◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/08/02(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週もしっかりとした展開だったといえるが、週末にダレてしまった。」

M「ああ。ただ日経平均は節目の15500円を突破し15750円超まで上げる場面も見せ
ており、レンジ相場上離れ的な動きになってきたと言える。」

T「新興市場も堅調でマザーズ指数も揉み合い上離れる格好で、戻り高値を超えて
きており、節目の950ポイント越えてきている。」

M「為替も円安気味で、ドル円は4月以来となる1ドル103円水準まで円安が進行した
。」

T「日本株の流れがついに来たと思ったんだが・・・。外部要因に水を差されてし
まった格好だ。」

M「そうだな。ここ数日、日本市場は米国市場離れ的な動きも見せていたんだが、
流石にあれだけ派手に下げられると無視できないようだ。」

T「ああ。一昨日には米ダウが320ドル近くも下げており、S&P500指数やナスダック
指数は2%以上の下げとなった。」

M「アルゼンチンのデフォルト懸念や、ポルトガルの大手銀行が多額の損失計上を
発表したことなどが嫌気されたようだ。」

T「それに米国の早期利上げ懸念も意識されてきたようだな。」

M「ああ。30日に発表された米4-6月期GDP速報値は市場予測前期比年率+3.0%だった
のに対して、+4.0%とえらい数字となった。」

T「1-3月期分は上方修正されており、内容的にも個人消費が伸び、コアPCE価格指
数は久々の高水準となっている。」

M「これをうけ米長期債や短期債の利回りが上昇し、早期利上げ懸念に繋がった。」

T「そのお陰で為替は大きく円安へと振れ、翌日ダウが320ドル近くも下げても円高
へとは振れなかった。」

M「ああ。それにより昨日の日本株は下げたとはいえ、底堅さを見せていたと言え
るだろう。」

T「単純に米株の調整が、米景気拡大による利上げ懸念というのであれば、為替は
円安進行しやすくなり、日本株には追い風となるんだが、どうもそれだけでもない
ようだからな。」

M「ああ。だから、ややこしくしているんだろう。昨日発表された米雇用統計は市
場予測を下回る結果となった。失業率は前回より増えており、ある意味弱い結果だ
ったといえる。」

T「ああ。ただそれにより過度な早期利上げ懸念が後退した。米金利は低下し、ド
ルが売られ円高気味になっている。」

M「それをうけ昨日の米国株はしっかり上昇する場面もあったんだが、値を保てな
かった。」

T「そうだな。昨日は欧州株が派手に続落しており重しとなった面もあるようだ。
欧州株は、ドイツのPMI確報値が下ぶれた事や、引き続きアルゼンチンのデフォルト
懸念、それにポルトガルの大手銀行株が引き続き爆下げしており嫌気された。」

M「それにロシア問題も欧州景気に悪影響与えると言う見方が強まり重しとなって
いる。」

T「結局、昨日の米国株は欧州株ほどではないが、続落となり、調整入りを示して
きたような格好だ。」

M「頼みの綱とも言える為替も昨日は円高進行してしまっており、シカゴ日経先物
は円建てで15415円引けとなっている。このままだと週明けは日経平均100円超の下
落で始まることになる感じだ。」

T「過去8月には大きな波乱要因が出てくることもあっただけに、今年もやばいんじ
ゃないのかと警戒する市場筋も結構居るようだ。」

M「1998年8月にはロシアが財政危機に陥り、2007年8月にはサブプライムローン
題が顕著化した。そして2011年8月にはS&P米国債をトリプルAから格下げし波乱を
呼んだ。」

T「今年はロシアウクライナ問題か、それともアルゼンチン問題なのか・・・。イ
スラエル問題だってある。」

M「ただ、いずれも世界経済に大きな悪影響を与えるような問題ではないと言える
けどな。少なくとも短期的には・・。」

T「ならポルトガルか・・。大手銀行財務悪化による金融不安強まり、世界経済へ
の悪影響が懸念される。」

M「可能性は極めて低そうだが。それがポルトガルの財政危機に繋がるなら別だが
、今のところ問題はないだろう。」

T「まあ、金融機関が連鎖的に相次いで財政危機に陥らなければ確かに問題はなさ
そうだが。」

M「いずれにしろ今は問題なくとも、長期化して問題が大きくなるという恐れはい
ずれもあるだけに油断は出来ないが・・・。」

T「そうだな。ただ取りあえずは、すぐに大きな問題に発展していく懸念は乏しい
と言えるかもな。」

M「米国株も随分と長い期間上げてきたからな。夏休みシーズンだし、細かい懸念
が意識されてきたため、利食いに走っている向きも多いんだろう。」

T「ああ。日本株もそれで重しとなる場面で的そうだが、出遅れていた分、米国市
場ほどは下げないかもな。」

M「取りあえず来週も引き続き個別物色の流れが続くんだろう。業績絡みの材料や
、テーマ株が引き続き循環的に物色される展開だろうな。」

T「そうだな。新興系銘柄などは地合関係なく物色されるモノも多いからな。」

M「ただ来週から新興系銘柄の決算発表も続々と出てくる。好決算となれば良いが
、決算悪かったり期待に届かなかったりすれば派手に売られることも少なくない。
それだけに注意は必要だ。」

T「市場では8日のミクシィ決算が大きな鍵だと見る向き多いようだ。」

M「ああ。ミクシィは決算期待で買われている面も強く、実際好決算が想定される
。ただ株価は既にそれを織り込んで買われているだけに、決算発表後の動きが注目
される。」

T「決算で派手に売られるようなら、他の新興系銘柄にも悪影響を与える恐れがあ
るからな。」

M「逆に更に買われるなら、モメンタム株のイケイケムードが更に強まるという期
待もある。」

T「来週の大きな注目点だな。」

M「あとは欧米株が早々に落ちつきを取り戻せるかだろう。」

T「そうだな。期待したいモンだ。」