゃん。」

M「まあ、9月くらいまでは、色々な思惑が出たり入ったりしそうだな。消費増税
行うんだろうけど、市場の期待はやはり、それとセットで行う景気刺激策だからな
。」

T「今週、米国市場の調整色が鮮明になってきたからな。何とか国内要因が日本株
の下支えにならないと・・・。」

M「そうだな。米国市場は結構やっかいだ。9月の量的緩和縮小を本格的に織り込み
に来ているし、タチ悪いことに弱い経済指標も目立ってきている。」

T「米景気回復に鈍化が出てきた上での量的緩和縮小は、先行き不安を強めやすい
からな。更にリスク回避の動きが続く懸念もあるかもな。」

M「ああ。米国市場がそうなっても日本株は底堅さ続けるという期待はあるが、問
題はリスク回避の動きから円高へ行くとやっかいだ。」

T「ただ日米金利差拡大で円高には行きにくそうだが・・。」

M「基本的にはそうだろうな。いずれにしろ来週は日米共に要人発言などで、市場
心理も揺れ動きそうだ。」

T「確かに・・。それだけに振り回される相場になるかもな。」

M「お盆休み明けとなる来週は、どういう展開になっていくのか注目したい。」

T「ああ。期待したいモンだ。」