◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2013/10/26(土)発行

=================
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
=================
T「今週は波乱の1週間となってしまった。」

M「ああ。先週まではしっかりした展開で、じり高基調続けていたんだが・・・。


T「2週間で上げてきた分を、今週後半にあっという間に吐き出してしまった。」

M「下げるときは、ほんとに早いな。実質的に水曜日と金曜日の2営業日で2週間分
の上げを吐き出した格好だ。」

T「きっかけはやはり雇用統計だろうな。米国の・・。政府機関閉鎖の影響で発表
が延期されていた米9月雇用統計が22日に発表された。」

M「そうだな。それが想定以上に弱い数字となり、米国の量的緩和縮小、いわゆる
テーパリングが遅れるとの見方に繋がった。」

T「当初は年内には、なんて見方も多かったが、今回の雇用統計をうけ年内のテー
パリングは無くなったと見る向き多い。」

M「ああ。年内どころから来年3月位になるとの見方が多くなった。中には来年の夏
くらいまで、ずれ込むなんて見方をする向きまでいる。」

T「それをうけ米国の量的緩和政策が長期化するとの見方に繋がり、米国株には追
い風となった。雇用統計発表日の米国株もしっかりと上昇したしな。」

M「そうだな。しかし日本株は米国株に追随できなかった。当面、更なる円安への
期待が大きく後退したことにより、一部の海外勢が手仕舞いに動いたようだ。」

T「そのようだな。雇用統計翌日の日本市場は米株高を受け上昇して始まったもの
の、値を保てずに、その日の後場には派手に売り込まれる展開となっている。」

M「ああ。中国の金融引き締め懸念が重しとなったとの見方もあるが、その日の日
本株は中国株以上に売られているわけだし、それだけで流れが変わったと言うわけ
ではないだろう。」

T「だろうな。もちろん、中国の金融引き締め懸念も多少なりとも重しになってい
るのは確かだろうけど、それが一部の海外勢の手仕舞いに繋がった直接の要因では
ない。」

M「直接の要因は、やはり米国の量的緩和政策長期化だろう。海外勢には更なる円
安、それにより日本株上昇というシナリオを描いていた向きも少なくない。」

T「そのシナリオが崩れた事により、手仕舞いに動いたという感じか・・。」

M「まあ、時期的にも来月には決算期を迎えるヘッジファンドも多いことから、手
仕舞いのタイミングを探っていた向きもいたんだろうけどな。」

T「そう言う向きの背中を押したのは、やはり米国の弱い雇用統計か・・。」

M「恐らくな。更なる円安進行が暫く期待できなくなったという見方は、手仕舞い
要因になるだけでなく、海外勢による日本株買い意欲を衰えさす要因にもなる。」

T「結果、需給が悪化してしまい大きく崩れてしまったんだろう。ただ、そうなる
と来週以降も警戒されるな。海外勢の手仕舞い売りが継続するようだと結構やっか
いだ。」

M「しかし、このまま円高トレンドになっていくと言うことは考えにくい。確かに
米国の量的緩和政策は長期化しそうだが、日本だって量的緩和政策を続けている格
好だ。」

T「まあ、依然としてテーパリングは米国の方がどう考えても先になるからな。」

M「ああ。それを考えれば昨年までのような円高トレンドには戻る恐れは乏しく、
あくまでも一時的に円高進行する程度だろう。」

T「結局、円安トレンドが再び強まってくるのが先延ばしになったと言うことか
・・。」

M「まあそう言うことだ。円安を見込んで円売りポジション抱えていた投機筋の手
仕舞いが一巡すれば円高も止まる。そうなれば日本株売りも止まるだろうな。」

T「売られ過ぎれば値頃感から買い手も増える。」

M「ああ。それだけに、このまま日本株が下落トレンドを描いていくとは想定しに
くい。」

T「結局は、為替も日本株も揉み合い相場という感じかな。」

M「それだけに、過度に懸念する状況でもないだろう。売られ過ぎれば買い場にな
ると考えれば、逆にチャンス到来と言えるかも知れない。」

T「幸い、昨晩の海外市場では為替も落ち着いていた。まあ欧州時間では1ドル96円
台まで円高進行する場面も見られたが、その後は徐々に戻して米国時間では落ち着
いていた。」

M「米国株はしっかりと続伸し、S&P500指数は史上最高値を更新している。好調な
企業決算が好感され、引き続き量的緩和政策長期化への期待も下支えになっている
感じだ。」

T「まあ、少なくとも米国株が堅調ならば、日本株が売られても限定的になりそう
だ。」

M「ああ。米国株堅調ならば海外勢の心理もそれほど悪化しないからな。日本市場
でも来週から企業決算発表が本格化する。既に上方修正も目立っており売り込みに
くさも出てくるだろう。」

T「そうだな。好調な決算が押し目買いのきっかけとなる期待もあるだろうし、来
週は相場もあっさりと落ち着く可能性すらあるかもな。」

M「当然その可能性もあるだろう。まあ、目先更に売られたとしても、好決算企業
相次げば、買いたい向きは増えてくる。」

T「だろうな。ある意味、再び買い場がくるという見方も出来るかもな。」

M「実際、そう見ている向きも少なくないだろう。」

T「ああ。とりあえず来週どういう展開になるのか注目したい。あと、企業決算も
な。」

M「そうだな。期待したいモンだ。」

イメージ 1