◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/05/17(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は不安定な一週間だった。日経平均は週前半に大きく戻したと思えば、
週末にかけあっさりと吐き出した。」

M「結局、先週末比ではマイナスとなり2週連続での下落になった。」

T「米国市場の動向に振り回された格好だな。先週末から週明けにかけ米国株が
強かったことで、日本株も買われたが・・・。」

M「その後は米国株も下落してきたからな。ただ日経平均は何とか14000円は維持
して今週は終えている。」

T「そうだな。14000円割り込ませるような強引な売り手は出てこなかった。来週
には日銀会合も控えていることから売り込みにくさもあるんだろう。」

M「しかし不安定な相場だな。ここ数ヶ月、全くと言っていいほど方向性が出て
こない。結局は揉み合い相場だと言えるんだが・・・。」

T「ただ日経平均見ると徐々に上値がキリ下がってきているのが気掛かりだな。
それだけに揉み合い相場下離れていくのではと言う警戒も高まっている。」

M「ああ。新興市場指数は年初来安値圏だし、新興銘柄以外にもソフトバンクなど
個人投資家好みの銘柄が結構厳しい展開になっている。」

T「そうだな。信用買いの評価損益率はマイナス14%超となっており、じわじわと
個人投資家の懐具合が悪化してきている感じだ。」

M「このまま悪化してくると、何処かで投げが加速する怖れもある。まあ、そう
なればセリングクライマックスになるという期待もあるんだが・・・。」

T「投資主体別売買動向を見ると海外勢は依然として売り基調だからな。国内勢
個人投資家筆頭に下げたところでは買い越している。まあしっかり押し目買い
している格好だが、更に下げれば押し目買いが含み損となり、更に身動きできな
い向きが増えてしまう。」

M「新興市場の投資主体別売買動向を見ると、マザーズ市場に関していえば、個人
投資家は買い越しを続けている格好だ。先週まで9週連続で買い越している。」

T「しかも直近は買越額も結構大きいよな。マザーズ市場の規模を考えれば・・。


M「ああ。一方、海外勢はマザーズ市場では売り越しを続けている。これを見る限
り、新興市場はまだ暫く厳しいような印象だ。」

T「ただ新興市場は、東証1部と違って海外勢の動向で方向性が決まるわけでも無い
からな。」

M「確かにそうだな。新興市場の売買シェアは個人投資家が断トツでトップとなっ
ている。海外勢が断トツでトップとなっている東証1部とは真逆だ。」

T「ああ。それだけに海外勢が売り越し続けていて、個人投資家が買い越し続けて
いても、更に下げていくとは限らない。」

M「ただ直近個人投資家買い越し続けているにも関わらず、マザーズ指数は下落基
調続けている。この動きからも押し目を買う向きは多いが、上値を買い上がる向き
個人投資家にも乏しいと言える。」

T「確かに・・。この様な動きからも、やはり個人投資家の心理は結構悪化してき
ていると言うことなんだろう。」

M「新興市場は上げる時も、行き過ぎだろうってくらい上げることが多いが、逆に
下げる時も行き過ぎるモンだ。この辺が底値だろうと安易に買いに行くと、まだま
だ下値があったなんて事は良くある。」

T「確かにそうだな。」

M「やはり新興市場が下げ止まって、新興株が全体的に上げていくような展開にな
る前に、日経平均TOPIXが下げ止まって上げていく展開になるだろうな。」

T「それを確認してから新興市場を狙っても遅くはないということだな。」

M「恐らくな。来週は日銀会合あるが、期待は乏しいだろうな。まあ市場も期待は
していない様子だが・・・。」

T「ただ直近、不動産株がやたら強さ見せてきているだけに、一部では期待してい
る向きもいるのではという見方もあるようだ。」

M「まあ、来週会合まで期待感が高まって全体的に上げて行くようなら良いが、た
だそうなれば会合後は失望的に売られる恐れもあるからな。」

T「ああ。今回の会合で追加緩和はないだろうけど、期待あるとすれば黒田日銀総
裁が定例会見でリップサービスするかどうかだ。」

M「最近までの黒田日銀総裁の発言聞く限り、リップサービスすら期待薄だが、こ
こに来て欧州で追加緩和の思惑が強まっている。それにより為替は円高気味となっ
ているだけに、黒田日銀総裁の発言に変化が見られるかが注目される。」

T「再び黒田マジック、魅せて欲しいところだが・・。今の相場にハリがないだけ
に。」

M「現状は期待感ほぼ無いだけに、何かやるなり言うなりすれば、ポジティブイン
パクトも大きくなる期待はある。果たしてそこまで考えて発言するのかどうか・・。」

T「まあ期待しないで注目しておきたい。」

M「昨晩の米国市場は小幅ながらも反発した。リバウンド的な動きだといえるが、
最近市場が注目している米長期金利が反発したことも好感されている。」

T「前日には2.5%割り込んできたからな。昨年10月以来の低水準だ。昨年末には3%
も越えたものの、今年に入ってから弱含みの展開続けている。」

M「ああ。とても米景気拡大の期待が強まっているという動きじゃない。逆に米国
の超低金利政策は長期化すると言うことを示しているような動きだ。」

T「ダウやS&P500指数は直近史上最高値更新していたが、その背景には米国景気の
拡大があったはずだ。でも、それを裏付けるともいえる米長期金利が上がってこな
い事で、警戒感から手仕舞い売りに動く向きも増えてきたようだ。」

M「まあ今週、更に米長期金利が低下してきたのは欧州の追加緩和の思惑が強まっ
たことが影響しているといえ、あくまでも一時的だと言う可能性もある。」

T「つまり米国債は欧州債に連れ安した格好だな。」

M「ああ。ただ米国債の上昇、つまり米長期金利の低下は、何かを予見しているよ
うな動きでは警戒する声も聞かれる。比較的に安全資産と言われる米国債に資金が
流れているといえ、何かリスクが今後高まってくるのではという警戒だ。」

T「まあ、一部では地政学的なリスクを懸念する声もあるからな。25日にはウクラ
イナで大統領選が行われる予定だが、依然として緊迫化しており、ウクライナ情勢
が更に悪化する懸念はある。」

M「ベトナムで反中デモが過激になってきていることも警戒する声もある。」

T「いずれも米国経済を脅かす事にはならないようにも思えるが、米長期金利の低
下が思惑を膨らますと言う懸念はあるからな。」

M「ああ。それによりリスクオフの動きを取る向きが増えてくるようだと、それが
加速し、世界的に広がると言う懸念もある。5月だけに’Sell in May ’が意識され
る恐れもあるからな。」

T「まあ、懸念だけで終わって欲しいモンだけどな。」

M「いずれにしろ米長期金利の動向は多くの投資家が意識してきただけに、来週注
目しておきたい。」

T「ああ。早急に落ち着いて欲しいモンだ。期待したい。」