◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆  2014/10/04(土)発行

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週は一転して波乱的な相場になった。」

M「ああ。香港の民主派によるデモが拡大し懸念しされてきたことや、米国内で初
めてエボラ出血熱感染者が確認されたことなどが波乱要因となった。」

T「香港の民主派デモに関しては日本市場では殆ど悪影響に繋がっていなかったん
だが、米国市場で嫌気されたため、日本でも遅れながら嫌気される動きになってい
る。」

M「この動きからも日本株は再び米国株の顔色伺うような状況になってきた感じだ
な。」

T「確かにそうだな。その米国株は先週から動きが荒くなってきており、波乱含み
の状況だった。それだけに影響受けやすくなった日本市場も波乱的な動きになった
感じだ。」

M「米国のエボラ出血熱感染者にしても、10/1の朝の時点で報じられていたんだが
、その日の日本株への影響は限定的だった。ただその晩の米国株が波乱的に売られ
たことで翌日の日本株が大きく売られている。」

T「まあ1日に発表された米ISM製造業景況指数が弱かったことも重しとなったんだ
ろう。それに加えてエボラ問題で、米景気への過度な先行き期待が後退した格好だ
。」

M「確かにそうだな。2日の日経平均は420円超の下落となる大反乱となった。しか
も、その晩の夜間取引では15370円まで突っ込む場面あったからな。」

T「これだけ短期間で大きく動いただけに、ある意味パニック的な動きになりやす
かったのかもな。」

M「来週にはSQを控えているが、オプションの動きが凄まじかったからな。」

T「それに今まで日本株を支えていた円安も支えにならなくなってきた感があり、
それも嫌気された様子だ。」

M「ああ。1日には1ドル110円をやや強引に付けており、それで投機筋の目的は果た
した印象だ。それから急速に日本株も弱くなっている感じだからな。」

T「確かにそうだな。それで投機筋が手仕舞いに動いた向きも多かったのかも知れ
ない。円売り、日本株先物買いというポジションを組んでいる投機筋が多いと言
われていたし、それが巻き戻しに動けば、円高、株安になるのも仕方ない。」

M「そうだな。ただ昨日の日本株は何とか下げ渋った格好だ。日経平均は結局、節
目の15500円はキープしたし、小幅ながらもプラスで引けている。」

T「晩には米雇用統計も控えていただけに、買い戻しもあったんだろう。」

M「だろうな。1日に大幅安したが、その日の空売り比率が今年2番目の高水準に上
昇していた。つまり1日に空売りした向きが多く、その買い戻しも入りやすかったの
かも知れない。」

T「そうだな。米雇用統計は良くも悪くもマーケットを大きく動かす事が多いイベ
ントであり、その前にポジションクローズしたくなる向きも多いだろうからな。」

M「ああ。ただ昨日の空売り比率を見ると、更に増えているのは驚いた。今年一番
の比率まで高まっており、昨日も空売り入れた向きが非常に多かったと言うことだ
。」

T「雇用統計前にヘッジ的な売りと言うこともあるんだろうけど・・・。」

M「昨日は不動産株が引き続き弱かったりと、結構個別に空売りしてきている向き
も多いのかもな。」

T「ただ空売り比率の上昇は、株価底打ちのサインでもあるからな。」

M「ああ。空売り比率増えてきて株価が下げなくなってくると、急速に上げていく
ことも過去何度もある。」

T「注目の雇用統計は随分と強い数字となった。」

M「ああ。市場予測を上回る雇用者数の伸びとなっており、前回弱かった数字は上
方修正された。失業率に関しては6年ぶりの低水準だ。」

T「米国株が高値圏にあったなら、早期利上げ懸念に繋がっていても不思議無い数
字だったといえる。」

M「そうだな。今週、ISM製造業景況指数の低下やエボラ問題などで米景気への期待
が後退していただけに、強い雇用統計は素直に好感された格好だ。」

T「ああ。直近下げていたと言うこともあり押し目買いのきっかけとなったようで
、昨日の米国株は大幅に上昇した。」

M「ダウは節目の17000ドル台回復しており、ドル円は再び1ドル110円が射程圏とな
る水準まで戻している。」

T「シカゴ日経先物は15900円台で返ってきており、取りあえず週明けは爆上げスタ
ートとなりそうだな。」

M「ここ二日ほど、空売り急増していることを考えれば、買い戻しの動きも期待で
きる。」

T「問題は更に上値買う向きが出てくるかどうかだな。」

M「ああ。エボラ問題だって、再び懸念視されてくる恐れもある。このまま沈静化
してくれればいいが、もし米国内で新たな感染者が出てくると、再び波乱要因とな
ある恐れもあるからな。」

T「そうだな。まあ米国内で新たな感染者出てくる可能性は高くはなさそうだが、
暫くはそう言った警戒が燻るのは仕方ない。」

M「来週から米国ではアルコア決算を皮切りに決算発表シーズン入りとなる。好決
算が相次げば良いが、米国はドル高が企業業績に重しになるとの見方も増えてきて
いるからな。」

T「確かにそれはありそうだ。ドル高の影響が企業業績に出てくるのか、今回の決
算発表シーズンで確認する必要がありそうだ。」

M「足下の業績に関しては問題なさそうだが、先行きは警戒だろうな。まあ、それ
でも米内需株が好調ならば、全体への影響は限定的だろうけどな。」

T「日本では来週小売企業の決算発表が相次ぐ。消費増税後の立ち直りの鈍さが鮮
明になる可能性もありそうだ。」

M「ああ。それにより今年12月にも決断すると言われている、再度の消費増税が不
透明になる可能性もあるかもな。」

T「追加緩和期待に繋がれば良いのだが、ここに来て円安牽制する声も増えてきて
いるからな。」

M「そうだな。この状況で追加緩和し、更に円安へ振れていくようだと逆に困ると
いう向きも少なくないかもな。そう考えれば日銀も動きにくい。」

T「来週には日銀会合があるが、黒田日銀総裁の会見は注目される。今まで強気な
景気認識示し続けているだけに、変化が出てくるのかどうか・・・。」

M「ああ。取りあえず来週の相場は反発が想定されるが、戻り一巡後どういう展開
になるのか注目だな。」

T「そうだな。期待したいモンだ。」