◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/08/31(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も非常に不安定な展開だったといえる。週間ベースでは日経平均TOPIX
下落して今週を終えてしまった。」

M「相変わらず不安定な展開が続いており、依然として商いも低調だ。」

T「まだ夏休みモードといった感じだな。実際、海外勢には来週のレイバーデーま
で夏休み取っている向きも結構居るようだし・・。」

M「まあこれだけ不透明要因があれば、休みたくもなるわな。休んでなくとも、無
闇に動けないという向きも多いだろう。」

T「そうだな。今週は新たにシリア問題が浮上してきた。もちろんシリアの内戦は
今に始まった訳でもないが、化学兵器が使用されたことで外部まで巻き込む状況に
なってきた。」

M「ああ。今週26日にケリー米国務長官がシリアに関して記者会見を行った。そこ
で米国の軍事介入を示唆したことで、一気に地政学リスクが高まった。」

T「翌日には、早ければ数日の内に米国がシリアへ攻撃を行うとの報道も相次いだ
。」

M「ああ。それにより世界同時株安的な状況になったからな。既に米国の量的緩和
縮小懸念から、株安状況になっていたところも多いモノの、今回のシリア問題浮上
で、その株安に拍車がかかった状態だ。」

T「日本株や米国株は2ヶ月ぶりの安値水準まで売られるし、為替も一時急速に円高
進行する場面も見られた。」

M「更に既に売り込まれていた東南アジア株なども改めて売り込まれる場面もあっ
た。」

T「ただ米国がシリアへ軍事介入行っても超短期的に終わるとの見方から下げ渋る
動きも見せている。」

M「ああ。オバマ大統領も攻撃しても牽制的な攻撃にとどまるとの見方を示してい
るし、攻撃すればアク抜けなんて見方まで強まったからな。」

T「それに週末には米国の一番の同盟国でもある英国が議会でシリアへの軍事介入
が否決された。それにより英国は介入を断念した。」

M「ドイツも結局介入をしないことになったものの、米国は単独でも軍事介入行う
と依然強気だ。」

T「当初、今週中にはカタが付くなんて楽観的な見方も多かったが、こりゃ来週以
降に持ち越しだな。」

M「そうだな。実際に米国が攻撃行うかは依然として不透明だと言える。米国民の
多くが反対しているようだし、果たしてオバマ大統領が攻撃決断できるかどうか・
・・。」

T「でも、この問題長引くようだとやっかいだ。出来れば軍事介入は避けて欲しい
ところだが、米国が引くとは思えない。」

M「ただこのまま放置しておける問題でもないだろう。再び化学兵器が使われたり
すれば、多くの市民が犠牲になるんだ。」

T「だからといって、米国が軍事介入したところで、空爆するだけならば、効果も
限定的だろう。再び化学兵器が使われないって事にはならないだろうし。」

M「でも、本格的に軍事介入するわけにも行かないだろうからな。それこそ戦争に
なってしまう。イランやイスラエルなども巻き込んで大変な事になる恐れも否めな
い。」

T「だよな。ただ本格的な介入じゃなく、牽制的な攻撃にとどまったとしても、そ
れを機にシリアがイスラエルを攻撃したりする懸念もあるからな。」

M「そうなんだよな。シリアにはそう言っている軍幹部も居るようだし、米国によ
る攻撃が中東情勢を一段と悪化させてしまう恐れもあるんだ。」

T「ああ。報復の矛先がイスラエルへ向かう可能性は十分あるからな。それを考え
れば米国も下手に動けないともいえる。」

M「いずれにしろ、この問題まだかなり流動的だ。良い方向に転んでくれれば良い
のだが、悪い方へ転ぶようだと、マーケットには更なる波乱要因になってしまう。」

T「そう考えれば、攻撃開始でアク抜けなんて楽観的な事も言えないかもな。」

M「そうだな。いずれにしろ、この問題落ち着くまで、動きにくいと考える投資家
は多そうだ。」

T「それに米国の量的緩和縮小問題もあるし、それを占う上で重要な経済指標が来
週は目白押しだ。」

M「特に来週末の雇用統計は今まで以上に注目される。予想通りの数字となれば、
9月量的緩和縮小が決定されると言う見方強まるだろう。問題はそれでアク抜けにな
るか、それとも改めて嫌気されるのか・・・。」

T「ただ日本市場には期待もある。オリンピックだ。いよいよ来週7日に決定される
。日本時間では8日になるが・・。期待通り東京で決まれば、日本市場は外部要因に
影響受けず強い相場になるという可能性もあるだろう。」

M「いずれにしろ東京に決まって欲しいモンだ。投資家心理にも大きく影響が出る
からな。東京になるか、ならないかで投資家心理は大きく変わるだろう。」

T「確かに・・・。いずれにしろ来週一杯は相場の方向性はまだ出てきそうもない
。」

M「ああ。売り買い交錯で不安定な相場展開が続くといった感じだろうな。」

T「そうだな。とりあえず大きな懸念材料ともいえるシリア問題、来週中に落ち着
いて欲しいモンだ。期待したい。」